飼い主さんへのデレ具合
一般的に「犬っぽい性格」「猫っぽい性格」と喩えられるときに意味しているのは、まさにこの飼い主さんへのデレ具合の違いではないでしょうか。
簡単に表現すると、犬はいつでも飼い主さんに構ってほしくて甘えてくる「デレデレ」な性格、猫は自分が甘えたいとき以外は放っておいてほしい「ツンデレ」な性格とされます。
犬が「デレデレ」な性格なのは、犬はオオカミが幼形成熟したものだからともいわれています。幼形成熟とは、身体が大人の姿まで成熟しても甘えん坊な子どもの性質を残していることをいいます。犬はいつまで経っても、子犬の一面を残しているように感じるのも納得ですね。
集団生活が好きか孤独を愛するか
犬は集団生活を好みますが、猫は孤独な時間を愛する傾向があります。これは、野生で狩りをして暮らしていたころの狩猟形態の名残によるものといわれています。犬は群捕食者、つまり、何頭かの群れで協力することで、自分よりも大きな獲物を狩って食べていました。
一方、猫は単独捕食者に分類され、群れを作ることなく単独で、ネズミや鳥などの小さな獲物を捕まえて食べていました。そのため、犬は群れで暮らすこと(かつ集団の中に信頼できるリーダーがいること)に安心感を得ますが、猫は必要以上に他者と関わらなくても気ままに生きていけるのです。
こだわりの強さ
食事の種類や内容、寝床の場所など、ものごとに対するこだわりは犬よりも猫のほうが強いといわれています。理由はさだかではありませんが、特に食事のこだわりについては、犬と猫の食性の違いにあるとも考えられます。
犬はもともと肉食動物でしたが、人間と暮らしていくうちに肉以外のものも口にするようになり、雑食動物に進化しました。
一方、猫は現在に至るまで雑食化することなく、肉食動物でありつづけています。頑固ともいえるこの猫の性格が、食事以外のことにもこだわりを持つことにつながっているのかもしれません。
人につくか家につくか
愛犬や愛猫と暮らしていた家から引っ越しをするときには、「愛犬・愛猫が新しいおうちに慣れてくれるかな?」と心配になりますよね。こんなときよく言われるのが、「犬は人につき、猫は家につく」ということわざです。
つまり、犬は飼い主家族そのものに懐くので引っ越しをしても問題ないけれど、猫は人間よりも家という場所になじんでいるため対応しづらいという意味です。犬にも縄張り意識はありますが、猫はより縄張り意識が強いため、このことわざが生まれたのではないかと言われています。
ただ、実際には、飼い主より家を優先して前の家に帰ってしまう猫はいないと思いますから、猫オーナーさんも悲しまないでくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?いろいろとご紹介してきましたが、これらはあくまでも「一般的にいわれる」犬と猫の性格にすぎません。
実際には、和犬と洋犬でも性格に大きな違いがありますし、犬種・猫種の違いはもちろん、個体によっても性格はさまざまです。ツンデレな「猫っぽい犬」もいれば、寂しがり屋で甘えん坊の「犬っぽい猫」もいますよね。
犬と猫の性格を比較しながら、たまには自分の愛犬や愛猫の性格を分析してみるのも面白いものですよ。