ビタミンCは、我々にとって身近な栄養素。
補助食品などに積極的に取り入れられ、私たちも意識して摂取しようとする栄養です。
このビタミンCは人間だけでなく、犬にも様々な効果をもたらします。
愛犬の健康のために、犬とビタミンCの関係について見ていきましょう。
ビタミンCとは?
ビタミンCとはアスコルビン酸とも呼ばれ、水溶性ビタミンの一種です。
人間にとっても、栄養素としてメジャーな存在ですね。
必須ビタミンとまではされていませんが、高い効果を持つビタミンCは、犬にとっても大切な栄養素です。
ビタミンCの効果
コラーゲン
ビタミンCは、体細胞の間にあるたんぱく質であるコラーゲンをつくるのに役立ちます。
それにより、健康な皮膚や粘膜を保つことができるのです。また、関節の健康にも効果的です。
抗酸化作用
動物は酸素を体内に循環させて生きていますが、その酸素の一部は活性酸素という体を酸化させてしまう物質へと変わります。
酸化した細胞は傷つき、動脈硬化や老化といった症状へと繋がります。
この活性酸素による体の酸化を抑制する働きを、抗酸化作用と呼びます。
ビタミンCにはこの抗酸化作用があるため、摂取により体の酸化ストレスを軽減することができます。
ストレスの軽減
ビタミンCは様々なストレスにも効果的とされています。
犬にも、気温や住環境、運動不足などのストレスが存在し、そのストレスは犬の健康に直結しています。
適度にビタミンCを摂取させ、ストレスを軽減させてあげることが、長生きや健康に繋がります。
鉄分の吸収
鉄分不足は犬にとっても貧血の原因となります。
ビタミンCは鉄分の吸収を助ける働きを持ちます。
犬とビタミンC
体内合成ビタミンC
以前は、「犬や猫はビタミンCを体内合成できるため、フードで摂取させなくて良い」という説が唱えられていました。
しかし、その量には限りがあり、犬の体内合成できるビタミンCの量は、1日に最大で60mg。
小型犬でも大型犬でも変わりません。
また、幼犬や老犬、体が弱った状態の犬などは、より合成能力が落ちます。
ビタミンCの必要量
小型犬や猫では500mg以上、中型犬では1500mg~2000以上、大型犬では3000mg以上、超大型犬では6000mg以上のビタミンCを、1日に与えるのが好ましいという研究結果が出ています。
さらに、運動量の多い個体は、上記以上の量を必要とします。
1日の体内合成量を鑑みると、全く足りていないことごわかります。
おすすめ食材
野菜やフルーツにはビタミンC含有量の多いものが多数。
下記は犬に与えて問題ない食材例ですが、他の種類を与えるときは、犬が食べて問題のないものか確認してから与えましょう。
- 野菜(ブロッコリー、カリフラワー、白菜、パプリカetc.)
- フルーツ(りんご、みかん、キウイ、グレープフルーツ、梨、パイナップルetc.)
- 犬用サプリメント
※野菜は種類に応じて加熱すること
※小さく切って少量を与えること
※皮やタネは取り除くこと
※アレルギーに注意すること
注意点
銅蓄積性肝障害を持つ個体は、ビタミンCの摂取量に対して気をつけなければなりません。
多量のビタミンC摂取は危険です。
また、ご紹介したビタミンCを多く含む食材は、カロリーや糖質量が高いものが多いため、与える量に気をつけてください。
アレルギーを持つ場合もあるため、少量から食べさせて様子を見ましょう。
栄養素を補うためには、犬用サプリメントを利用するのもひとつですね。
ただし、犬用のフードには、基本的に必要となる栄養素は含まれています。
無理に追加のビタミンCを摂取させるのではなく、あくまで補助的に与える程度にしましょう。なんでもそうですが、過剰な摂取は病気を引き起こす原因にもなります。
ビタミンCのフードや食材に対する含有量を計算しておくのも◯。
まとめ
犬とビタミンCについて述べて参りました。
ビタミンCは、身体の健康に欠かせない栄養素です。
愛犬のためにも、意識して取り入れたいですね。
適した栄養管理で、愛犬が長生きできるように努めていきましょう。