月の満ち欠けが犬の行動に影響を及ぼすのか
今回は欧米でも議論になっている「月の満ち欠けは犬の行動に影響を及ぼすのか」ということについてお話ししていきますが、結論から言ってしまうと、この噂の真偽は未だに不明です。
しかし、実際にこの噂で議論が行われているということは、何らかの出来事があったからこそ、話題となっていると考えるのが妥当です(この出来事や調査結果については後ほど詳しくご紹介します)。
また、欧米では昔から『狼男』に関する伝説が数多く囁かれています。もちろん、これはあくまで空想上の登場人物であり、実際には存在しません。しかし、このような物語上の設定が、今回の噂の出所となっているのではとも言われています。
現段階では関係ない説が濃厚
先ほど、今回のテーマ「月の満ち欠けは犬の行動に影響を及ぼすのか」という噂について、胃までに真偽は不明と言いました。しかし、現段階では影響を及ぼすという証拠もなく、様々な科学的観点から、月の満ち欠けは犬の行動に影響を及ぼさないという説が濃厚です。
この噂の出所が伝説や物語ではないかと言われているのもそのためで、もし仮にそれが事実であれば、明らかに事実無根の噂であるということにも繋がります。
しかし、先ほどお話ししたとおり、この噂の議論が過熱している裏には、ある出来事に疑問を持った人が実際にいるのです。次でその出来事や調査結果をご紹介します。
月の満ち欠けが犬の行動に影響を及ぼすと考えられている理由
この噂が話題になったきっかけとして、イギリスの総合病院で行われた調査結果と、アメリカの事故に関する調査結果が挙げられます。
まずイギリスの総合病院で行われた調査についてご紹介します。イギリスの「Bradford Royal Infirmary」という総合病院に、噛みつかれたことで怪我を負った人が運ばれてきた人数に関する調査を行いました。 すると、年齢も性別のバラバラな負傷者が1500人にも上り、満月の日に合わせて患者数が突如として急増したという結果が出たのです。
また、アメリカの事故件数に関する調査では、10年間に発生した、こちらも同様に噛みつかれたことで怪我を負った事故の件数を調査しました。すると、最も多かった事故に関連する動物が犬であり、満月の日の前後に事故に遭った件数が、通常の約1.5倍以上に上ったという結果が出たのです。
これらが噂をさらに助長し、「もしかすると月の満ち欠けは犬を始めとした動物たちに、なんらかの影響を及ぼすのでは」と考えられるようになったのです。
一方で月の満ち欠けは犬の行動と関係ないとも言われている
しかし、最初にお話ししたとおり、現段階では月の満ち欠けは犬の行動と関係ないと言われています。その理由の1つとして、まず月の満ち欠けが犬の行動に関係しているのではないかという証拠がなく、先ほどの調査結果のみであるということ。さらにもっと突っ込むのであれば、オーストラリアやギリシャ、フランスで行われた類似調査によると、特段満月の日に噛みつき事故が多かったという結果が出なかったのです。
他にも関連性はないと言われる理由があります。元宇宙飛行士のジョージ・アベル氏によれば、月の引力はほんの僅かな力しかなく、満月の日であってもほとんど影響力はないのだそう。
また、ジェームズ・ロットン氏の調査結果を基にしたメタ研究によると、こちらも月の満ち欠けは人間に影響を与えないため、犬にも与えないのではないかという結果を出しています。
これらの調査や研究結果から、月の満ち欠けと犬の行動の関係性は薄いと言われており、現段階では関係ない説が濃厚となっているのです。
月の満ち欠け説は満月の日の活動量の問題?
アメリカとイギリスの調査によると、満月の日に噛みつき事故の件数が増えたという調査結果が出ていますが、その理由として、満月の日の夜は、月明かりが強くなるため、他の夜に比べて道が明るく照らされることが理由ではないかと指摘されています。
どういうことかといいますと、道が明るく照らされることにより、「愛犬を連れて外を散歩しよう」「ランニングしよう」という飼い主が多くなり、その結果、いつもより事故件数が増えているのではないかという説です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。月の満ち欠けと犬の行動に関連性がある場合、なんだかロマンがあるなとも感じてしまう噂ですが、現段階では関連性は薄いという見方が強いです。この噂に関しては、今後の研究によってまた新たな事実が発覚するかもしれないので、犬好きとしては乞うご期待、ですね!