あなたがペットフードを選ぶ基準とするのはどんなことですか?
品質や成分、価格など様々なことが挙げられるかと思います。
袋に記載されている原材料をよく見て購入されている方も多いでしょう。
現在ペットフードに含まれる成分については、表示を見れば一目瞭然ですが、ほんの10年ほど前まではその表示は義務ではありませんでした。
それどころか、ペットフードに関する国の規定が全くなく、フードの中にどんな物質が含まれていてもおかしくない状況であったのです。
大切な家族であるペットに、どんなものが含まれるかわからない食べ物を与えるなんて、考えただけで恐ろしいですね。
そんな危機感から制定されたのが「ペットフード安全法」。
現在私たちが愛犬に与えるフードは、この法律に守られています。
では、ペットフード安全法とはどのような法律なのでしょうか。
ここから、その概要について詳しくご説明します。
ペットフード安全法とは?
ペットフード安全法とは、「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」とも言われ、平成19年6月に成立しました。
ペットフードの安全性を確保し、その健康を保護するために制定された法律です。
ペットフード安全法では、フードに関する様々な規定が定められており、それまで強制力のある規定が存在しなかったペットフード業界に一石を投じました。
制定までのバックグラウンド
平成19年アメリカにて、有害物質メラミンを含んだペットフードを食べたことにより、多数の犬や猫が死亡するという事件が発生。
その後、同じくメラミンを含むフードが日本国内にも輸入されていたことが発覚しました。
そのような有害物質が含まれる可能性があるほど、ペットフードには何が入っているのか不明確な部分があり、規制する法律がなかったのです。
国は危機を感じ、翌年にはペットフード安全法を制定。
やっとペット食の安全が確保されるようになりました。
安全法の概要
対象
ペットフード安全法の対象となるのは、動物用医薬品を除いた犬や猫が食べる物です。
ドッグフードをはじめとする総合栄養食や一般食、ガムやスナックといったおやつ、栄養を補うサプリメント、犬用のミネラルウォーターなどが該当します。
ちなみに、総合栄養食はそれだけでペットに必要な栄養分が全て含まれるドッグフード、一般食は総合栄養食の副食として与えるような食べ物を指します。
基準
ペットフードの製造方法や成分の規格が国によって定められました。
また、表示についても基準を設け、それらに適さないフードについては、製造、輸入、販売を禁止しています。
そして、有害物質を含むフードについても同じように禁止に。
また、必要に応じたときには、基準外のフードや有害なフードの国による回収・廃棄が可能となりました。
業者に関して
ペットフードの製造業者、輸入業者に対して、事業所名や氏名など必要事項の届出をすること、また販売したフードについて、その名前や数を帳簿につけることを義務化しました。
更に、国から報告徴収や立入検査も行うように。
これらの制定を破った場合は、罰金や懲役を課せられることとなります。
表示について
平成22年より、やっとペットフードに対して名称、賞味期限、原材料名、原産国名、事業者名を表示することが義務付けられました。
これらは、すべて日本語での表示を求められます。
具体的には、犬用か猫用かの表記や、添加物を含む原材料を全て記載することなどが必要となるようになりました。
それまでは、こういった表示責任がなかったというのですから、恐ろしいですね。
まとめ
ペットフード安全法についてその概要をご紹介しました。
この法律により、やっとペットフード品質の最低ラインが定められたというイメージですね。
ペットフードには、いまだ質の悪い肉を用いたものや、犬にとって消化に悪い穀物を用いたもの、添加物がたくさん入ったものが多く存在します。
こういったものについては、法律で定められた表示をよく見比べ、飼い主が良いものを選定するしかありません。
ペットフードは大切な家族の口に入るものであり、大部分の栄養を賄うものです。
価格だけで見比べるのではなく、より安全なものを与えたいですね。