葛粉とは
葛は私たちの身近にある食材です。近所のスーパーで手に入るようなお手頃価格の物か100gで数千円するような高級品まで種類は様々です。また、和菓子でおなじみの葛餅や葛切り、葛饅頭の材料も葛ですね。
ではその葛とはいったいどのような食材なのでしょうか?
葛粉は、日本の山や野原に自然に自生している、「葛」という植物の根なのだそうです。その根っこを掘り起こし、砕いた後に水に浸します。そうする事でデンプンが下の方に溜まってきます。
その工程を何度も繰り返し、よく洗ってから日陰で乾燥させると真っ白で不純物のないきれいな葛粉が出来上がるのだそうです。とても手間のかかる作業なので、本葛は高価なのです。有名な吉野葛や筑前葛、伊勢葛など産地の名前がついた名産品もありますね。
葛粉の嬉しい効果
では葛粉にはどのような効果や効能があるのでしょうか?またそれらは、私たちの愛犬や、せっかくなので飼い主の私たちにとっても、どのような力を発揮してくれるのでしょうか?
体を温める
葛湯や葛練りなどの温かい食べ物を頂くと、体がぽかぽかと温まります。もともと葛には、血の巡りを改善してくれる成分が含まれているので、体が温まるのです。私たちも愛犬も体は温めた方が、様々な病状の改善につながる事が多いので、葛は最適ですね。
整腸作用
葛は良質のデンプンなので胃腸が弱っている時でも、消化する時に内臓に負担がかかりません。
エネルギー補給
葛の主原料のデンプンは炭水化物なので、体が弱っている時の栄養やエネルギー補給にはおすすめです。
私たちも風邪などで体が弱っている時には葛湯や葛練りのほかに、柔らかく炊いたおかゆや、くたくたに煮たうどんなどを食べますよね。炭水化物は消化吸収が優しいので、人にも犬にもおすすめなのです。
抗菌効果
葛の中に含まれる成分には、食品に繁殖する菌を抑え込む力があるそうです。特にとろみのある食材には素晴らしい効果を発揮するそうです。
乾燥肌の改善
葛は乾燥肌にも効果が期待できます。ふけが出やすいわんちゃんの、ふけ予防にもいいようです。また乾燥から来る痒みも、葛湯を食べ続けていたら収まってきたというような報告もあるようです。
しかし個体差もあると思いますので、葛によって全てのアレルギーが改善するわけではありません。
美肌効果
本葛販売のサイトに記載されていたのですが、本葛産地のおばあさんたちのお肌は色白でつるつるなんだそうです。実際に私は確認したことはないですが、おばあさんたちの美肌の理由は、日頃から摂取している葛ではないかとのことでした。
美肌効果は、特別わんこは喜ばないかもしれませんが、毛艶などには効果がありそうですよね。私たちはぜひともあやかりたいですね。
骨粗しょう症や更年期障害
葛にはイソフラボン誘導体の成分が含まれています。この成分は、カルシウムのコントロールに効果を発揮するので、女性特有の骨粗しょう症や、更年期障害の改善に効果をもたらしてくれます。
葛湯や葛練りの作り方
葛湯
- 葛粉大さじ1杯
- 水200cc
- かつお節1つまみ
葛練り
- 葛粉大さじ3杯
- 水200cc
- かつお節少々
作り方
1.葛粉にかつお節が入った水を加えて葛粉を溶かし火にかけます。かつお節はそのままでも取り出してもどちらでも大丈夫です。
2.あまり強火ではない方が作りやすいので、中火や弱火で煮ていきます。
3.かき混ぜながらとろみが出るまで加熱します。
4.とろみがついて半透明になったら出来上がりです。
5.人肌程度まで冷めてから愛犬に与えてください
このレシピの分量や作り方は通常、私が自宅で愛犬に作っている物です。我が家は16kgの中型犬です。与える量は、愛犬の体調や大きさに応じて変更してください。この時、かつお節は取り出しました。
膀胱結石ができやすい犬の場合は、鰹節などミネラルの多いものは極力控えたほうがよいでしょう。
葛粉の適正量
実際に愛犬に与える葛粉の分量は、手作りご飯で有名な「須崎動物病院」の須崎先生が、「愛犬に合わせて加減してください。実際にその子が食べる分量を与えてください。犬の体重には何g、という決まりはありません。」といった感じの事をおっしゃっているので、そんなに決まった量を神経質になって量らなくても大丈夫だと思います。
葛湯を食べたわんこの反応
我が家のわんこは特別に具合が悪いわけではなく、お腹の調子がよくない時には絶食をさせています。しかし食欲が旺盛で、可愛そうなので葛湯を与えるのですがいつも完食です。きれいにフードボウルまでなめているので、お気に入りなのだと思います。
まとめ
突然の愛犬の体調不良は本当に可愛そうです。原因が特に考えられなくて、消化不良でお腹を壊しているような時には、胃腸を休める意味でも葛湯を活用してください。
また他に疾患がある、下痢が長引く時には動物病院に連れて行くことをおすすめします。さらに、通常のご飯に戻すときには、愛犬の様子を見ながら徐々に変えてあげてください。