捨て犬・迷い犬はまずどこに行く?
いわゆる捨て犬や迷い犬は基本的に各自治体にある保健所や動物愛護センター、動物保護センターなどと呼ばれる施設に収容されます。道路などで迷い犬を発見し通報した場合も、それらの施設の職員や警察官が保護し施設へと収容します。
環境省によると、平成28年度、それらの施設に飼い主の手で持ち込まれ引き取られた犬の数は4,663頭、所有者不明で引き取られた犬は約36,512頭で合わせて41,175頭。飼い主による飼育放棄は約10%となっています。全国での犬の引き取り数は10年ほど前から確実に減少してきておりピーク時の約半数になってきています。また、迷い犬の場合は飼い主が探してる場合もあり平成28年度では12,854頭が返還されています。
捨て犬や迷い犬が進む道①新しい飼い主への譲渡
動物愛護センターなどで保護、収容されている犬が進む最も希望のある道として新しい飼い主への譲渡があります。多くの施設職員もそれを望み、それぞれの自治体や施設では少しでも譲渡数を増やすためにさまざまな努力を行っています。平成28年度の譲渡数は17,646頭で、ぁ動物愛護センターで行われる譲渡会だけでなく、連携している動物保護のボランティア団体やNPO法人などによる譲渡会などで譲渡されている犬も数多くいます。多くの自治体では譲渡後にもしっかりと終生飼育してもらえるように、飼い主の教育に力を入れています。譲渡前に飼育に関する心構えやしつけ方などを伝え、条件に合わない場合は譲渡を行わないということもあります。
捨て犬や迷い犬が進む道②動物愛護センターでの飼育
老犬や病気や障害を持っていて譲渡の対象とならない犬、どうしても譲渡先が見つからない場合、狭き門ではありますが保護施設でそのまま飼育されて来訪者を迎えるウェルカムドッグになったり、しつけ教室のデモンストレーション犬などになったりする場合もあります。また、収容数の少ない施設であれば可能な限り保護し続ける場合や施設職員が引き取り飼育を行う場合なども少なくないようです。
捨て犬や迷い犬が進む道③殺処分
捨て犬や迷い犬がたどる末路としても最もつらく悲しい道がガスや薬物投与による殺処分です。犬は自治体ごとに定められている「保護期間」を過ぎても飼い主による引き取りや新しい家庭への譲渡が決まらない場合殺処分の対象となってしまいます。日本は先進国でありながら、ペットブームなどの影響で殺処分数が非常に多い国として知られています。近年では動物愛護の先進国を参考に殺処分数を出来る限り減らすための取り組みが多く行われるようになってきました。一部自治体では年間の殺処分数がゼロになった場所などもあり、少しずつではありますが日本のペット事情も変化の兆しを見せ始めています。しかしながら平成28年度の犬の殺処分数は10,424頭。以前に比べ減少したとはいえ、人間の身勝手で捨てられ殺される犬の数としては非常に多いものだと考えます。
不幸な運命をたどる犬を減らすために出来ること
まず愛犬が何らかのアクシデントで迷子になってしまった場合はすぐに自治体の動物愛護センターや保健所、警察に連絡をして愛犬が保護されていないかを確認しましょう。ホームページで収容状況を確認することも出来ますが、迅速確実に知りたい場合は直接施設を訪れたり口頭で確認を行う方がいいでしょう。その場合にすぐに犬の身元がわかるよう、鑑札や迷子札を首輪につけておいたりマイクロチップを導入したりという対策がされているとより安心です。
捨て犬を減らすために出来ることとは言うまでもなく、それぞれの飼い主が犬の寿命が尽きるまで生涯飼育を続けることです。各家庭で飼い始めた犬の終生飼養さえ行われれば年間に1万頭以上もの犬が人の手で殺されてしまうことはないでしょう。犬を飼育する前には本当にどんなことがあっても飼育が出来るのかということをしっかりと考え、思わぬトラブルで飼育困難いなった場合の預け先や引き取り手を探しておくことも大切です。命を預かるということはそれだけ重要な問題です。そこで面倒であると考えるようならば犬の飼育を諦めるべきかもしれません。犬の飼育に関するハードルを今よりも高くしなければ、日本における捨て犬や殺処分に関する問題は解決されないと思います。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 匿名
警察署に預け次の日に保健所
私は首輪をしているから預かりたいと警察署、ボランティアの方、保健所の方にそのむねを話したのですが法律で決まっているから無理と 探して見つからないなら仕方ないけど即保健所いかがなものかと
警察署に見にいったら外の暗い所にいました。ボランティアの方 迷子が何日か居られる場所位作ってはと思いました。
事務処理なんだなと思いました。
生き物です。もし自分の家のペットなら絶対怒ることでしょう。
20代 男性 匿名