犬に服を着せるのはオシャレのためだけではない

犬に服を着せるのはオシャレのためだけではない

犬に服を着せるのはケース・バイ・ケース。犬の体を守るために必要な場合もありますが、ちょっとしたことが犬の自由な動きを妨げ、ストレスや体の負担につながることも。上手な服選びをしたいですね。

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服を着た犬

犬に服を着せるのは単なる親バカではございません

犬に服を着せて歩いていると、多くの方が笑顔を送ってくださるのですが、たまにはちょっと皮肉めいたひとことも。

「あらあら、いいご身分ね」
「こんなの着せられて!人間の赤ちゃんみたいね(からかう感じ)

おそらくワンちゃんを飼ったことがない方なのだろうと、「ふふふ」と笑ってスルーしてます。

ええ、大事な大事な愛犬なので。
でも決して決して、着せ替え人形のように服を着せて喜んでるわけじゃありませんのよ(^_^)、と心の中で答えています。

服で季節の気温変化による負担を軽減

一日中温かい家の中で過ごしていて、お散歩に出る時。真冬だと室内と室外の気温差が10°以上になることもあります。

人間も、温かい部屋からいきなり寒い所に出ると、血管がキュッと縮み、血圧が上がります。犬も同じ。特に小型犬ではそれだけ心臓にかかる負担も大きくなります。そんな時、服を着せていることで、極端な気温差による体の負担を軽減することができます。

雪の中の黄色いセーター

犬は体に汗腺がないため、汗をかいて体温を下げることができません。そのため、熱中症になりやすいのです。小型犬は体の容積が小さいので熱の影響を受けやすく、イタリアングレーハウンドのような毛足が短い犬では、直射日光やアスファルトの輻射熱を直接受け、日焼けもしやすくなります。

水に濡らして着せるクール素材の服やUVカット素材のものもあり、上手に利用することで体表温度の上昇と紫外線による影響を防ぐことができます。

芝生の上ピンクのシマシマ

汚れ、虫よけ

雨の日の散歩では、アスファルトのタールなど、落ちにくい汚れがつきがちです。毛足の長い子は特に汚れやすいので、汚れよけに服を着せるのは有効です。

また、虫の多い季節や場所では、被毛の中に虫が入り込むのを防ぐ役目も。虫が嫌う成分を織り込んだ繊維で作られた服も市販されています。

皮膚の保護

湿疹や膿皮症といった皮膚病、または治療中のケガなど、犬は気になったところを舐めて、症状を悪化させてしまいがち。そんな時には服を着せて保護。アレルギーのある子のためにオーガニックコットンの服や、避妊手術など術後のおなかの傷跡を保護するための服も売られています。

安全

小型犬は人間の足もとで見えづらく、毛色によっては目立ちにくいもの。中・大型犬でも毛色が黒っぽかったり、早朝や夕方の薄暗い時間では特に見えづらくなりますが、派手な色の服や、反射素材が使われている服を着せることで「ここに犬がいますよ」と、車や自転車、歩行者に存在をアピールするのに役立ちます。

アスファルトの上でオレンジ色

カフェやショッピングモール、訪問先など

公共の場所では、抜け毛防止として服を着せることが、お店や周囲の人に対するマナーにもなります。出かける前にブラシをして予め抜け毛を取り除いておくことも大切。

犬に服を着せることがデメリットになる場合

袖付きタイプ

袖がある服では、袖から袖までの胸幅がぴったりしすぎていると前肢の可動域を狭め動きを妨げてしまいます。サイズがぴったりすぎたり、伸縮性のない生地では余計に動きづらさも増します。動いた時に首や前肢が抜けない程度に、胸回りに余裕があるものを選びましょう。

袖付きのシマシマ

オールインワンタイプ

サイズや素材によっては、足の動きが妨げられやすい欠点があります。膝に疾患のある子は、不自然な歩き方を強いられて体に負担がかかったり、膝が抜けやすくなることもあります。オールインワンタイプは、伸縮性があり、歩いたり走ったりした時に動きを妨げないか、サイズをよく確かめて購入しましょう。

背中にリュックやマスコットが縫い付けてある

見た目には可愛いのですが、これは犬の体のバランスを損なうことにつながります。余計な物がついていればそれだけ重みも増します。体のバランスを損なうことは、犬の意識にも影響し、イライラして吠えたり、怒りっぽくなることもあります。

短期的にはあまり感じないかも知れませんが、長期的になるとストレスの蓄積にもつながります。イベントやパーティーなど、短時間だけの着用に留めるのが良さそうです。

まとめ

我が家の小型犬は服が大嫌い。冬に著しく気温が下がった日などは、嫌がっても服を着せて散歩に出るのですが、どことなく元気がなく動きが悪い・・・そこで脱がせてみると、とたんにいつもの元気を取り戻してスタスタ歩き出します。

犬に服を着せることが必要になる場面も確かにありますが、犬のイベント会場など、熱気がこもる環境で、服を着せられ、ハァハァしながら、ぐったりしている犬をよく見かけます。

おしゃれとして着せるにしても、ずっと着せっぱなしではなく、犬の様子をよく見て、環境や気温変化に応じ、着せたり脱がせたりすることが大切です。

たくさんの可愛い服が売られていますが、犬は着心地の良し悪しを言葉で伝えることはできません。見た目のデザインだけでなく、生地や縫製が体の動きを妨げるものではないか、よくチェックして、できれば試着をして確かめましょう。

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