ペットロスとは
ペットロスとは、ペットを失ったことによって心身に大きなダメージを受けてしまうことを指す言葉です。ペットとの別れや死に対する悲しみから、体の不調や精神疾患に繋がり生活に支障をきたす場合を総称して「ペットロス症候群」といいます。
ペットロス症候群は、ペットといっしょに暮らしている飼い主ならば誰でも起こり得ることなのです。
ペットロスの症状
- 抑うつ
- 混乱
- 喪失感
- 無気力
- 体調不良
ペットロスの症状として、愛犬を失ったショックから無気力になり仕事に集中できない、何をするにもやる気が出ないといったことが起こります。深い悲しみによって眠れない日や、食欲が出ない日が続き、頭痛やめまいといった体調不良に繋がる場合もあります。
急死や事故死などペットが前兆なく死を迎えたとき、現実を受け入れられずいつまでも実感が沸かないという人もいます。他にも「何かできることがあったかもしれない」と罪悪感を感じて、うつ病の症状が出る場合もあるようです。
ペットロスを克服する方法7つ
1.自分の気持ちに向き合う
大切な愛犬を失って悲しむのは自然なことです。自分自身が大きく傷ついている状態だと認めることは、ペットロス症候群を克服する第一歩になります。泣きたいときには我慢せず泣き、悲しい気持ちを無理に抑え込まないようにしましょう。
2.休養の時間を作る
ペットロスの症状があるときは心と体を休ませることが大切です。食事での栄養補給や、意識的に横になるなど、自分自身のケアをしましょう。また、ゆっくりお風呂に浸かる、マッサージに行くなど、癒やしの時間を持つことで気分も少しずつ上向きになります。
3.信頼できる人に話を聞いてもらう
1人で克服しようとせず、信頼できる人に気持ちを打ち明けることも乗り越え方のひとつです。誰かに聞いてもらうだけでも気持ちが整理されることもあるでしょう。あまりにつらすぎるときは、心療内科でカウンセリングを受けたり、ペットロス専門のカウンセラーに相談したりすることも1つの方法です。
4.体を動かす
1日の過ごし方を変えてみることも、ペットロス症候群の乗り越える方法になります。無理のない範囲で軽めの運動を取り入れるのもおすすめです。家でじっとしていると思い悩んでしまうという場合は、外の空気を吸いに行ったり定期的に体を動かしたりすることで気分転換ができるでしょう。
5.好きなことをする
カラオケで思い切り歌ったり、趣味の陶芸を再開したりと自身の好きなことを通じて前向きな気持ちを取り戻していく人もいます。日常生活の中に自身が喜びを感じる時間を増やすことで、徐々にペットロス症候群から回復に向かっていけるでしょう。
6.ペットを弔う
花やお線香を持ってお墓参りに行くことで、ペットの死と向き合い現実を受け入れるきっかけになったという人もいます。また、自宅に祭壇を作って毎日お水やご飯を供えるなど、ペットの供養をすることもペットロスの克服に繋がるでしょう。生前のように愛犬との時間を作れば、会いたい気持ちを癒すことができます。
7.思い出を残す
ペットロスの克服方法としてアルバムや本など、ペットのメモリアルアイテム作る人もいます。形見として持っておくことで気持ちの拠り所になってくれるかもしれません。他にも、お骨や犬の毛を使って作れるキーホルダーや、そっくりのぬいぐるみを作ってくれるサービスもあります。
ペットロスになりやすい人の特徴
ペット中心の生活をしていた人
自分の時間よりも犬との時間を優先していた人は、ペットがいなくなったあとに何をすればよいのか悩み、喪失感を募らせていく場合があります。また、ペットのみに癒しを求めて子どものように溺愛している人も、失ったときのショックが大きくペットロス症候群になる傾向が強いようです。
ひとり暮らしの人
ひとり暮らしをしている場合、ペットが話し相手になっている人が多いのではないでしょうか。ペットを失ったとき、そばに家族がいない人は孤独感をより感じてペットロス症候群になりやすい傾向があります。
