保護犬が見知らぬ場所で行方不明に
センター収容
2017年5月、沖縄県動物愛護管理センターに、1匹の小型犬が収容されました。
残念ながら、収容期限内に飼い主さんのお迎えはありませんでした。
引き出し
その子はセンターの檻の中でガタガタ震えていたそうです。
このままでは殺処分されてしまうということで、沖縄の動物愛護団体『NPO法人ワン'sパートナーの会』さんが引き出しました。
小鹿のような風貌
まるで小鹿のような風貌だったので「バンビ」と名付けられました。
バンビちゃんは、人馴れしていませんでしたが、ワン's宜野湾シェルターでお世話スタッフの愛を受けながら、少しずつ少しずつ心を開いていきました。
里親
そして同年9月、バンビちゃんに里親さんが現れました。
里親さんに抱かれたバンビちゃんのこの笑顔…
家族ができて本当に嬉しかったのでしょう。
事件発生
しかし、事件は起きてしまいました…
2018年4月、里親さんがバンビちゃんを連れて出かけた先で、バンビちゃんはあろうことか車から飛び出してしまいました。
そのままバンビちゃんは行方不明になってしまったのです。
捜索
バンビちゃんにとっては、そこは初めての場所で、まったく土地勘はありませんでした。
里親さんは、それから毎日、毎日、バンビちゃんが行方不明になってしまった場所に通い、バンビちゃんの事を必死で探しましたが、見つかりませんでした。
ワン'sパートナーの会もサポーターさんたちに捜索の協力を呼びかけるも、目撃情報など手掛かりは一切得られませんでした。
ただただ時間だけがむなしく過ぎていきました。
臆病なバンビが、
人に寄っていくとは思えず、
飢えているのかと思うと辛く、
当会スタッフも夜な夜なバイクで捜索しました
引用:http://wanspartnerokinawa.ti-da.net/e10447447.html
残念ながら誰もバンビちゃんを発見すること発生できませんでした。
奇跡
このままバンビちゃんはもう見つけ出すことはできないのではないだろうかと、誰もが絶望的な気持ちになりかけていた時でした。
突然、奇跡が起きたのです!
なんとバンビちゃんが自力で里親宅に戻ってきたのです!!
本日、バンビ自力で帰ってきました!!!!!
那覇市首里から南風原町の自宅まで!!!!!
カラダには擦り傷と脱毛があり、
ぼろぼろになったバンビ.....
自分の家に、
家族の元に帰ってきました!!!!
引用:http://wanspartnerokinawa.ti-da.net/e10447447.html
やっと戻れた…
朝、おばあちゃんが家の前をお掃除する為に
お外に出た所バンビが居て、
おばあちゃんを見て、何とも言えない声で、
泣いたそうです
バンビ
小さなカラダでよくたどり着きました.....
毎日捜索に行っていた里親さんの
車の匂いをたどって帰ったと思われます。
忠犬バンビ
何という帰巣本能.....
バンビが無事で本当に良かった
バンビの捜索に協力してくれた
サポーターのみなさん、
ありがとうございましたm(_ _)m
引用:http://wanspartnerokinawa.ti-da.net/e10447447.html
時間と距離
それはバンビちゃんが行方不明になってから、20日目くらいの時だったそうです。
バンビちゃんが行方不明になった場所の那覇市首里から里親さんの自宅がある南風原町まで、最短距離的で約5~6キロ、それを人間の足で迷わず歩いたとして約1時間くらいはかかります。
帰りたい!の一心から
バンビちゃんは一度も行った事もない場所で迷子になり、更に里親さんという新しい飼い主のお家に戻ってきたのです。しかもそこは、車で連れて行かれた場所でした。
里親さんの車のにおいだけを頼りに、バンビちゃんは戻ってきたと思われます。
バンビちゃんは、自分を捨てた元飼い主のところではなく、自分を助けてくれた里親さんのところに自分の意思で必死に戻ってきたのです。
メッセージ
以下は、NPO法人ワン‘sパートナーの会のスタッフのkayoさんからのメッセージです。
愛犬家のみなさん、
愛犬の命を守れるのは飼い主だけです!!!
バンビは、交通事故にあう事もなく、
無事に帰って来れましたが、
出先での脱走等にはくれぐれもお気をつけ下さい!!!
迷子札をお忘れなく!!!!!
NPO法人ワン‘sパートナーの会のスタッフの公式ブログ▼
http://wanspartnerokinawa.ti-da.net/
沖縄の殺処分
2018年5月16日、沖縄タイムズに沖縄の犬猫の殺処分に関する記事が出ました。
新聞のタイトルは「犬猫殺処分最小に」でした。
記事によるところ、2017年度の犬猫の殺処分は過去最少の1,400匹で、同県が目標としていた1,500匹を下回ったとあります。
ネットにも記事が載っています。(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/252454)
ネットでの記事のタイトルは”犬猫の殺処分、5年で激減 沖縄の取り組み実る”とされています。
ボランティア団体の存在は大きい
2012年度の殺処分数は6千頭を超えていたのですから、それに比べればはるかに少なくなったと言えます。
ただ、この記事には何故か一言も書いてないのですが…
沖縄県での犬猫の殺処分を大幅に減らすことができた最大の理由は…
何よりも、NPO法人ワン‘sパートナーの会さんや他、複数の県内及び県外の動物愛護ボランティア団体さんたちが毎週、殺処分対象の犬猫達を(どこの団体もキャパシティオーバーになりながらも)必死で救おうと引き出しているからに他なりません。
最後に
バンビちゃんは、動物愛護管理センターに収容され恐怖で震えていた子でした。
バンビちゃんは、運よくボランティア団体に引き出されましたが…
全国各地の動物愛護管理センターには、誰にも助けてもらえない子たちが恐怖の時を過ごしています。
みんな怖くてしかたないのです。そりゃそうです。
動物愛護管理センターとは、動物達を管理するところです。
[管理]と名前についているセンターは、殺処分機が置かれている管理棟があります。
そこに一旦収容されれば、命の期限がつけられてしまい、その期限までに元の飼い主、里親希望者、あるいは動物愛護ボランティアのいずれかが引き出さなければ、どんなに可愛くても、どんなに人馴れしてお利口さんであっても、どんなに恐怖に震えていたとしても、みんな殺されてしまいます。
例え”愛護”という言葉がついていても、つまりは、引き取り手がいない動物達を処分するところなのです。
そうさせているのは、無責任な飼い主さん達です。センターのせいでは決してないのです。
どうかあなたの家族でもある愛する子たちが、そんな場所にいつか収容されることのないように、脱走防止、マイクロチップあるいは迷子札の着用を心掛け、そして終生飼育を心からお願い申し上げます。
※尚、この記事および写真の投稿に関してましては、NPO法人ワン‘sパートナーの会さんの承諾を得て行っております。
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50代以上 女性 モラン