日本の犬の飼育率とその傾向
一般社団法人ペットフード協会では毎年『全国犬猫飼育実態調査』という統計調査を行っており、犬猫の飼育率などを発表しています。これによると昨年2017年は12.8%で前年に比べて0.8%減少しています。10年前の2007年の飼育率は18.9%でしたが、そこから現在まで毎年減少傾向にあり特に50歳代の飼育率や飼育意欲の低下が顕著に見られます。ちなみに日本で最も犬の飼育数が多い都道府県は東京都ですが飼育率は非常に低く3.82%でワースト2位です。
世界で最も犬を飼っている国は?
世界で最も犬を多く飼っている国は中国・アメリカ・ブラジル・アルゼンチンのいずれかだとされています。犬の飼育数に関する世界調査はさまざまな団体が独自で行っているため、正確な飼育数が把握できない部分がありますが各団体が発表する犬の飼育数ランキングをチェックするとこれらの国が順位を入れ替えながらも上位を占めている状態です。
ここで特徴的なのは中国です。中国は人口が多いため犬の飼育数も多くなりがちですが、中国には犬を食べる文化があることなどから飼育率自体はそれほど高くありませんでした。ですがここ数年で中国は一気に経済成長し生活水準が上がり、また犬食文化に対する世界の風当たりが強くなってきたことなどから犬の飼育状況にも変化があらわれているようです。ただし、アメリカ・ブラジル・アルゼンチンがいずれも飼育率20%以上であることに対して中国は飼育率は5%に満たないとされています。ちなみに日本の飼育数ランキングは10位前後とされるものが多く見られました。
世界で最も飼われている犬の種類は?
犬の飼育数が多いのはアメリカやブラジル、アルゼンチン、中国だとされていますがどのような犬種が人気を集めているのでしょうか?日本では長年トイプードル・チワワ・ミニチュアダックスフンドがTOP3を独占しており、近年では雑種や柴犬の飼育数も増えている傾向にあります。
アメリカやブラジルではラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバー、ジャーマンシェパード、ジャックラッセルテリアなどの人気が高く、ラブラドールレトリバーは世界で最も飼育されている数の多い犬種だとされています。中国は日本と似た傾向にあってトイプードルやシーズーなど小型犬に人気が集まっているようです。また、犬文化の先進国であるドイツではレトリバー以外にダックスフンドやジャーマンシェパード、ジャーマンポインターなどドイツ原産の犬も人気を集めています。
世界で飼育されている犬の数まとめ
犬の飼育数が多い国はアメリカ・ブラジル・アルゼンチン・中国とされています。日本は幾度かのペットブームを越えて現在では犬の飼育数が低下している傾向にあり、世界的に見ると10位前後。飼育数は多ければいいというものではなく、環境に合った健全な飼育が行われることが重要であるため今度日本が考えるべきは犬にとって本当に快適な環境、方法で飼育されるためにはどのような指導や法整備が必要かということだと思います。世界で犬文化の先進国と言われる数々の国の取り組みを参考にして、日本も“ペット先進国”と呼ばれる国の仲間入りを果たせるよう願っています。