骨を食べるメリット
犬に骨を与えると喜んで無心にかじり続けます。そんな犬たちが大好きな骨ですが、これを与えることのメリットとは何でしょうか。
ご存じの通り、骨はカルシウムの塊です。それをかじって食べるということは、カルシウムの補給になりますね。また骨髄を食べることでミネラルの補給にも役立ちます。さらに固い骨にかじりつくことで顎を鍛えることもできますし、ストレス発散にもなります。しかも、おやつ替わりにがりがりと噛んでいると歯磨き効果もあるなど、ひと骨で様々な効果が期待できてしまいます。犬たちも大好きな骨があると一心不乱にかじるので、暇そうにしているときのちょっとした時間潰しにもなりますね。
骨を与えるリスク
歯が欠ける
固くておいしい骨を与えられると、とにかくガリガリとかじり続けてしまう犬たちですが、これがヒートアップしすぎると歯のエナメル質が削られすぎてしまったり、場合によっては歯そのものが欠けてしまったりすることがあります。
便秘になる
いくら大喜びするからといっても大量に骨を与えると、そのかじった骨のかけらが胃にたまったり、大腸で詰まってしまったりする可能性も十分考えられます。また骨の消化能力には個体差があるため、うまく消化できずになかには便秘ではなく下痢をする犬もいます。
のどに詰まらせる
これは骨が小さくなるまでかじっていることで起こる場合が多いようです。両前足で抱え込んでかじるほど大きな骨の場合、かじって飲み込むかけらもそれほど大きなものになりませんが、ある程度小さくなると丸のみしてしまうことがあるようです。そうすると、大きさや形状によっては喉に詰まって窒息などの恐れもあります。
骨を与える際の注意
上記のように骨を食べる際にはリスクがあります。しかし、これらのリスクは与える側の飼い主の注意で避けることができるんですね。
固すぎる骨は避ける
まずあまりに大きく、固い骨は避けましょう。オオカミなどの好む骨も、肋骨や肋軟骨などの比較的柔らかい骨です。丈夫な歯を持つ彼らですが、固い骨を無理にかじることで歯が欠けてしまっては生き残ることはできません。オオカミたちに比べるとやや小さい歯を持つ犬たちですから、与える骨の固さには十分注意してあげてください。
愛犬にあった骨の大きさにする
次に骨の大きさです。骨はガリガリかみ砕いて食べることで消化しやすくなりますが、これが丸飲みできてしまう大きさの場合、犬たちは焦って飲み込んでしまうことがあります。こうなるとのどに詰まらせてしまったり、いくら強力な消化酵素を持つ胃であっても消化しきれず消化管内で詰まったり下痢をしたりする危険があります。
そのため、犬たちに骨を与える際には適度な大きさを選んで与える必要があります。口をいっぱいに広げなくてもかじれる大きさで、なおかつ両前足に抱え込んで押さえることができるくらいの長さがあるものがよいでしょう。
愛犬が骨を噛んでいる様子を観察する
一心不乱にかじって楽しんでいるからといって与えっぱなしにするのではなく、大きさや噛み方をよく観察して与える方が良いようです。また、固すぎる骨の場合は過熱すると砕けやすくなるので火を通してから与えるという方法もあります。
鶏の骨
チキンが大好きな犬たちにとって、鶏の骨も大好物となります。犬にとって重要なコラーゲンやミネラルがたっぷりなので、栄養面でも好ましいようです。しかし、昔から「生は良いが、過熱した鶏の骨は縦に裂けて尖り犬の消化管に刺さるから与えてはいけない」と言われてきました。食道に刺さったり、腹膜炎や腸閉塞などを起こしたりといった恐れがあります。
ただし、高圧で処理されている骨ですと、縦に裂けずにぼろぼろと崩れるので、これはそれほど危険がないといわれています。
ただ犬の手作り食事サイトなどを見ていくと、過熱した鶏の骨でも強力な胃酸ですぐ溶けるため影響がないという説もあるようです。過熱した鶏の骨より、犬用ガムの消化不良の事故件数の方が多いという話もありますね。
いずれにせよ、骨に対する消化能力には個体差があると考え、飼い主がよく様子を見ながら与えるに越したことはありません。ちょっとおなかの弱い子であれば栄養面を考えて過熱して粉末状にしたものを与えてもよいかもしれませんし、柔らかい肋骨を与えてもいいでしょう。
まとめ
犬にとっての大好物である骨ですが、かじっている間やその後に思わぬ事故や体調不良が現れるかもしれません。与える際は与えっぱなしにせず、様子をよく観察して小さくなりすぎないうちに「また今度」にしてあげましょう。