なぜ?ティーカップドッグのリスク要因2つ
そもそも、どうしてティーカップドッグには、普通サイズの犬と比べて特有のリスクがあるのでしょうか。その原因は、大きく2つが考えられます。
営利目的のブリーダーの存在
ティーカップドッグは、普通サイズの犬と比べて高値で取引されています。1頭100万円を超えるなんてケースもまれではありません。それだけに、営利目的でティーカップドッグを繁殖させている悪質なブリーダーの存在が問題とされています。小さな犬が産まれる確率を高めるためにティーカップドッグ同士の近親交配をくり返したり、より小さな犬を作出するために母犬や子犬に与える栄養を抑制するなど、犬の健全な発育をさまたげるような繁殖方法がリスクの根源となっています。
「小さすぎる」ということそのもののリスク
私たちはどうして小さい犬を求めるのでしょうか?小さいほうが可愛いから、小さいほうが散歩や食事の世話が楽だから、小さいほうがどこにでも連れて行けるから。いろいろな理由があるでしょうが、それは全て人間の都合に他なりません。本来、犬にとっては、身体が「小さすぎる」ということはリスクでしかありません。身体が普通よりも小さいということは、それだけ身体の作りが不完全であり、脆さや弱さを抱えているということなのです。
遺伝性疾患や先天異常
小さい犬同士をかけあわせれば、小さい犬が産まれる確率は自然と高くなります。そのため、ブリーダーが近親交配をくり返している場合があるというのは、先に述べたとおりです。その結果、ティーカップドッグには、遺伝性疾患や先天異常を抱えた子犬が産まれる確率が高いといわれています。
虚弱体質
身体が小さいティーカップドッグは、先天的に身体が弱いことが多いのも特徴です。特に生後間もないパピー期には虚弱さが顕著なため、ワクチン接種のスタート時期が普通サイズの犬よりも遅くなることもあり、その場合にはお散歩デビューや外出デビューが遅くなってしまうこともあります。もちろん、体質には個体差があり、普通サイズの犬と変わらず元気な子もいますが、ある程度成長してからも長期間の散歩や外出が難しかったり、さまざまな疾患にかかりやすかったりする子もいます。
骨折しやすい
ティーカップドッグは身体が小さいため、必然的に骨格も小さく脆くなっています。そのため、普通サイズの犬よりも骨折しやすかったり、関節の病気にかかりやすいといったリスクがあります。ティーカップドッグを飼育する際には、ベッドやソファからの飛び降りや階段の昇り降りをなるべくさせないなど、十分注意を払う必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?確かに、ティーカップドッグはとても可愛いですが、一緒に暮らしていくには、普通の犬と暮らす以上にさまざまなリスクと向き合う覚悟が必要です。また、私たちが安易に小ささを求めることで、不幸な犬をつくりだしてしまっているということにも、真剣に向き合う必要があるでしょう。