1.白い犬とワルツを
「白い犬とワルツを」はアメリカの作家テリー・ケイによる小説で、"大人の童話"と呼ばれ有名となりました。この物語は長年連れ添った妻に先立たれ、自身も老いや病の存在を見つめながら余生をおくる老人サムの目線でつづられています。
愛する妻の死を受け入れ、自身も老いを感じながらも子供たちに頼らず余生を過ごそうとする中、どこからともなく1匹の白い犬が現れます。この犬はサムの前にしか現れようとせず、声も立てません。神出鬼没な白い犬は、淡々と命の終わりを受け入れるサムにそっと寄り添います。この"白い犬"とはいったい何なのか…読み終わった後にはみずみずしくも穏やかな感動を受けることでしょう。
2.盲導犬クイールの一生
「盲導犬クイールの一生」は、1998年に12歳で亡くなった盲導犬「クイール」の一生をつづったノンフィクションの物語です。クイールはラブラドール・レトリーバーで、お腹に個性的なブチ模様がありました。そのブチ模様がまるで鳥が羽を広げているように見えることから、パピーウォーカーさんに"鳥の羽"を意味する「クイール(Quill)」という名前を付けてもらいます。
"ペット"という存在とは違い、盲導犬は人間のために働く役割を持った犬です。犬と人間という種を超えた絆の物語は「共に生きるとは?」「優しさとは?」「命とは?」と、私たちに大切なことを思い出させてくれます。
3.僕のワンダフル・ライフ
「僕のワンダフルライフ」は2017年に日本で公開されたアメリカの映画です。ゴールデン・レトリーバーの子犬「ベイリー」は「イーサン」という少年に命を救われます。固い絆を結ぶ一人と一匹ですが、犬の持つ時間は人間よりもとても短い…しかしベイリーは、何と様々な犬として何度も生まれ変わりイーサンに再会するのです!「もしかしたら愛犬も…」と、見えない絆の強さを信じたくなる、見た後には温かな気持ちになって愛犬を抱きしめたくなる名作です。
4.いつでも会える
「いつでも会える」は菊池まりこさんの絵本で、ミリオンセラーとなって1999年に「ボローニャ児童賞・特別賞」を受賞しました。松嶋菜々子さんのCMに使用されて知った方もいらっしゃるかと思います。大好きな飼い主の「ミキちゃん」を亡くしてしまい、犬の「シロ」は戸惑いと悲しみに暮れてしまいます。そんなシロが悲しみを乗り越えていく姿を、優しい絵と言葉で温かにつづった絵本で、お子様とも一緒に読みたい一冊です。
5.いとしのムーコ
犬のお話はどれも感涙必至なものばかりなので、最後にクスッとほんわか癒されるものをご紹介します。「いとしのムーコ」はみずしな孝之による漫画作品で、同人誌で読み切り作品として発表したものがきっかけで、2011年より講談社「イブニング」にて連載開始となりました。
大自然の中でガラス工房を営む吹きガラス職人の「こまつさん」と、その愛犬「ムーコ」、そして個性豊かなこまつさんの仲間たちのラブリーな日常を描いた物語です。とにもかくにも、柴犬のムーコがゆる可愛くてたまりません!犬との暮らしの中での「犬あるある」もほんわかと描かれているところも魅力の1つです。
まとめ
犬が登場する物語は愛犬と重なって、とても感動するものばかりです。犬という存在がいかに私たちにとってかけがえのないものなのかを実感しますよね。作品を読み終えたり見終わったりした後には、愛犬のことをギュッと抱きしめたくなることでしょう。みなさんもぜひ、様々な物語の中で犬たちと出会ってみてください。