犬が食べてはいけない危険なもの
チョコレート・ココア
犬にチョコレートをあげてはいけないということは広く知られていると思います。チョコレートにはテオブロミンという成分が含まれており、テオブロミンによって中毒症状を引き起こし摂取後4~15時間以内に下痢や嘔吐、震え、けいれんなどの症状が現れ最悪の場合死に至ります。テオブロミンはチョコレート以外にココアにも含まれているので注意しましょう。また、ビターチョコなど苦みの強いチョコほどこの成分を多く含んでいますので注意しましょう。
たまねぎ・長ねぎ・ニラ
たまねぎやニラなどねぎ属の植物にはアリルプロピルジスルフィドという成分が含まれており、体内に吸収されると赤血球が破壊され貧血症状を起こします。食べた直後には発症せず、数日後に症状が出ることが多いとされています。貧血状態で粘膜が白くなり、食欲不振が続いたり尿が赤くなるなどの症状が出ます。最悪死亡することもあります。
ぶどう・レーズン
あまり知られていませんがぶどうやレーズンも犬が食べてはいけない食べものとされています。中毒症状が起こるメカニズムまでは解明されていないものの、ぶどうやレーズンを食べることで腎臓不全などを引き起こすされ、症例は多くないものの摂取から数日後に死亡した例もあります。
アボカド
女性に人気のアボカドはスーパーなどにも置かれ一般的な果実となっていますが、犬には食べさせてはいけません。アボカドに含まれるペルシンという成分が原因で嘔吐や下痢、呼吸困難などの中毒症状を引き起こすと考えられています。実はアボカドを含むドッグフードというものがあるのですが、これはペルシンの含有量が低い品種のアボカドを使用し、適切な処理を行っているため安全だと考えられています。日本のスーパーに置かれているアボカドはペルシンの含有量が多い品種が多いので、アボカド入りドッグフードが平気だとしてもアボカドそのものを与えることのないようにしましょう。
アルコール
普通は与えることはないと思いますが、ビールやワインなどのアルコール類も犬の健康に害を及ぼします。アルコール飲料に含まれるエタノールによって中毒症状が起きてしまい、失禁や嘔吐、発作などを起こして呼吸困難に陥り死に至ることもあります。
危険なものを食べても問題ない量とは?
犬が食べてはいけない危険な食べものについて「どれくらい食べたらいけないの?」「どれくらいなら問題ないの?」という疑問を持つ飼い主さんもいると思います。結論から言うと何をどれくらいまでなら食べていいか、という安全な摂取量というものはありません。
確かに危険とされる食べものを食べても問題なかった、ということも多いと思いますが、それぞれの食べものに含まれる危険な成分の許容量また致死量などは個体差が大きいのです。つまり毎日食べていても健康を害することなく健康に寿命を終える犬もいれば、一口食べただけで死に至ってしまう犬もいるということ。それは食べてみなければわからないのです。犬の健康や命を守るためには食べてはいけないとされているものは一口でも食べさせないようにするということが大切です。
犬が危険なものを食べた場合の対処法
犬が食べてはいけない食べものの多くは一般的な家庭に常備されていることも多いと思いますし、とても身近な食べものばかりです。飼い主がおいしそうに食べているものだからこそ、犬が興味を引かれて盗み食いしてしまう、などということもあると思います。しっかり管理しているつもりでも留守番中に常温保存していたたまねぎを食べてしまっていた…などというトラブルも少なくありません。
食べてはいけないものを食べてしまったとき、まずはかかりつけの動物病院に連絡をして指示を仰ぐようにしましょう。食べたものを吐かせるということは簡単ではありませんし、素人が行うことで食道や口内を傷つけてしまうこともあります。また、慌てた飼い主を見て犬もパニックになり吐かせようとしている飼い主を噛んでしまうという事故につながることも。病院に連絡をするときは「食べたもの」「食べた量」「食べた時間」「犬の様子」を伝えてその後の対応について指示をもらうようにしてください。食べた直後に中毒症状などが出ていないからといって決してそのままにすることのないようにしましょう。
<まとめ>犬が食べてはいけないものについて
犬が食べてはいけないものは私たち人間にとって身近な食べもので、犬が間違って食べてしまうこともめずらしいことではないでしょう。また、食べてしまったけれど問題なかったということもあり、そうした食べものに関してはあまり注意を払わなくなることも少なくありません。しかし、食べてはいけないものの危険度や許容量というのは犬によってそれぞれ異なります。一度食べてしまって大丈夫だったからといって決して安心することのないようにしてください。万が一食べてはいけないものを犬が食べてしまった場合にはすぐに動物病院に連絡をして指示を仰ぐようにしましょう。