繁殖犬だったキャバリアのルーシーの告白 『ルーシーの法律』

繁殖犬だったキャバリアのルーシーの告白 『ルーシーの法律』

キャバリアのルーシーは子犬工場の繁殖犬として、過酷な日々を長い年月、強いられ続けていました。でも、リサという女性が里親になった事で、ルーシーは他の繁殖犬達を救うための活動の象徴犬となりました。そのルーシーの告白を是非聞いて下さい。

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繁殖犬だったキャバリア「ルーシー」の告白

私の名前はルーシー。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルという種類のメス犬です。
私は子犬工場の繁殖犬でした。
私はそこでとても過酷な日々を強いられていました。
Do you know のメモを持ったルーシー
そこでは、誰も私の事を愛してはくれませんでした。
誰も私を抱きしめてはくれませんでした。
私は友を持つことも許されず、遊ぶ事すらできない、とても狭い檻の中にずっと閉じ込められたままでした。
暖かなベッドで夜を過ごした事は一度もなく、散歩もおやつも一切ありませんでした。
私は繁殖業者のお金稼ぎのために、そこでひたすら子犬を産ませられ続ける生活を何年もずっと強いられてきました。

彼らにとって私は、ただの”子犬を産むための物”でしかなかったのです。

子供が産めなくなればもう価値がない

そんな私にある日突然、幸運の光が差し始めました。
私はレスキュー・センターによって酷い繁殖場から救い出されました。

私は既に子供が産めない体になっていたので、繁殖業者は私の事がこれ以上必要なかったのです。

繁殖業者は、子供が産めない私の事を「もう価値がない!」と言いました。

レスキュー・センターは繁殖場よりはずっとずっとマシな環境でしたが、とても寒い場所でした。

素敵な女性が私を見つけてくれた

2013年、そんな私を、リサ・ガーナ―という素敵な女性がレスキュー・センターのウェブで見つけてくれて、私が毎日寒い場所で過ごしている事を知ってくれたのです。

リサは犬のためのブティックを経営していました。
それで私のために何枚か暖かい洋服やおやつを送ってくれました。

レスキュー・センターのスタッフは、リサが送ってくれた服を着た私の写真を何枚か撮って、リサにメールで送ってくれました。
リサが送ってくれたおやつをもらっている時の写真も撮ってリサに送ってくれました。
そんな事がスタッフとリサの間で何度か続いていたようです。

送られてきた私の写真を何度も見ているうちに、リサは私に完全に心を奪われたそうです。
それは”愛情”以上のものだったそうです。

そしてとうとうリサは、私の里親になる手続きをとってくれたのです。

酷い姿は繁殖場の過酷な環境を物語っていた

その後、リサが私に会いに来てくれたのですが、初めて私の姿を目の当たりにしたリサは正直とてもショックを受け、明らかに動揺していました。

長い間、繁殖場の狭い檻の中にずっと閉じ込められたままでいた私の姿は、それはそれは酷いものでした。

私の体には骨と皮しかなく、体重はわずか3.5㎏とキャバリアの成犬にしては、とても小さくて軽かったです。
私の体はとても臭く、禿げた部分がいくつもありました。
私の足は糞尿まみれの床の上にずっとあったので、とても汚かったです。

一番最悪だったのは、私はとても狭い檻の中に長年押し込められていたため、背骨が湾曲していたことでした。

私の体は繁殖場の親犬たちがいかに酷い環境で飼育されているかを、まるで証明しているようなものでした。

(下記写真は、子犬工場から救助されて間もない背骨が曲がっていたルーシーの姿です。)

リサの決意

リサはそんな酷い姿をした私を見ても、一切嫌悪することもなく、私の事を更に愛おしく感じてくれた唯一の女性でした。

リサは私をペットの犬としてではなく、家族の一員として迎える決意を固めてくれました。

リサは私のママになる事を誓い、私に暖かい家庭を提供してくれる事を約束してくれました。

繁殖犬としてずっと孤独に過ごしてきた私に、愛する家族と暖かな家ができたのです!

ルーシーが手に入れたもの

それ以来、私の人生はまったく変わってきました。

ママは私を愛しています。 私はとても幸せです。

私は素敵なベッド、一緒に遊ぶ犬の仲間、無限の抱擁、そして私が最も必要としていたもの、それは”愛”、を得ることができたのです!

ルーシーの活躍

その後、私はとても有名になりました。

私はフェイスブックのアカウントを持っています。
なんと6万8千人以上のフォロワーがついて7万件以上のイイねをいただいています。

ルーシーのフェイスブックページ▼
https://www.facebook.com/lucytherescuecavalier/

私はイギリスで超有名でハンサムなブロードキャスター兼作家のベン・ファッジから英国で最も英雄的な犬に贈られる賞を頂きました。

私はカレンダーを作り、その売上金を動物保護団体の”PupAid”と”Many Tears Animal Rescue”に寄付しています。

更にRSPCAからも賞を頂きました。Mirror誌からも賞を頂きました。

私は子犬工場を反対するキャンペーン活動での大使となっています。

私が味わってきたような苦しい思いをしている犬達をもうつくるべきではありません。
私は子犬工場についての絵本を作って、子供たちに子犬工場に対する反対意識を高める活動を行いました。そして、すべての売上金は動物救済活動のために寄付しました。

ここまでの出典元:http://thebarkingbugle.co.uk/lucy-the-rescue-cavalier-book-launch/

(筆者がどこでルーシーの絵本が購入できるのかをリサさんに問い合わせたところ、「絵本はすでに売り切れています」とのリサさんからのお返事をいただきました。素晴らしいです。)

