ドッグフードを定期的に違うものに変更すること
愛犬が食べるドッグフード、最近ではいくつかの種類をローテ−ションで与える人も増えてきました。
かつては「いろいろな種類のフードを食べさせると胃腸に負担がかかって体に悪い」という説もありましたが、現在は「長期間に渡って同じタンパク源を摂り続けることでアレルギーを起こす場合もある」という説も知られるようになり、獣医師や獣医学栄養士にもフードのローテーションを勧める人が増えています。
違う種類のドッグフードをローテーションするメリットと、その際の注意する点をご紹介します。
定期的にフードを変えるメリット
愛犬に与えるフードを定期的に違う種類に変えることで、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?
アレルギー発症のリスクを下げる、アレルギーに気づく
ずっと同じフードを食べ続けるというのは、常に同じ食材だけを摂り続けるということです。そのことが必ずアレルギーにつながるというわけではありませんが、動物の中には同じ食品を摂り続けることで許容量を超えてアレルギーや不耐性を発症する個体もいます。
定期的にフードを変えることで完全にアレルギーが予防できるわけではないのですが、リスクを下げることはできます。
また下痢や発疹などの目に見えて分かりやすい形のアレルギーではなく、その食材を食べると何となく調子が悪くなるという場合もあります。
実際にある例では、いつもチキンベースのフードを食べていた犬がいつも真夜中に起きてウロウロするというちょっと変わった行動がありました。大きな問題と言うほどではないものの飼い主さんも少し気にしていたのですが、ラムベースのフードに変えたところ夜中のウロウロが無くなり熟睡するようになったのだそうです。チキンに軽いアレルギーがあったのですが、フードを変えたことがきっかけで初めてそのことに気付いたという例です。
栄養面での補強
ペットフードは基本的にはそれだけを食べていれば必要な栄養素は全て摂取できるように設計されています。とは言っても、原材料であるそれぞれの食材のアミノ酸組成や、含まれるビタミンミネラル、脂肪酸の種類などには細かい違いがあります。またフードによってはプロバイオティクスなどが含まれていることもあります。
定期的にフードの種類を変えることで、摂取する食材の幅が広がり栄養面での補強が期待できる場合もあります。
犬だって違う味を食べると嬉しい
犬によっては、一定期間同じフードを食べていると、ある時からプイッとそっぽを向いて食べなくなるという子もいますね。毎日同じフードでも喜んで食べるという犬もいますが、たとえそういう犬であってもフードボウルの中の新しい味覚は嬉しい刺激になります。
愛犬の喜ぶ顔は飼い主にとっても嬉しいものですよね。
定期的にフードを変える場合の注意点
フードを変える時、特に初めての場合には注意する点がいくつかあります。
ローテーションを始める前に獣医さんに相談する
まずはかかりつけの獣医さんに、愛犬のフードを定期的に違うものに変えようと思っていることを相談してみてください。特に消化器官をはじめ内臓系に何か問題がある場合やアレルギーなどの皮膚疾患などを持っている場合は獣医さんとの連携が大切です。
フードの具体的な銘柄などに悩んだ時にはペットのための栄養士や、フードを扱っている会社のカウンセラーなどへの相談も良い手です。
初めてのフード変えは少しずつ慎重に
初めて今までと違うフードを与えるという時には、今までのフードに新しいフードを2割くらい混ぜて、毎日少しずつ新しいフードの割合を増やしていき5〜7日以上かけて新しいフードに切り替えるくらいのペースで慎重に行います。
特にチキンからビーフやラムなど違うタンパク源に変える時、全く違うブランドに変える時には慎重に切り替えます。
体調の変化をよく観察する
食べた直後〜数時間後の様子、翌日のウンチの状態、数日経って皮膚の赤みや痒みが出ていないかなど、体調の変化の観察も念入りにしましょう。
嘔吐や下痢、臭いの強いおなら、発疹、激しい掻き行動などアレルギーと思われる症状が出た場合は病院を受診してください。以前に食べていたフードと新しいフードの原材料を比べて、アレルギーの原因となった食材を突きとめます。
悪い変化だけでなく、前述の軽いチキンアレルギーに気付いた犬と飼い主さんのように良い変化が起こる場合もあります。その場合、以前のフードに戻らないようにしなくてはなりません。
まとめ
定期的にドッグフードをローテーションする際のメリットと注意点をご紹介しました。
私たち人間は何年も続けて同じものだけを食べ続けるということはありません。人間だけでなく野生動物も毎日違うものを食べています。そう考えると、一生同じドッグフードだけを食べ続けるのが不自然だということがわかります。
メリットだけでなく、気をつけなくてはいけない点もきちんと把握して、愛犬のハッピーな食生活をサポートしたいですね。
《参考》
https://www.petmd.com/dog/nutrition/evr_dg_rotation_feeding_for_dogs#cat-dog-food-allergies