究極の選択、あなたならどうする?
もし、家族として生活してきた愛犬が、病にかかり、その痛みで夜も寝られずに苦しんでいたとしたら…。
もし、その愛犬はもう14歳という老齢だったとしたら…。
手術して、痛みの原因となっている腫瘍を取り除くことはできる、だけどその手術に愛犬の体力が耐えられるかどうかわからないとしたら…。
そして、手術が成功したとしても、あとどのくらい生きられるかわからないとしたら…。
決めるのは飼い主のあなたです。そんな状態にもし、愛犬がなったら、あなたはどうしますか?
愛する犬の苦痛を取り除いてやりたいから、命を懸けた手術を選びますか?
それとも…この苦痛からもう解放してやりたいと、安楽死を選びますか?
夜も寝られない激痛
そんな選択肢を迫られている女性が、ある動物救急病院の部屋から出てきました。
女性の愛犬”スタッフィー”は14歳のシニアです。スタッフィーは、お腹の中にガンの腫瘍がありました。スタッフィーは、その激痛に襲われ、夜も寝られない状態にありました。女性はその痛みを何とか取り除いてやりたいと、スタッフィーを救急病院に連れて行きました。
2つの選択肢
スタッフィーを診察した獣医は、女性に2つの選択肢を迫りました。
あるいは、このまま安楽死をさせてやるという選択肢もあなたには残されています。
そちらの選択肢は、スタッフィーをこれ以上苦しめることはなくなります。
スタッフィーは永遠に痛みから解放されることになります。
そのどちらを選ぶかは飼い主であるあなたです。あなたがスタッフィーに対して何が一番良いのかを考えて決断してください。」
痛みから救ってやりたい
女性は、病院に来るまで、スタッフィーを安楽死するということは、一度も考えたことはありませんでした。
ただ、ひたすら、この激痛からスタッフィーを解放してやりたい、助けてやりたい、そう思って救急診療を訪れたのです。
獣医からその選択肢を与えられたことで、女性は、どうしたらいいのかわからなくなりました。
保証などどこにもない
手術が成功しても、スタッフィーのガンが完治するとは限りません。再び、腫瘍ができ、苦しむことになるかもしれません。
また、お腹を大きく切り開くのですから、術後の痛みも相当なものになることでしょう。苦い薬も何日も飲まなければならないでしょう。辛い思いをして、病床の上に、息を引き取ることももちろん考えられます。腫瘍を取れば助かるという保証はどこにもありません。
安楽死という選択肢
安楽死という選択肢があると獣医から言われたことで、このまま絶え間ない苦痛から永遠に解放してやることもできるということを女性は初めて認識しました。
ですが、これは飼い主にとって、一番難しい選択となることは言うまでもありません。女性が診察室の外で悩んでいる間も、スタッフィーの苦痛の声が聞こえていました。
相談
女性は、何度もこういう経験をしてきたであろう、知り合いの動物愛護のボランティアさんに電話しました。電話の相手はこう言いました。
もっと公園に連れて行ってあげたかった。
もっと一緒に旅をしたかった。
もっと一緒に…もっと一緒に…。
きっとそういう願いが、飼い主側には無限に沸き起こると思います。
でも、それは犬にとっての望みではなく、飼い主側の自己満足に過ぎません。
手術して彼女の命を少しでもつなぎとめたい気持ちも、それともしかしたら同じかもしれません。
スタッフィーはもう十分に生きました。これが彼女の寿命なのです。」
そして最後にこう言ったのです。
安らかな眠り
飼い主の女性は、その後、スタッフィーを家に連れて帰りました。スタッフィーは、もう痛みで鳴き続けることはありません。苦痛から解放されたスタッフィーは、安らかな眠りについていました。
冷たくなったスタッフィーの体を抱きしめた後、女性はスタッフィーの体を綺麗に拭いてやりました。それから14年間のスタッフィーとの思い出を走馬灯のように頭に描きながら…スタッフィーの体をなで続けました。
女性の目から涙が止まることはありませんでした。それが果たして愛するスタッフィーにとって、正しい選択だったのかどうかは、誰にもわかりません。
しかし、1つだけ言えることは、スタッフィーは14年間の彼女の犬生を、愛する飼い主さんと一緒に幸せに過ごすことができ、そして最期に、永遠に苦痛から解放してもらったということです。
もし、あなただったら、どう決断していましたか?
《参考》https://doggiescare.com/she-looked-directly-into-eyes-passed-pain-unimaginable/
最後に
筆者は今年7月、愛犬の手術を決断しました。
脾臓が誤作動を起こしてしまい、健康な赤血球を破壊し続けて、大きく腫れあがり、もう脾臓摘出手術しか助かる方法は残されていませんでした。
手術は成功しました。でも、愛犬の体力は持ちませんでした。その翌日に静かに息を引き取ってしまいました。
今でもいろんなことが頭をよぎります。
本当に正しい選択をしたのか?手術しなければ、もっと生きられたのではないだろうか?などなど…後悔は尽きません…。
ただ、その選択は安楽死ではなかったです。それでも、やはり後悔は残ります。しかし、それもその子の背負った運命、寿命だったのだと思うようにしています。
大事なことは、どんな状況になろうとも、最期まで家族として対応していくということではないでしょうか?
ユーザーのコメント
40代 男性 やみす