背中を銃で撃たれた子犬を発見
2016年、ギリシャ郊外のある村で10歳の男の子が、後ろ脚を引きずった状態で前足だけで地面を移動していた黒い子犬を発見しました。
男の子は、すぐにその子犬を保護し、『ニッキー』と名付けました。
動物病院へ
男の子は両親に「ニッキーを助けてほしい」と懇願、両親はニッキーをすぐに動物病院に連れて行ってくれました。
それと同時に地元の動物愛護ボランティア団体にも連絡が入りました。
ニッキーを診察をした獣医達は、「この子にはもう将来的に希望は望めないので、安楽死させた方がこの子にとって一番良い方法だと思います。」と安楽死を提案してきましたが、男の子とその両親は同意することはできませんでした。
その時、ニッキーはまだ生後約三か月でした。
痩せこけていたニッキーの体重は4㎏を切っていました。
生命力
何者かがニッキーの背中を銃で撃ったため、弾が背骨に入り込んで止っていました。
弾は脊柱に接触していたため、取り除くことはできない状態でした。
ニッキーは生涯において下半身が麻痺した状態のままで生きて行かなければなりません。
ニッキーは生後二か月に満たない時に撃たれたのだと思われます。
ニッキーは生まれてからこれまで最悪の体験をしてきた子でした。
しかし、ニッキーは撃たれながらも、命を落とすことはなく、その後彷徨い続け、発見されるまで自分だけの力で生き抜いてきた生命力のとても強い子なのです。
下半身麻痺した犬に希望は無い?
獣医達が言うように、下半身麻痺した犬たちは将来に希望は一切望めないのでしょうか?
いいえ、それは間違っています。
下半身麻痺した犬が、良い生涯を過ごせないというわけでは決してありません。
実際、下半身を麻痺した多くの犬たちが、他の犬達と同じように正常な生活を送ることができています。
ニッキーは再び歩くことこそできませんが、理学療法とハイドロセラピーで、後肢の部分的な使用を回復する可能性がありました。
ニッキーを発見し助けてくれた男の子の家族は、残念ながらニッキーとはずっと一緒には暮らせなかったため、ニッキーは一時預かりさんのところで過ごし、ボランティア団体によってニッキーの里親探しが行われました。
里親
ある日、ニッキーに里親さんが決まりました。
ニッキーは、イギリスの家族が挙手をしてくれました。
車椅子生活
ニッキーの里親さんは、ニッキーが自由に走り回れるようにと、犬専用の新しい車椅子を買ってくれました。
ニッキーはその車椅子のおかげで毎日とても楽しく快適に過ごせています。
幸福
優しい家族を得たニッキーはかなり恵まれた環境で、大きな愛情に包まれ、とても幸せに暮らしています。
ニッキーに必要な理学療法とハイドロセラピーなど他、医療はすべて受けさせてもらっています。
ニッキーは里親家族を毎日笑顔にしてくれているそうです。
それはいたずらあり、笑いありのとても楽しい日々です。
里親家族には、他に先住犬や猫がいますが、みんな仲良く暮らしています。
ニッキーが味わった酷い過去のことなどまるでもう存在していないかのようです。
報道メディア
ニッキーのことはメディアも取り上げています。
http://www.wtvideo.com/video/13841/one-puppy-and-its-incredible-story-...
希望はどんな子にも存在する
ボランティア団体が作成したニッキーの動画▼
ニッキーは人間によってとても酷い目に遭わされた犬ですが、それでも、人間によって幸せを掴む事ができた犬でもあります。
動画の最後にニッキーの言葉として「私は良い人間に恵まれた」とあります。
ニッキーは酷い目に遭いながらも、最終的に幸せを掴んだ犬の象徴として、同じような酷い境遇に置かれた犬達に希望を与えています。
最後に
下半身麻痺のまま一生を過ごさなければならない事に対して、「この子にはもう希望はないから」と殺処分を勧めてきた獣医さん達に、ニッキーが特大の幸せを手に入れたことを是非知ってもらいたいですね。
ニッキーのその後の様子はフェイスブックに投稿されています。
「Niki's wheelie adventures」https://www.facebook.com/greekiestar/
※尚、この記事及び写真と動画に関しましては、フェイスブックの「Niki's wheelie adventures」の管理人さん(ニッキーの里親探しを行ったボランティア団体)に承諾を頂いています。