もっと狛犬を知ろう!
狛犬(こまいぬ)ってご存じですか?
言葉だけは聞いたことがある、という方もいらっしゃるでしょうか。
狛犬は、神社の境内で見かけることのある犬の姿をしたものです。
私たちがよく見かける狛犬のほとんどは、石材で作られています。
そして、平安時代や鎌倉時代などの古い時代に作られたものは、木材で作られています。
古い時代の狛犬が木材で作られた理由は、神社の建物は木造であるため、狛犬も木材で作ることが当然のことだった、ということなのだそうです。
近年では、雨や風にさらされても劣化したり、壊れたりしにくい石材で作られるようになったのです。
狛犬はなぜ、神社にいるの?
狛犬は、神社に奉納し、設置された守護獣像です。
空想上のものなのだそうです。神社に悪いものが入ってきてしまわないよう守っているのです。
狛犬って「犬」なの?
狛犬の表情や姿形をよくご覧になってみてください。
とても恐ろしい表情をしています。姿形も筋肉質で強そうに見えます。
私たちの身近にいる「犬」の可愛らしさや、愛らしさはほとんど感じられません。
犬というよりも「猛獣」と言った方が相応しいような、そんな表情や姿形をしているのです。
空想上の守護獣像ということなので、実際に存在した犬をモデルにしたというわけではなさそうです。
狛犬は朝鮮半島から来た?
狛犬は、インドの守護獣として置かれていた獅子(ライオン)の像が仏教とともに中国へと渡り、さらに朝鮮半島へと渡り、そして朝鮮半島から日本へと渡ってきたとされています。
ということは、もともとは「狛犬」ではなく、「獅子」であったのでしょうか。
狛犬が初めて日本へ渡ってきたのは6世紀頃だったそうで、奈良時代には神社の守護獣像は二頭とも獅子だったのだそうです。
そして、平安時代の初期に獅子と狛犬の組合せになったのだそうです。
私は二頭とも狛犬だと思っていたのですが、よーく見比べてみると、片方は「獅子」で、もう片方は「狛犬」だということなのです。
今度、神社へ行くときによーく見比べたいと思います。
みなさんは二頭の違いに気づかれていましたか?
「獅子」と「狛犬」の違いって何?
神社に守護獣像として置かれている二頭ですが、どちらが獅子で、どちらが狛犬なのかを見分けるコツがあります。
コツとは言っても、とっても簡単な方法なので、小さなお子さんでもどなたでも見分けることができます。
片方は口を開けています。もう片方は口を閉じています。
そして、口を閉じている方の守護獣像の頭には角(つの)があります。
角があると聞いて、何となくどちらが獅子でどちらが狛犬なのか想像できましたか?
口を開けている方が「獅子」、口を閉じている方が「狛犬」です。狛犬には角があるんです。
角がある方が獅子なのではないかと思われた方もいらっしゃったでしょうか。
どちらも「狛犬」と呼んで間違いではありません
片方が獅子で、もう片方が狛犬だということはご存知でない方も多いと思います。
実は、どちらも「狛犬(こまいぬ)」と呼んで間違いではないんです。
どちらも獅子と呼ぶ方もいます。どちらも狛犬と呼ぶ方もいます。
口を開けている方を獅子、口を閉じている頭に角がある方を狛犬、と分けて呼ぶ方もいます。
さらに覚えておくと便利な呼び方もあります。
獅子のことを「阿形」、狛犬のことを「吽形」という呼びます。
また、「阿形像」や「吽形像」と呼ぶこともあります。漢字の読み、皆さんは読めたでしょうか。
阿形は「あぎょう」、吽形は「吽形」と読みます。
まとめ
ずっと昔の日本では、カラダの不調を改善するため、狛犬に祈りを捧げていたそうです。
例えば、膝が痛めば狛犬の膝や足に触れ、脳に病気が発覚すれば狛犬の頭を撫で、腰が痛めば狛犬の腰を撫でる。
そうすることで不調や痛みや病が改善されると信じられていたのです。
何となく目にし、何となく通り過ぎていたと思いますが、神社へ行かれる際には、もっと狛犬にも目を向けてみてはいかがでしょうか。