犬の筋肉の種類
犬の筋肉は大きく3種類にわけることができます。まずは「心筋」、心臓にだけある筋肉で自分の意思で動かしたり止めたりできない不随意筋です。
次に「平滑筋」、気道や血管、胃や腸などの壁や子宮、膀胱の壁などにみられるもので内蔵筋とも呼ばれています。こちらも自分の意思で動かしたり止めたりできない不随意筋です。そして最後に「骨格筋」です。骨格筋は自分の意思で動かすことができる随意筋で、骨についている筋肉です。骨格筋はさらに「遅筋」と「速筋」という2種類に分けることができます。
遅筋は長い時間力を維持する筋肉で、持久力はありますが集発力はありません。速筋は瞬間的に働く筋肉で、瞬発力はありますが持久力はありません。
犬の場合、遅筋が多くあると言われていますが犬種によっても割合は違うので必ずしも遅筋が多いというわけではありません。
人間の場合も人によって遅筋の割合が多かったり、速筋の割合が多かったりするので一概にどの種類だからどの筋肉が多いとは言えないようです。
犬の筋肉の役割
体を動かす
動かすと言うとスポーツをイメージするかもしれませんが、座る、立ち上がる、といった日常動作もすべて筋肉が伸びたり縮んだりして関節の曲げ伸ばしをしているためできることです。
筋肉がないと思い通りには動かせません。 体の中の臓器も筋肉によって動かされているため、筋肉は生きて行くためには欠かせないものです。
関節を固定する
筋肉の大事にな役割のひとつに、骨と骨をつなぎとめるといったものがあります。
筋肉や靭帯などによって関節は固定され、関節部分に負担をかけると靭帯を切ってしまったり筋肉に悪い影響が出たりします。筋肉を痛めると関節の保持力がなくなるので、痛みがでることがあります。
姿勢を保つ
筋肉を伸ばしたり縮めたりすると関節が固定され、姿勢を保つことができます。立つ、座るなどの姿勢を他モルためには骨をその動作の形にしなくてはなりません。
その場合、筋肉によって骨は支えられます。人間でも犬でも筋肉がなければ姿勢を保つことは難しくなります。
内臓の保護
外側からの衝撃から内蔵や骨、関節を守っています。筋肉があることで骨折のリスクは下がります。また血管なども同時に守っています。筋肉は動かす役割だけではなく、体を衝撃から守る役割もしているのです。
熱を出す
筋肉の収縮によって熱が生まれます。この熱によって体温が維持され、活動できるようになっているのです。筋肉はとくに使っていない場合でもエネルギーを消費して、熱を生み出しています。
筋肉は体の中で1番熱を生むといわれていて、筋肉量が多いとそれだけエネルギーを燃やしていることになり太りにくいとされています。
ポンプ機能
心臓から送り出される血液を全身へと届ける役割もあります。そして送り出した血液を心臓へと戻すこともしています。 つまりポンプのような機能をしているということです。
特に脚は第二の心臓と呼ばれるぐらい大切で、脚の血液は重力に逆らって上に上がってくるため筋肉がとても大切になってきます。血液の他にも、尿、食べ物、酵素など体の中の物質の貯蔵や、運搬でも重要な役割を果たしています。
犬と人間の筋肉の関係
犬と人間の共通点
犬と人間の筋肉の役割や構造はほとんど変わりません。先程あげたような筋肉の役割は人間でも同じことが言えて、生きて行くためには筋肉が必要不可欠になります。
広背筋や上腕二頭筋、三角筋など人間にある筋肉は犬にもあります。 ただ少し動きが異なるので、同じ筋肉を使っているようには見えないこともあるかもしれませんね。
犬と人間の異なる点
一方で犬と人間で発達している筋肉の種類は違います。犬は四本脚で生活している一方で、人間は二本脚なのでそこから違いが生まれてきます。
人間は手を使う機会が多いため、腕を持ち上げる僧帽筋や三角筋が発達しています。そして指先を動かすために前腕屈筋群と呼ばれる部分が発達しています。
犬は前脚で力強く地面を蹴って走るため、胸襟軍や広背筋などの上半身を動かすための筋肉が発達しています。存在している筋肉は一緒でも、発達しているかどうかが異なるということですね。
まとめ
今回は筋肉の役割と人間との比較をご紹介しました。筋肉は生きて行く上でとても大切なものなので、ある程度は鍛えておくと体調も良くなるかもしれません。
冷え性なども筋肉不足からくるとも言われているので、気になる方は鍛えてみてはいかがでしょうか?
また、存在している筋肉自体は一緒でも発達している部分は異なるようで、それぞれの動きや生活に合わせて変化したように思えますね。
それぞれの違いを理解して、無理な動きをさせたりしないようにしましょう。筋肉を痛めてしまうと日常生活にも影響が出てしまうため気をつけてください。犬と一緒に軽い筋トレなどをするのもオススメです。一緒に鍛えて健康に過ごしましょう!