理由①“幸せホルモン”が増加するから
仕事や家事を終えた1日の終わりにゆったりした気分で愛犬をなでている時、とても幸せな気分になりませんか?それは「気分的なもの」「感覚的なもの」というだけでなく、実ははっきりとした理由があるのです。
犬と優しく触れ合ったり穏やかな気持ちで見つめ合ったりすることで“幸せホルモン”や“愛情ホルモン”“絆ホルモン”などと呼ばれるホルモンが多く分泌されるということが分かっています。
そのホルモンは正式には“オキシトシン”といい、女性の妊娠出産、授乳などに深く関わるホルモンとして発見され、母子の愛情形成などにも影響するホルモンだとされてきました。
女性のみ分泌すると思われていましたが、実は男性でも分泌されることがわかり、さまざまな研究によって飼い主と愛犬によるコミュニケーションの中でもその分泌が促進されることがわかってきているのです。
穏やかで幸せな気持ちでコミュニケーションを取ることでオキシトシンが分泌され、さらに幸福感や相手に対する信頼感が増し、ストレスや不安な気持ちが緩和されたり、良質な睡眠が得られたりすると考えられているのです。
理由②社会的なつながりができるから
犬を飼っていると毎日外に散歩に出ると思います。毎日のように自宅の近くを歩いていると、自然と顔見知りができると思います。
そうしているうちにあいさつをかわすようになったり、立ち止まって犬同士をあいさつさせるようになったり、待ち合わせて一緒にお散歩をするようになったり、さまざまな形でのコミュニケーションが生まれてきます。
筆者自身、今住んでいる地域に引っ越してきた時、縁もゆかりもない土地ということもあり当然知り合いなどもいませんでした。しかし引っ越し当日から近所の公園を散歩していたら、犬を散歩している人に出会い軽く会釈をかわしました。
それから8年、その方とはいまだに頻繁に散歩で会い雑談をしますし、地域のことでわからないことなどたくさんのことを教えて頂いています。そして、そんな“犬仲間”が他にもたくさんできました。
社会や地域とつながるということは面倒に思う人もいるかもしれませんが、友達のように深い関係ではないものの気軽に言葉をかわすことができるというのはとてもいいものです。
人と会話をかわすと脳は活性化して気分が明るくなるとされていますし、困った時に助けてもらえる人いるというのはとても心強いものだと思います。
理由③健康的な生活を送れるから
愛犬に健康的な生活を送らせようと思うと自然に飼い主の生活も健康的になっていきます。
散歩をするために朝早く起きたり、1日数十分歩くことで自然と運動ができたり、犬の食事に気を使うようになると自分の食事のクオリティやバランスも気にするようになったり。
特に散歩で外に出て歩くということは、精神的にも肉体的にもすこやかなリズムをつくり出してくれます。犬も人も幸せに暮らすために健康であることはとても大切です。
まとめ
犬が人に幸せをもたらしてくれるのにはさまざまな理由があります。
特に犬とのコミュニケーションの中で“幸せホルモン”と呼ばれるオキシトシンというホルモンが分泌されるというのは大きいでしょう。ただし、ただ犬に触れったり一方的に目を合わせようとしたりしても分泌されるというものではありません。
愛情をもって接することでよりその愛情を深めるため、心を落ち着けて信頼感や幸福感を高める“幸せホルモン”が増加されるのです。
しかし本当は、幸せを感じるためにその理由を深く考えたり、試行錯誤する必要はないのかもしれません。私たち人間は、心のままに愛情をもって犬に接することで自然と深い幸福感に包まれ、同様の深い愛情を犬は返してくれるのでしょう。だからこそこんなにも長い間、犬と人は生活を共にしてくることができたのかもしれませんね。