ペットフードのラベルに書かれた魅力的な言葉
ペットショップの棚にずらりと並んだペットフード。どれもお洒落なパッケージで、魅力的なキャッチフレーズが書かれています。どれを読んでも大切な愛犬の健康に良さそうで、かえって何を選べばいいのかわからなくなるほどですね。
けれども、ペットフードのパッケージに書かれた言葉の中には、イメージだけが先行して実際には内容が伴っていなかったり、定義があいまいだったりする場合もよくあります。そんな惑わされそうになるキーワードを挙げていきます。
惑わされワード1『プレミアムフード』
プレミアムフード、ごく普通に目にすることの多い言葉ですよね。「うちはプレミアムフードしか、食べさせないことにしている」という感じで耳にすることも多いと思います。
プレミアムと呼ばれるフードは、より高品質で安全だと思われがちです。しかし、ペットフードの栄養基準やラベル表示などに関するガイドラインを設定しており、日本のペットフード公正取引協議会の規約でも、採用されているAAFCO(米国飼料検査官協会)では、『プレミアムフード』という言葉に関する規制は全くありません。
つまり『プレミアム』と表示されていても、そうでないペットフードよりも高い品質や栄養基準である必要はないのです。プレミアムという言葉は、メーカーのマーケティング上のものだと理解しておきましょう。原材料一覧で使われている原材料を確認して、自分で判断することが大切です。
惑わされワード2『ホリスティック』
ホリスティックという言葉自体は、「全体的」や「包括的」という意味を表し、例えばホリスティック医学は、「対症療法ではなく、体や精神の全体のバランスから考える医学」ということになります。
ホリスティックなフードやトリーツというのは、このようなホリスティック医学の考えに基づいて作られたもので、自然な原料のみを使ったものと考えるのが一般的です。
しかし、この言葉もプレミアムと同じく、公式な基準はありません。極端なことを言えば、どんな製品に『ホリスティックフード』と表示をしても、違法ではありません。
惑わされワード3『ビーフ』
フードのパッケージに、美味しそうなステーキ肉の写真が付いていたり、○○ドッグフード・ビーフなどと表示されたりしていることは珍しくありません。
けれども原材料一覧を見たら、ビーフや牛肉という言葉は一覧の真ん中あたりでやっと出てきたり、最初の方に登場していても「チキン・ビーフなど肉類」という書き方をされていたりすることがほとんどです。
食品の原材料は重量が多く含まれるものから順番に表記されますので、商品名にビーフと書かれていても、実際には他の原材料の方が多く含まれることも少なくありません。
ペットフードにどんな肉が使われているのかは、商品名だけで判断せずに、原材料一覧の読み方を理解した上で確認して購入するようにしましょう。
惑わされワード4『国産』
「国産フード」と表示されていると、ついつい安心感を持ってしまうものです。けれども、使われている原材料のほとんどが輸入されたものでも、加工をしたのが国内であれば、『国産』と表示することができます。
また仮に全ての原材料が国産のものであっても、タンパク源が大豆やトウモロコシなどがメインであったり、合成酸化防止剤を使っていたりする場合もあります。「国産と書いてあるから安心安全」と決めつけず、内容を吟味することが大切です。
原材料の原産地が気になる場合には、メーカーに直接問い合わせてみるのが良い方法です。回答次第で、企業としての姿勢もうかがい知ることができます。
まとめ
ペットフードのパッケージに表示されている言葉の中で、惑わされてしまいがちな言葉を4つご紹介しました。
簡単に言えば、パッケージの表に書かれている言葉はマーケティング主体のもので、パッケージの裏に表示された原材料一覧は、AAFCOやペットフード公正取引協議会などの基準に沿っています。
大切な愛犬のために安心なフードを選びたい方は、原材料一覧の読み方や原材料の名前が意味するものを知っておく必要があります。
フード選びは本当に悩ましいものですが、愛するわんちゃんのために頑張りたいですね。