スタミナオートミール粥
宮崎県の郷土料理としても有名な夏向けの料理「冷汁」。レシピは様々ありますが、いりこや鯵と胡麻をすったものを香ばしく焼いて、味噌と出汁で伸ばして、豆腐やキュウリ、大葉等を混ぜ込んで、キンキンに冷やした汁に仕上げたものを、温かな白飯や麦飯にぶっかけて食べる料理です。暑くて食欲がない時にも食べやすく、お酒を飲んだ後の〆にも美味しいご飯です。
この「冷汁」に着想を得て、我が家の愛犬の手作りご飯レシピを考えてみたのですが、味噌は使えない、胡麻もキュウリも家になかった、米にアレルギーがある・・というわけで、結果として「どこが冷汁やねん!」と突っ込みが入るものになっちゃいましたが、我が家の愛犬にとっては、ナンバー3に入るぐらいの、かなりお気に入りの手作りご飯の1つになりましたので、ご紹介したいと思います。
材料(6kgの成犬、2食分相当)
オートミール粥用(6kgの成犬、2食分相当)
小松菜1/2株、にんじん(彩り用)、オートミール カレースプーンに大盛り2杯程度
(オートミールは、日本食品製造 プレミアムピュアオートミールを使用)
その他
丸鯵1尾(1/4ぐらい使用)、鶏レバー(20gぐらい使用)、大葉(自家製無農薬・適宜)
作り方
- 鯵は焼いて、身をほぐします。小骨にはくれぐれもご注意下さい
- 火が通りにくいにんじんは薄く細かく、小松菜はにんじんよりよもザクザクと切ります
- 少なめの水でにんじんを柔らかく茹でた後に、小松菜→オートミールの順番で、トロトロのおかゆ状になるように煮ます
- 出来上がったオートミール粥を冷まします。冷めにくい場合、煮詰まり過ぎた場合は、氷を使って調整して下さい
盛りつけ
出来上がったオートミール粥の上に、あらかじめ加熱してほぐしたレバー、鯵、細かく切った大葉を盛りつけて完成です。
このレシピの5つのポイント
ポイント1
血液の流れを良くするEPA、脳細胞網膜に有効なDHAが豊富に含まれる青魚、中でも旬の鯵を使いました。鯵を焼くのが大変なら、夏場に出回る鯵のお刺身を利用すると、ぐんと手間が省けます。絶対に新鮮なものを選ぶこと、そして刺身にも稀に混入している小骨にはくれぐれもご注意下さい。(生の鯵が不安ならば、熱湯をかける、トースターで軽く焼く等の処理がオススメです)
ポイント2
大葉は、βカロテン、ビタミンB2、カルシウム、食物繊維、鉄など、各種ビタミン・ミネラルを多く含み、中でも、βカロテンと食物繊維はトップクラスの含有量・・と、とても優秀な食材ですが、市販されている大葉は農薬の使用量も大変多い傾向にあります。なるべく、無農薬のもの、或は自宅で栽培されたものを利用しましょう。市販の大葉を使用する場合は、切ったものをしばらく水につけ、少しでも残留農薬を減らす工夫を取りましょう。
ポイント3
このレシピではオートミール「粥」としましたので、水分量が多めのレシピとなります。キュウリやレタス、トマト、大根など、水分含有率が高い野菜を使用すると下痢の原因になりますので、粥仕立てにする場合はご注意下さい。その他オススメの野菜としては、キノコ類でしょうか?粥ではなくご飯(米)に添えるのでしたら、キャベツのような繊維質のある葉野菜を足すのもいいでしょう。
ポイント4
ドッグフードにトッピング(鯵・大葉・レバー)する場合は、水分が不足です。キュウリ、トマト、レタスといった夏野菜を足してあげて下さい。
ポイント5
レバーは鶏に限らず、豚、牛など、愛犬のアレルギーに引っかからないもの、新鮮で質の良いものをお選び下さい。(よい環境で育っていない動物のレバーには様々な毒素が集約されています)人間が生食できるレベルでない限り、中まできちんと火を通して使用して下さい。また、カルシウムの消化吸収に役立つ「亜鉛」を豊富に含むレバーを使用したので、カルシウム含有量の豊富な小松菜を使いました。
ラタトゥイユ風ご馳走プレート
