3年も彷徨っていた犬
通報
2019年9月20日、1本の通報が入りました。
「首輪をした犬が1匹で歩いてて…どうしたらいいですか?」
通報者に犬を見張っていてもらい、現場に駆け付けました。
犬は、かなり大きかったです。
捕まえようとすると、逃げました。近づくと少しですが唸りもありました。
でも、おやつは手から食べてくれました。
保護
実は2ヵ月ほど前、「ゴールデンのような大きな犬が足を怪我した状態で歩いている」という通報が別の人から入っていました。現場に行き探しましたが、その時は目撃から通報まで数時間経っていたため、犬の姿はどこにもありませんでした。
その時と同じ犬ではないかと思いました。後ろ足を負傷したような歩き方をしていて、ゴールデンレトリーバーのような毛色で体格も大きかったからです。
時間はかかりましたが、なんとか保護することができました。
動物病院
犬はかなり汚れていて臭かったです。
長期に渡って放浪していたのではないでしょうか?
首につけられたチェーンの首輪がさび付いていました。
昨年秋にも、かなり離れた場所で同じ内容の目撃情報が入っていたので、もしかしたら同じ犬かもしれないと思いました。
犬や猫を保護した時は、必ず動物病院に直行します。この時もすぐに動物病院に連れて行きました。
後ろ足
犬の後ろ両足は、重篤な関節症になっていました。
治療法はありません。
痛み止めを処方してもらいました。
耳の汚れもひどく、真っ黒な耳垢が外まで飛び出ている状態だったので、耳そうじをしてもらいました。
犬がどれほど長い間放浪していたのかはかりしれませんでした。
保護
地元のセンターに保護した迷い犬の届け出を出しました。
後日、警察署にも届け出を出しました。
犬は飼い主さんに繋がる情報を身に着けてはいませんでした。
迷い犬のチラシを作って市内各地に貼り、さらにSNSでも飼い主さんに呼びかけました。
ある女性
保護から約1ヵ月後、保護犬猫たちの譲渡会を開催していた日のことです。
会場にも迷い犬のチラシを貼り出していました。
すると1人の女性が「知り合いの犬かもしれないので、この犬に会わせてほしい」と言ってこられました。
その女性の話では、ここから20㎞以上離れた町で3年前にいなくなった弟の犬ではないかということでした。
ただ彼女はその犬と一緒に住んでいたわけではないので、会ってもよくわからないとのこと。
そこで3年以上前に撮影したという、弟さんの犬の写真を見せてもらいました。
その犬の鼻はピンクでした。私が保護した犬の鼻は黒です。
顔は似ているようで似ていない?その写真だけでは私自身もよくわかりませんでした。
その女性は犬の写真と動画を携帯で撮影して、それで帰られました。
その時、私は「なんだ、違ったのか…」と落胆したのを覚えています。
電話
数日後その女性から、弟さんと一緒に犬に会いに来たいと電話がかかってきました。
再会
弟さんは待ち合わせ場所に到着すると、こちらに歩いてきながら、「ここにほくろがあるはず…」と言いました。
その迷い犬には、まさに言われた場所にほくろがありました!
間違いありませんでした。
犬が身に着けていたさび付いたチェーンの首輪を見せると…
「これは俺がつけたチェーンだ」
その瞬間、鳥肌が立ちました。
なんとその犬は3年前の夏、散歩中にチェーンが外れ、行方不明になっていたその男性の犬だったのです!
最後に
弟さんは犬と3年ぶりに再会した瞬間、嬉しそうな顔をされました。
その後、3人で派出所に行き、犬返還の手続きを済ませ、犬は無事、飼い主さんが連れて帰られました。
20㎞以上離れた場所から3年もの間、よく無事で、よく保健所に捕獲もされず…。本当に奇跡的な出来事でした。
犬の後ろ両足が重篤な関節症になったのは、3年間さまよっていたせいだったようです。
この犬の目撃情報は、昨年秋から今年夏にかけて私の元へ届いていました。
その犬を最終的に私のところで保護して、無事飼い主さんに繋げられたこと、その奇跡に感謝しています。
※本記事に掲載している写真や動画は、全てライター自身の制作物です。
ユーザーのコメント
女性 匿名
道のりは長かったけど、飼い主さんもワンちゃんも願いが通じ、再会できて、良かったです。
40代 女性 km
50代以上 女性 シュウ
50代以上 男性 匿名
映画見たいな話があるんですね。
30代 女性 匿名
飼い主はその責任を一生持つこと。
女性 匿名
沢山怖い思い、辛い思いをしてきたんだと思うと、飼い主が見つかって本当に良かった。これからは平穏な日々を過ごせますように。
40代 女性 ゆみぽん
ずっとずっと、頑張ってひとりで生きてきたんですね。わんこにとっての3年がどれほど長いか・・・。 飼い主さんに会えて本当に良かった。 でも、何よりもこうして保護してくださる方、本当に本当にありがとうございます。
40代 女性 かき。
Twitterを見てると、毎日のように、犬が迷子になった、捜索願いのツイートが後を経ちません。
そもそも、なぜ、居なくならせてしまうのか、飼い主としてはその落ち度もあると思います。放飼いや、リードはなして散歩させてる人もたまに見かけ、どきっとします。ペットを飼う際は柊生お世話することを肝に命じてほしい。
逃げて運が悪ければ車に跳ねられる、
保健所で期限が来たら簡単に殺処分です。
どうか、、命の重大さを考慮して、動物と生活しましょう!
30代 女性 もよう
もう一度言いたい。「あなた、本気で探してた??」