犬はトウモロコシを食べても大丈夫?
夏は茹でたトウモロコシをおやつにしたり、焼きトウモロコシをビールのお供にしたりして旬の味が楽しめる季節ですね。このトウモロコシ、犬が食べても大丈夫なのでしょうか?トウモロコシは様々な形でドッグフードの原料にも使われているので、答えは「”一応は”大丈夫」です。けれども、プレミアムフードではトウモロコシを使っていないことが売りになっていたり、ドッグフードの解説ではトウモロコシを使ったフードは避けましょうという説明も目にしたりします。
これはトウモロコシが入っているドッグフードでは、トウモロコシがタンパク質源として使われているからです。植物性のタンパク質は犬にとっての必須アミノ酸のいくつかが欠けていて、犬の身体にとって理想的ではありません。また安価なトウモロコシのタンパク質で計算上必要なタンパク質の大きな割合を満たすことで、動物性タンパク質の割合が低くなってしまうという面もあります。では人間が食べるトウモロコシを少しおすそ分けしたり、手作りごはんの材料に使ったりすることはどうでしょうか?これが上で「”一応は”大丈夫」と歯切れの悪いことを書いたことにつながります。
粒コーンを犬に与える場合
人間が食べるトウモロコシの粒を外して犬におすそ分けしたり、手作りごはんの材料に粒コーンを使ったりする場合は問題がありません。トウモロコシは炭水化物メインの穀類というイメージが強いかと思いますが、上で書いたようにタンパク質も豊富ですし、トウモロコシの黄色い色は抗酸化作用を持つファイトケミカルの一種でもあります。
ただ、犬にトウモロコシを与えたことがある方はご存じの通り、ほとんど消化されずに翌日のウンチにそのまま出てきてしまいます。粒にバラした場合でも、大量に食べると胃腸に負担になるのでおすそ分けは少量にしておきましょう。もちろん醤油やバターなどの味付けをしていないものに限ります。手作りごはんの材料に使いたい場合は、フードプロセッサーなどで細かくすることをお勧めします。
トウモロコシが危険なのはどんな場合?
ではどんなトウモロコシが危険で気をつけなくてはいけないのでしょうか?それは芯のついたままの丸ごとのトウモロコシです。SNSなどで、人間が手に持ったトウモロコシを犬が前歯で上手に齧っている動画がアップされているのを見かけますが、大変危険です。大型犬などではトウモロコシの芯ごとガブリと齧って呑み込んでしまうことが少なくありません。当然ながら芯は消化できないので、消化器官に詰まってしまったり、飲み込めずに窒息してしまったりすることもあり得ます。
夏は犬も一緒にいる場所でバーベキューをする機会などもあるかと思いますが、人間たちがワイワイやっているうちに、犬が丸ごとのトウモロコシや食べ終わった後の芯を盗み食いしてしまう例もよくあることです。また、しばらくの間おとなしくしているように、コングやアキレスのような感覚で丸ごとのトウモロコシを犬に与えて、ふと目をやると芯まで全部食べてしまっていたという話も耳にします。
こんなふうに犬がトウモロコシの芯を食べてしまったら、体内のどこかに詰まった場合には生命に関わることにもなります。「ちょっと様子を見てみよう」と思わずに、すぐに病院で診察してもらいましょう。トウモロコシの芯を食べたかどうか確かではないが、数時間後〜翌日に次のような症状が見られたときは、消化器官に詰まっている可能性があります。
- ぐったりして気分が悪そう
- 嘔吐
- 下痢または便秘
- 食欲不振
- 水を大量に飲む
この場合も一刻も早く病院に連れて行ってください。
まとめ
犬にとっての危険な食べ物、ちょっと意外な盲点である丸ごとトウモロコシのリスクをご紹介しました。玉ねぎやチョコレートのように成分自体が危険なものと、成分には問題がないが形や大きさが危険なものがあります。夏の時期の誤飲事故で、トウモロコシの芯はとても多いのだそうです。どうかくれぐれもお気をつけください。
《参考》 https://www.vets-now.com/2017/02/dogs-corn-on-the-cob-dangers/