フランスの南部プロヴァンズ地方・ニース発祥の野菜煮込み料理・・と言えば、とってもお洒落に思いますが、簡単に言うと「夏に畑で採れ過ぎた野菜を(美味しく)ごった煮にした」というわけですね(笑)旬の野菜には栄養がたっぷりありますし、味が濃くって美味しいのは、みなさんもご存知の通り。とても簡単に出来るので、冷蔵庫にある夏野菜を使ってぜひお試し下さい。
材料
ラタトゥイユ用(6kgの成犬、2食分相当)
プチトマト6個ぐらい、ズッキーニ1/2本、舞茸・キュウリ(適宜)、オリーブオイル(炒め油)
その他(6kgの成犬、1食分相当)
鶏ササミ1.5本、ペット用チーズ5mm角×2(ドットわんのものを使用)、ペット用煮干し
作り方
- ズッキーニ1/2本は縦に4等分してからカット、舞茸は細かく、プチトマトはざく切り、キュウリはざく切り・・と野菜は素材に合わせて切ります
- 小さめのフライパンを熱してオリーブオイルをひき、中火でズッキーニを炒めます。あらかた火が通った所で舞茸を入れます。オリーブオイルの量が少な過ぎると焦げる原因になりますので気をつけて下さい
- 弱火にしてから、トマトとキュウリを加えてゆっくり炒めます。トマトとキュウリの水分で野菜を炒めるのがコツですが、焦げるようなら、水を少し足して煮詰めて下さい
- ラタトゥイユの完成です。冷蔵庫で冷やしてあげて下さい
盛りつけ
茹でた鶏のささみを冷ましたものに、冷えたラタトゥイユをかけ、上からペット用チーズを指で砕いたものを散らします。カルシウム強化にペット用煮干しを添えました。
このレシピの5つのポイント
ポイント1
カロチンたっぷりのズッキーニ、オメガ脂肪酸・不飽和脂肪酸を含むオリーブオイル、食物繊維・免疫力upに効果があるとされる舞茸、リコピンと甘味足しにトマト、水分補強のキュウリ、カルシウムもあり香りが食欲を引き出すチーズ・・と、食が細いワンちゃんにも、ちょっと興味を持ってもらいやすい食材を選んでいます。
ポイント2
野菜は冷蔵庫にある野菜を色々と使えますが、旬のトマトとズッキーニはぜひ加えてあげて下さい。ニンジンやパプリカ、ピーマンのような火が通りにくい野菜を使う場合は、あらかじめレンジで加熱するか、1番最初に炒めて下さい。タマネギ、ナス、ネギ類など、犬が食べると危険な野菜にはくれぐれもお気をつけ下さい。タマネギ、ナス、ネギ類など、犬が食べると危険な野菜にはくれぐれもお気をつけ下さい。
ポイント3
ラタトゥイユは少量よりも、ある程度まとまった量の方が作りやすいです。ジャガイモ等冷凍に不向きな食材を使っていなければ、小分けにして冷凍保存できます。
ポイント4
ここでは、鶏のササミを用いましたが、豚や牛、魚の白身等、愛犬に合わせた食材と組み合わせてあげて下さい。ラタトゥイユに油を使っていますので、カロリーを気にされる場合はボイル(茹でる)か、魚焼き用のグリルで油を減らす調理がオススメです。
ポイント5
普段、手作りご飯を愛犬に与えていない方は、愛犬の間食やドッグフードへのトッピングにもオススメです。
ラタトゥイユ風 ご馳走プレートの完成です!
続いてスタミナオートミール粥の作り方を見てみましょう
最後に
夏の食材と夏ならではの犬の体調を考慮して考えました、犬の手作りご飯レシピを2種、紹介させて頂きました。普段、手作りご飯を作られている方には何て事のない内容ですが、ご飯はドッグフードのみ!という方には、手作りご飯というだけで抵抗があるかもしれません。
私もかつてはドッグフード派(それも結構頑固なタイプ)でしたが、愛犬のアレルギーに引っかからないドッグフードが既製品になく、今はオーダーメイドのドッグフードしかあげられません。これが高額なものですから、ドッグフード×トッピングと手作りご飯をローテーションで与えているのですが、体重増の心配がない、毎日の体調に合わせてレシピを考えられる、以外と手間もお金もかからずです。
手作りご飯派、それぞれの立場で色々とポリシーはあるかと思いますが、ドッグフードでも手作りご飯でも、どっちだっていいんですよね、愛犬が美味しくて食べて健康でいられるのがベストです。
今年の夏も厳しくなりそうです。飼い主さんも、愛犬も、美味しく食べて、夏を乗り切ってまいりましょう!