ドッグカフェを開くために必要な手続と資格
ドッグカフェを開いて、美味しいお料理とドッグランもあって、たくさんのワンちゃんと飼い主さんが集まって、賑やかで楽しくて。そんなふうに憧れを持つことが私にもあります。
ドッグカフェはテラス席だけではなく、店内の全てをワンちゃんと過ごすことができるお店です。
一般的な飲食店の許可申請を行わなければならないだけではありません。
衛生面への考慮が必要ですし、ドッグカフェを開くためにはいくつかの条件があります。
ドッグカフェを開くために必要な手続と資格にはどんなものがあるのでしょうか。
自治体によって異なるものもありますので、例としてご紹介したいと思います。
1.営業許可を申請する
飲食店を営業するための営業許可を所轄保健所に申請する必要があります。
営業施設の基準というものがあり、申請する前に確認しておく必要があります。
2.申請後、規定に沿って準備を行う
ドッグカフェとして申請し、規定に沿って準備を行います。
規定には下記のようなものがあります。
- イートインスペース(食事をする場所)と厨房との区切りがしっかりとあること
- 犬用の食器を洗う場所と人間用の食器を洗う場所の二か所を用意すること
- 犬用の調理場と人間用の調理場の二か所を用意すること
- 客席に手洗い場を設置すること
- 店内に犬用のトイレを設置することは禁止
5つの規定について、それぞれを詳しく解説しましょう。
イートインスペース(食事をする場所)と厨房との区切りがしっかりとあること
厨房に犬の抜け毛が侵入してしまうことを防ぐため、食事をする場所と厨房との区切りがしっかりある必要があります。
その区切りがカーテンではもちろんダメですし、窓や扉でしっかりと区切る必要があります。
ということは、オープンキッチンのドッグカフェは営業することができないということです。
犬用の食器を洗う場所と人間用の食器を洗う場所の二カ所を用意すること
犬用の食器と人間用の食器を同じ場所で洗ってはいけません。
犬用と人間用の洗い場を用意する必要があります。
もし、洗い場をそれぞれ用意することができないのであれば、犬用の食器は紙皿などの使い捨てタイプにするなどの用意が必要です。
犬用の調理場と人間用の調理場の二か所を用意すること
洗い場と同様に、調理場も二か所用意する必要があります。
犬が口にするものと人間が口にするものが混ざってしまってはいけないからです。
特に人間の料理に使われている材料の中には、犬にとって毒性の高い食材もあります。
客席に手洗い場を設置すること
犬の食べこぼしや吐き出してしまったものなどを処理し、すぐに飼い主さんが手を洗うことができるよう、客席に手洗い場を設置する必要があります。
周りの犬や飼い主さんへの配慮のためもありますし、衛生面を考えてのことだと思います。
店内に犬用のトイレを設置することは禁止
店内に犬用のトイレを設置することは禁止されています。
もちろん、トイレシートを使ってトイレをさせることも店内では禁止です。
人間用のトイレを設置することはできますが、人間用のトイレでトイレシートを使って犬にトイレをさせることも禁止です。
3.【義務】食品衛生責任者を設置する
営業者には、食品衛生責任者としての設置が自治体によって義務付けられています。
食品衛生に関して学ぶ必要があり、講習会を受講します。
無資格者と有資格者の違い
- 食品衛生管理者
- 調理師
- 栄養士
などの有資格者の場合、講習会での受講内容の中に免除されるものもあります。
4.農林水産省への届出
犬用の料理やお菓子などをお持ち帰り(テイクアウト)することができるよう販売する場合には、ペットフード安全法による農林水産省への届出が必要です。
イートイン(店内で食事をする)のみである場合の届出は必要ありません。
5.第一種動物取扱業の登録
ドッグカフェには看板犬の存在もありますよね。
犬とは暮らしていないけれど、看板犬に会いたくてドッグカフェを訪れる人もいます。
もし、愛犬を看板犬として店内におきたい場合には、動物の愛護及び管理に関する法律に基づいた、第一種動物取扱業の登録が必要です。
動物取扱責任者としての研修もあり、詳しくは環境省のホームページから、確認することができます。
「動物の愛護と適切な管理について」
環境省のホームページ:https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/trader.html
6.所轄保健所に必要書類を提出する
個人の場合の必要書類
- 開業届(事業開始月から一か月以内に提出すること)
- 青色申告承認申請書
法人の場合の必要書類
- 法人設立届出書(設立後、二か月以内に提出すること)
- 源泉所得税関係の届出書
- 青色申告承認申請書
- 消費税関係の届出書
- 棚卸資産の評価方法の届出書
など
その他に必要な手続
- 健康保険
- 厚生年金関連
- 労災保険関連
など
7.防火管理者の設置
ドッグカフェの収容人数が30人以上になる場合には、防火管理者の設置が必要です。
また、防火対象物使用開始届出や、防火対象物工事等計画届出などが必要になる場合もあります。
所轄消防署に確認をとりましょう。
まとめ
憧れのドッグカフェ。
開くためには相当な時間と能力が必要になりそうです。
じっくりと時間をかけて準備するからこそのやりがいもあるのかもしれません。
看板犬のいるお店ってたくさんありますが、みなさん第一種動物取扱業の登録をされていらっしゃるのでしょうか。
ドッグランに限った法律なのでしょうか。まだまだ気になることもたくさんありますよね。
ドッグカフェを開くために必要な手続や資格について、詳しくはお住まいの自治体にお尋ねください。