家族から虐待され続け、最終的に置き去りにされた犬
悲惨な光景が日常となった犬
米国のテキサス州南部のある住宅地では、とても悲劇的な光景があまりに長く続きすぎている事から、住人たちの感覚が麻痺し、それは日常的な光景と変わりつつありました。
空き物件となった家の道路脇に、引っ越しの際ゴミとして置いて行かれた青い椅子の上にその犬はいつも座っていました。
どんなに悪天候になろうとも、その犬は汚れた古いその椅子の上に座り続けていました。
雨の日も、日差しが強い日も、そこに座って動きませんでした。
その椅子には愛する家族のにおいがしみついているのかもしれません。
置き去り
犬の名前は『デューク』。
彼の体のコンディションはあまりいい状態ではありませんでした。
彼の皮膚は疥癬に侵されており、痩せて骨と皮の状態になっていました。
彼は飼い主家族からの虐待を受けていました。
でも、飼い主家族が引っ越す時に、彼を置き去りにしたことで虐待からは解放されました。
叶わない夢
しかし、デュークはそんな飼い主家族が戻ってくることを、同じ場所で、そして家族が置いていった椅子の上で、ひたすら待ち続けていたのです。
どんなに待ち続けても、それは叶わない夢で終わることを彼は知りません。
残飯
デュークが椅子から下りる時は、本当にお腹が空いた時です。
時々、通りすがりの人達がほんの少しだけ、デュークに食べ物を投げてくれました。
近くにゴミ箱があるので、デュークはその中から食べられる物を探しています。
そして、食べ終わるとすぐにまた椅子の上に走って戻ってきます。
飼い主家族が戻ってくると信じているので、デュークはひたすら同じ場所で待ち続けているのです。
誰も…
数週間、そうやって彼は飼い主家族の事を待ち続けていました。
その間、誰も彼の事を助けようとはしませんでした。
フェイスブック
ある日、デュークに光が差し始めました。
デュークの事をなんとかしようと、写真に撮ってフェイスブックに投稿した若い子が現れたのです。
その子は「誰か、デュークの事を助けてくれませんか?私のママが言うには、この状態でずっとここにいるそうです。彼は疥癬を患っているし、とても痩せています。」とメッセージを添えていました。
救助の手
その投稿をレズリーという女性が目にしました。
彼女は”Rescue Dog Rock NYC”でボランティアをしていました。
テキサスからは遠く離れたニューヨーク市に住んでいました。
それでも、レズリーはその投稿を見た瞬間、「助けに行かなきゃ!」と思ったそうです。
彼女はすぐに数人のテキサス州での協力ボランティア達に連絡を取り、デュークの救出に行ってもらいました。
信頼
でも、デュークは怖がって中々つかまりませんでした。
ボランティア達は、何度も何度もデュークの元へ通って、信頼を得るよう努力しました。
そして、デュークが心を許してくれたと確信してから、彼をタオルで優しく包んで保護し、車に乗せました。
車はデュークを乗せて、ダラスの動物病院に直行しました。
その間、ボランティアはデュークにおやつをあげながら、落ち着かせるために優しく話しかけ続けました。
バッド・コンディション
デュークはコンディションがとても悪かったため、ダラスのクリニックまで連れて行かれました。
クリニックの獣医もデュークの事を一目見て、状態がいかに悪いかすぐに判ったそうです。
そのため、急いで検査されました。
その結果、脱水、貧血、ノミ、疥癬、白内障などの複数の問題が判明し、それらの治療が必要となりました。
おぞましい過去
しかし、これらの治療はそれほど困難を極めるものではありませんでした。
最も獣医を悩ませたことは、デュークの口の中です。
デュークの歯は殆どありませんでした。
デュークは、もしかしたら闘犬のトレーニング用の”かませ犬”として使われていたのかもしれません。
かませ犬とは:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8B%E3%81%BE%E3%81%9B%E7%8A%AC
デュークは、想像を絶するようなとても過酷な時間を送ってきた犬なのかもしれません。
まだ2歳なのに
デュークはまだ2歳の若い犬でした。
それなのに、歯もなく、毛はすべて抜け落ちていました。
彼の体の問題が全て完治するには、かなり時間がかかりました。
安心
デュークはダラスのクリニックで手厚い医療措置を受けました。
彼のこれまでの犬生は、不幸すぎました。
でも、やっと彼の犬生に明るい希望の光が差し始めたのです。
もう彼の周りには、彼を傷つけるような人間は一人もいません。
生まれて初めて
デュークはこれまでの彼の犬生の中で、良い人間には恵まれていませんでした。
でも、今は違います。
彼にとって生まれて初めての幸せな時が流れているのだと思います。
その証拠に、彼は、誰にでも自由に触れらせてくれる犬となりました。
回復
デュークは数か月に及ぶ治療の末、やっと普通の犬の健康を取り戻すことができました。
彼は、人に対しても犬に対しても問題なく触れ合うことができるようになりました。
レズリーさんは、「彼がたどってきた酷い犬生からすれば、この回復はとても早かったと思います。」と語っています。
デュークは、新しい人や犬との出会い、そして新しい場所に行くことがとても楽しくなってきているそうです。
旅立ち
とうとうデュークが退院できる日が来ました!
お世話になったダラスのクリニックのみんなにお別れを告げ、レズリーさんの車に乗って、ニューヨーク市に出発しました。
そして、同市でレズリーさんの運営するRescue Dog Rock NYCにて、デュークの里親探しが行われました。
レズリーさんは、フェイスブックにデュークの写真とストーリーを載せました。
すると、アッという間にたくさんの注目を集め、デュークがニューヨークに到着して割とすぐに里親さんが見つかりました。
エンジョイ・ライフ
デュークは、生きていることを初めて楽しめるようになったのです!
最後に
どんなにひどい目にあわされていても、飼い主の事をひたすら待ち続けたデューク。
あなたはその姿に何を感じましたか?
ユーザーのコメント
40代 女性 匿名
女性 匿名
どうか天罰を。
女性 匿名