犬の血液型が何種類あるか知っていますか?
犬には13種類の血液型があると言われていますが、赤血球にある抗原の種類によって、日本では9種類に分類されています。
犬の血液型は人間のABO式とは異なり、DEA式です。DEA1.1型、DEA1.2型、DEA3型などと分類されます。
通常では輸血を必要としない限り、犬の血液型を知る機会は稀だと思われます。動物病院などでも、血液型を判定するキットを常備するほど普及していないので、その場ですぐに調べることの出来ない現状があります。
その上、外部委託になると、お値段も一般の血液検査に比べて高額なりますが、いざと言う時のために「愛犬のことを知っておく」と言う意味では、調べる価値があると思います。
因みにいざと言うのは、「安全な輸血を受ける時」、「輸血用の血液を供給する時」、「安全な出産・子育てのため」などが上げられます。
もしものために愛犬の血液型を知っておく
ペット医療の最先端である欧米などでは、ペット用の血液バンクが設立されていますが、日本には現時点では存在しません。ですから病院によって血液の入手方法は様々です。
皆さんの通っている動物病院では大型犬が飼育されていませんか?
もしいるのならばそれは供血犬と言って、動物病院で輸血が必要な時に、血液を提供するために飼育されている犬です。
動物病院によっては安定的に血液を確保するために、輸血ドナーを募集しているところもあります。
私の愛犬の場合
私の愛犬が手術後に輸血が必要になった時、お世話になっている動物病院には供血犬がおらず「知り合いで大型犬を飼っている方はいませんか?」と聞かれました。要するに、知人に大型犬を飼育している人がいるならば、自分たちで交渉して下さいと言う意味です。
しかし大型犬ならどのような犬でも良いわけではなく、一定の条件があります。
「年齢は1〜7歳。体重は20kg以上。狂犬病予防接種、混合ワクチン接種及び、フィラリア予防が毎年されている健康な犬」
私が出された条件は以上でした。生憎、知人に大型犬を飼っている人はおらず、1回目の輸血はホームドクターの紹介で、二次救命の動物病院で、予めストックされていた血液を輸血しました。
ほっとしたのもつかの間、すぐに2度目の輸血が必要となり、次は供血犬のいる病院を紹介されましたが、その直後にホームドクターが自分の診ている犬の中から、血液を分けてくれる犬を探して下さり、善意で分けて頂きました。
そのように、動物病院は様々な方法で血液を確保しています。
私の愛犬の血液型
ところであなたはご自分の愛犬の血液型を知っていますか?
私は愛犬が輸血を必要とするまで全く知りませんでした。因みに今まで8匹の犬と暮らして来ましたが、血液型を知っている犬は1匹のみです。
他の7匹は輸血が必要となるような事故や病気とは無縁でした。それなので敢えて血液型を知ろうとも思わず……。
しかし8匹目の愛犬は急性の病でたった2週間で、大きな手術を2回し、突然輸血が2回必要となりました。
それまで特に不都合はありませんでしたが、もし血液型を事前に知っていたら、自分たちで輸血ドナーを探すことになっていた場合に、スムーズだったろうとは思いました。
私が気がかりだったのは、何種類もあるのに、同じ型の血液がすぐに見つかるのかと言うこと。私たち人間の場合は、違う血液型を輸血されたら、拒絶反応が起きて死に至ります。ですが、犬の血液型で必要なのは1・1抗原を持っているか(陽性)持っていないか(陰性)を判定することなのです。
もし手術の際に1・1抗原の陰性の犬に、陽性の犬の血液を輸血したとしても、最初の1回なら、血液不適合による拒絶反応は殆ど起きません。ですが、血液型の検査や、適合するかどうかのクロスマッチテストは行います。付け加えますと、輸血に必要な分類はそれ程細かくはなく、僅か3通りです。
しかし2回目以降の輸血は、重篤な副作用や拒絶反応が起きてしまう可能性が高いと言われているので、より一層慎重になります。
私の愛犬は2度輸血をし、2度とも違う血液を輸血しました。
まとめ
ペットたちも人間と同様に、思いがけず輸血が必要となる場合があります。輸血さえ出来れば救える命なのに、現在の日本の動物医療においては、広域で利用ができる輸血システムがないがために救えない。そんな悲しいことはありません。
様々な動物病院が献血のネットワーク作りに取り組んでいますが、それ程普及していないのが現状です。
だからこそ、予め愛犬の血液型を知って、もしもの時のために血液ドナーを探しておくのも大切なことかもしれません。正直、ドナー探しは大変です。
自分の身の上に置き換えて考えてみて下さい。自分の大切な愛犬の血液を簡単にあげることが出来ますか?
絶対に安全だと言われても、私ならば正直躊躇してしまうことでしょう。それが見ず知らずの犬相手だったら尚更です。
それなのに知り合いでも何でもない私の愛犬に、大事な大事な愛犬の血液を無償で分けて下さった飼い主さんがいらっしゃいました。
悲しいことに私の愛犬はこの世を去りましたが、受けた親切は生涯忘れなることはないと思います。
勿論、輸血が必要となるような状況にならないければ、血液型を知ることに余り意味はないのかもしれませんが、飼い主として「愛犬のことを知っておく」のは大切なことかもしれません。
ユーザーのコメント
30代 女性 だらっくま
あってはならない、あってはほしくないけれど、いつ何が起こるかはわかりません。
もし、愛犬に輸血が必要となった場合にどうすればいいのか?どういうことになるのかが、実体験と共に綴られており、とてもよくわかりました。自身で血液ドナーを探さなければならないケースがあるとは...自宅にマッチする大型犬がいれば別ですが、お友達の犬に簡単に頼める内容でもなく、ハードルが高いと思います。
現在通っている病院に供血犬はおりませんが、ストックしている血液があるのかどうか確認すること、そして2回目以降の輸血は特にクロスマッチが重要であることを頭に叩き込んでおきます!