トレーニングにふさわしいトリーツって何?
犬のトレーニングを行うとき、望ましい行動や反応をポジティブな経験で強化することで、定着させていく方法をポジティブトレーニングとか、陽性強化トレーニングと呼びます。その「ポジティブな経験」として多く使われるのが、報酬としてのトリーツ(おやつ)です。
店頭やオンラインショップには、数えきれないほどの種類の犬用トリーツが溢れています。その中からトレーニング用のトリーツとして何を選べば良いのか、どんなトリーツがふさわしいのかをご紹介していきます。
トリーツをランク付けする
最初に、トレーニングに使うトリーツにはいくつかのランクを付ける必要があります。これは犬にとってどのくらいの魅力があるか?というランクです。基本的にポジティブトレーニングの『報酬』は、学習者である犬が「価値がある」と感じるものであれば、食べ物以外でも良いのです。
望ましい行動をしたときに笑顔で「いい子ね」と撫でられることを、「価値がある」と感じるならそれを『報酬』としてトレーニングをすることもできます。ほとんどの犬は食べ物を「非常に価値がある」と考えるため、トリーツが使われることが多いのです。
ごくシンプルな「おいで」「座って」などのトレーニング用のトリーツを基本とすると、訓練する行動が複雑になるにつれて、トリーツのランクを上げる必要があります。日頃から愛犬が特に喜ぶトリーツを覚えておくと良いですね。
トレーニングの内容だけでなく、トレーニングのときの周りの環境に刺激となるものが多い場合は、犬の注意とモチベーションを維持するために、ランクの高いトリーツが必要になります。
例えば、他の犬がたくさんいるグループトレーニングや、騒音の多い場所でのトレーニングなどには価値の高いトリーツを使います。ただ、あまりにも食べ物に対するモチベーションが高い犬は、トリーツが魅力的過ぎると興奮し過ぎてしまう場合もあるので、そこはトリーツのランクの微調整が必要になります。
具体的にどんなトリーツがふさわしい?
トレーニング用のトリーツを選ぶときに、知っておきたいガイドラインがいくつかあります。
柔らかく小さいこと
柔らかいというのは、犬用クッキーのような噛む必要のあるものではなく、すぐに飲み込めるものが望ましいからです。大きさは鉛筆に付いている消しゴムくらい、その半分くらいでも構いません。あらかじめ小さく切って準備しておきます。これは犬のサイズにかかわらず、どんな犬でもそのくらい小さいものを用意します。
匂いの強いもの
チーズや魚系など匂いの強いトリーツは犬の注意を引くので、トレーニングに効果的です。トレーニングを行う人間の手にも匂いが残るため、犬のモチベーションが高まります。
カロリーが高すぎないもの
トレーニング用のトリーツで犬が体重過多になってしまってはいけないので、食事とのバランスを考えなくてはいけません。犬のサイズや体質、トレーニング以外の運動量などで条件が変わるので、バランスは個々の犬で違います。小さく切ったリンゴやニンジン、茹でて小さく切ったササミなどはカロリー摂取量を低く抑えられるトリーツです。
まとめ
ポジティブトレーニングに使うトリーツを選ぶポイントをご紹介しました。上に挙げたようなポイントを押さえながら、犬自身の好みや体調と相談しながら試行錯誤を繰り返していくことになるでしょう。そうして「普通に好き」「すごく好き」「特別に好き」というランクが分かれば、トレーニングの大きな助けになります。
1つのトリーツを数日続けて使用して、お腹の調子を観察することも大切です。最も効果的なトリーツは、トレーニングがうまく行くトリーツです。そしてそれは犬によって違うので、楽しみながら探っていきたいですね。
《参考》 https://www.petmd.com/dog/training/tips-finding-your-pups-million-dollar-dog-training-treats