ルーシーの法律をサポートする動き

イギリスでは去年から「ルーシーの法律をサポートします」というキャンペーンが、獣医師のマーク・エイブラハム氏の先導のもとで、幅広く展開されました。
SNSでは自分たちの犬猫の写真を投稿し、「私たちもルーシーの法律をサポートします」という応援の投稿がたくさん見られるようになりました。

多くの署名は国会に提出され、今年政府は仔犬繁殖業者、不法ブリーダー、不法仔犬販売業者、ペットショップなどの動物福祉に反する機関の締め付けを強化する方向に動き始めました。

出典:http://catsanddogs75.blog136.fc2.com

ルーシーの法律の元となったお話がイギリス在住のノーマンテイラー邦子さんのブログで紹介されています。筆者がこの記事を書くきっかけとなったブログです。

ノーマンテイラー邦子さんのブログ▼
http://catsanddogs75.blog136.fc2.com/blog-entry-718.html

ルーシーの法律

『ルーシーの法律』というのは、「子犬工場での繁殖に対して反対の声をあげましょう!」という内容のキャンペーンの名称です。

繁殖犬だったキャバリアのルーシーは、そのキャンペーンの大使となりました。

このキャンペーンは、ルーシーが子犬工場から救出され、リサさんが里親となったことをきっかけとして始まりました。

ルーシーがあまりに酷い状態だったことで、劣悪な子犬工場の存在が表面化する事となったわけです。

糞尿まみれで体の骨が変形するほど狭い檻に繁殖犬たちが入れられて、餌もろくに与えられていないことは、救出直後のルーシーが骨と皮状態で湾曲した背骨を見ればよく判ります。

子犬工場から救出されたルーシーは、極端な栄養失調、慢性的なドライアイ、脱毛症、てんかん、肌から漂うアンモニア臭など本当に酷い状態だったのです。

あまりに過酷な状態で長い年月を繁殖犬として強制的に子犬を産ませられ続けたことで、ルーシーは精神的にもかなり追い込まれた極度の緊張状態にあり、リサさんと一緒に暮らし始めてからのルーシーは分離不安症も出ていたそうです。

その結果、繁殖犬キャバリアのルーシーの悲惨な過去を知った多くの人達が、子犬工場反対運動を意味する『ルーシーの法律を支持します』と賛同する写真をSNSなどに投稿するようになりました。

ルーシーのフェイスブックページには、たくさんの支持者たちの写真が寄せられています。

虹の橋へ旅立ったルーシー

残念ながら、繁殖犬として過酷な年月を長い間過ごしてきたルーシーは、リサさんに引き取られて幸せな時を過ごしながらも、すでに虹の橋へと旅立っています。

キャバリアとしては短命で、8歳か9歳だったそうです。劣悪な子犬工場での長年の生活がルーシーを短命にしてしまったのだと思われます。

しかしながら、ルーシーの法律は未だに多くの人々が支持し続けています。
ルーシーがこの世に残した功績は計り知れないものがあったと思います。

ルーシーは2013年3月にリサさんに引き取られ、2016年12月に旅立ったという事でした。
リサさんと過ごした約3年9か月はルーシーにとっては、本当に夢のような幸せな日々だったのではないでしょうか…

ルーシーのインスタグラム▼
https://www.instagram.com/lucytherescuecavalier/

ルーシーの法律をサポートを表明するには

https://www.mirror.co.uk/news/uk-news/im-lucy-rescued-puppy-farm-11648187

上記リンク先に、ルーシーの法律についての記事が書かれています。

そして記事の最後の方にルーシーの法律をサポートするための書き込み欄があります。
ただし、英語なので何が書かれているのか日本語訳をつけておきます。

  • あなたの名前は?
  • どこに住んでいますか?
  • 携帯番号は?
  • あなたの愛犬の名前と種類は?
  • あなたの愛犬について何か書いてください。
  • あなたがルーシーの法律を支持したいと思った理由は?
  • 愛犬の写真をアップロード
  • 規約を読まれた上で賛同してください。

以上すべて記入したうえでSubmit(提出)ボタンを押せば賛同を表明できます。

最後に

日本はたぶん、”世界で最も生体販売を行っている国”だと思われます。

また日本は、世界で最も”生体販売に疑問を持っていない人達が多い国”ではないでしょうか?

その証拠に週末ともなれば、ペットショップの生体販売コーナーは若いカップルや親子連れで大変にぎわいます。

商品として展示されている子犬や子猫を見て、小さな子供から大人までが「わぁ、可愛い!」と声を上げて笑顔でいられるのが日本のよくある光景ではないでしょうか?

欧米諸国のように生体販売を行っているペットショップの前で「劣悪な子犬工場を廃止せよ!」とか、「生体販売を行っているペットショップでは一切買い物をしない!」などのプラカードを持った人々のデモが行われているわけではないですよね?

私達日本人は、他のアジア諸国のように犬猫を食する習慣こそありませんが、その習慣を残酷だと非難しながらも、生体販売を当然のように受け入れているのはいかがなものなのでしょうか…

イギリスでは、”ルーシーの法律”という子犬工場に対する反対運動が起きている事、また繁殖犬だったキャバリアのルーシーの告白によって劣悪な環境でひたすら子犬を産む事だけを強いられ続けている親犬たちが存在している事を、この機会に是非知っていただき、生体販売についてもっと真剣に考えていただき、何がしかの行動が日本でももっともっと起きることを、筆者としては心から願い、今回、記事として取り上げさせていただきました。

※尚、この記事及び写真の掲載につきましてはルーシーのFB管理者の承諾を得て行っております。また、ノーマンテイラー邦子さんのブログの一部転載につきましても、ご本人の承諾を得て行っております。

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