犬の鼻はどうなっているの?
目元から鼻先までの部分をマズルといいますが、一般的にマズルが長い犬種の方が嗅覚が優れているといわれています。犬のマズルは、ボルゾイやシェパードのような長いマズルをもった「長頭型」、柴犬やトイプードルのような標準的なマズルをもった「中頭型」、パグやペキニーズのような短いマズルをもった「短頭型」に分けられ、麻薬探知犬など嗅覚をいかした仕事をするのは長頭型・中頭型に限られています。
これは、鼻の中の嗅上皮(きゅうじょうひ)と呼ばれる細胞層の面積の広さと関係があると考えられており、この嗅上皮が広いほど嗅覚が優れていると推測されます。また、”鼻ぺちゃ犬”という愛称で親しまれている短頭型の嗅覚が劣るのは、嗅球と呼ばれる匂いの情報処理を行う脳の部位がつぶされて機能不全に陥っているからだと考えられています。
このように長頭型と短頭型で嗅覚に差はあるものの、犬は人間の1,000倍〜1億倍も鼻が効くといわれています。ここまで嗅覚が優れているということは、何らかの驚異的な能力を隠し持っているに違いありません。さっそく、犬の鼻に隠された能力をチェックしてみましょう!
1.人間の病気にいち早く気付く
飼い主さんの体調が悪い時、犬はいち早く飼い主さんの変化を察知して心配してくれます。それは飼い主さんの表情を読み取ったり、その場の空気を敏感に感じ取ったりしているからでしょう。しかし、じつは犬は雰囲気を察知しているだけでなく、匂いから病気を嗅ぎ分けているのです!
犬の強い嗅覚は、ガン患者の体内でつくられる”VOC”と呼ばれる揮発性有機化合物を嗅ぎ分けられるといわれています。つまり、人間がガンを患っていることにいち早く気付く能力を持っているということです。
また、イギリスでは人間の糖尿病を感知するための犬の教育も進んでいるのだとか。その犬たちは血糖値が異常に下がる1型糖尿病を発見することを得意としており、低血糖の匂いを嗅ぎ分けると舐めて教えてくれるそうです。
2.女性の妊娠にいち早く気付く
妊娠した女性は、妊娠していない女性とは違う匂いを放つといわれています。そのため犬は用心深く接するようになったり、独特の匂いに怯えたりすることもあるそうです。
また、出産間近の女性はまた違った匂いを放つようで、産気づいた飼い主さんのそばにいた犬は普段とは違う行動を起こすことも多いといわれています。
女性なら、愛犬や友人宅のわんちゃんに股のあたりをしきりに嗅がれた経験もあるかもしれません。それは、犬が女性のフェロモンを嗅ぎ分けているからだといわれています。「臭いのかな…?」と犬の行動を気にする方もいるかもしれませんが、もしかしたら妊娠や出産に気付いての行動なのかも…?
3.「吸う」と「吐く」を同時にできる
なんと犬は「吸う」と「吐く」を同時に最大30回連続で行えるそうです!吸って吐く、が当たり前の私たちにとっては不思議ですよね…?
犬が鼻から吸い込んだ空気は”肺”と”嗅覚領域”へ進みます。吸った空気は鼻の両側のスリットから排気しながらも、匂いの分子を分析できるのだとか。しかし、この特別な呼吸を行っている間は通常の呼吸はできていないそうです。
まとめ
犬の鼻に隠されている驚きの能力についてご紹介しました。
愛犬の小さな可愛らしい鼻には、驚異的な能力が隠されていることが分かりました。病気や女性の妊娠にいち早く気付いた犬は、普段とは違った行動を起こすといわれています。普段から愛犬を注意深く見ていると、自身の微妙な体調の変化にも気付けるかもしれませんね。
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20代 男性 宇野直人