ペットを失った悲しみを共感してもらえないと、自分の気持ちを抑え込み、周囲に対しては平静を装うようになります。それがペットロス症候群を悪化させ回復を妨げる可能性があります。
自分を責めがちな人
子犬の頃に亡くなった場合や、老犬であっても急死により最期に立ち会えなかった場合など、愛犬の死に対して必要以上に自分を責めてしまうことがあります。真面目で責任感が強い性格の人に多く見られ、自分のせいで死なせてしまったと後悔ばかりしてしまうためペットロスになりやすいのです。
また、真面目な人は誰かに聞いてもらうこと対しても過度に気を遣うため、1人で抱え込んだまま重症化してしまうケースもあります。
ペットロス診断で現状を把握しよう
自身の状態を知るために、以下のチェックリストを使って診断してみましょう。
- 体の疲労感が抜けない
- 胃腸の調子が悪い
- 頭痛がする
- 孤独感や不安感が強い
- 食欲がない、又は過食になる
- 未だにペットがいるような気がする
- 突然涙が溢れてくる
- 何をしても楽しくない
- 周りのことに無関心になる
- 集中力が保てない
3つ以上当てはまる人は、ペットロス症候群の可能性が考えられます。該当する項目が少ないからといって、ペットロスの心配がないわけではありません。過度の心配も不要ですが、気になるときは周囲に相談してみることから始めましょう。
ペットロスになる期間は人により異なる
ペットロスから立ち直るまでには、1カ月から2カ月ほどかかると言われています。自然に回復する場合もあれば1年以上続いたという人もおり、ペットロスの期間がいつまで続くかは人によって異なります。
そのため、周りと比べて焦って乗り越えようとする必要はありません。気分が上向きになってきたと感じたら、少しずつ日常に好きなことを取り入れるなど、1歩1歩段階を踏みながら回復を目指していきましょう。
ペットロスの人にかける言葉や対応
相手の価値観に合わせる
ペットロス状態の飼い主が「こんなにつらい思いをするならば、新しい犬はもう飼わない」と考えている場合もあるかもしれません。何かを強制したり安易に次の子を勧めたりするのでなく、相手の価値観を汲み取ることを大切にしましょう。
また、ペットロスに関する周囲とのギャップを感じさせることなく、ありのまま悲しむことができる環境を作ってあげることも心の支えになります。
死後の手続きをサポートする
ペットロスの人は愛犬の死を受け入れられず、身動きが取れないような状態になっている場合もあります。相手が求めるのであれば、亡くなった後の供養を手助けしてもよいでしょう。祭壇に花を手向けてお線香をあげるなど、飼い主の心に寄り添った行動はきっと支えになるはずです。
ペットロスに陥った動物愛好家の間で有名な「虹の橋」という詩があります。天国に続く虹の橋のたもとでペットが飼い主を待っているという内容で、この詩を読んで心が癒やされたという人も多いとされています。タイミングを見て伝えてあげるのもよいかもしれません。
ペットロスが怖い…対策は?
人間より寿命が短いことを理解する
犬の平均寿命は10年から13年と言われているため、人間よりも先に亡くなる場合がほとんどです。これは悲しいことではなく、ペットの最期を見送ることが飼い主の大切な役目であるとも考えられます。
生きているうちに健康管理や不慮の事故などに気をつけ、愛犬との日々を大切に過ごすことが結果としてペットロス対策に繋がるかもしれません。
愛犬家の友人を作る
愛犬家の友人を作っておくことも、ペットロスの予防法に繋がります。自分と同じようにペットを大切にしている人には、素直な心境を打ち明けることができるので悲しみも緩和されやすいでしょう。ペットロスの経験を持つ人と話すことや、愛犬を失った体愛犬家の友人を作る験談を記したブログを読むことで、有益なアドバイスを得られる場合もあります。
さいごに
大切な愛犬を失って苦しい気持ちになるのは自然なことです。そして寂しいと感じるのは、それまで愛犬からたくさんの幸せを受け取ってきたということでもあります。ペットロスは決して1人で克服しようとせず、徐々に気持ちに区切りをつけながら回復を目指していきましょう。