犬がトリミングを嫌がる理由 嫌がる場合の対処法を紹介【現役トリマーが解説】

犬がトリミングを嫌がる理由 嫌がる場合の対処法を紹介【現役トリマーが解説】

犬がトリミングを嫌がる理由にも様々な原因が考えられます。今回はその中でも「触られること」を嫌がる理由について解説します。「触られること」を嫌がる場合は『服従訓練』で直すことが出来ます。『服従訓練』は家庭で飼い主がしなければなりません。トリミングは犬と人間の信頼関係の上に成り立っています。

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犬がトリミングを嫌がる理由

トリミングされる犬

トリミングを嫌がる理由1:知らない人に触られることが嫌

トリマーを15年以上してきた経験の中で感じることですが『嫌がる犬には特徴』があります。

それは「トリミングの作業が嫌」というよりは『触られることが嫌な犬』が多いということです。

飼い主以外に触られたことがないので『警戒』して触らせない。もしくは飼い主すら触れない犬がいます。

お店でお断りされる犬は『飼い主も触れない犬』です。飼い主も触れない犬はケージに入ったまま来店します。

経験あるトリマーはそのことを知っているので『出してもらっていいですか?』と聞いてくるでしょう。

しかし経験のないトリマーは「確認せずに」そのまま預かってしまいます。預かったあとに『ケージから犬を取り出せない』ことに気づきます。

そしてトリミング中断の流れになります。こうしたケースが一番多いです。触られることが嫌な犬は『お店に断られる可能性が高い』です。

トリミングを嫌がる理由2:シャンプーやドライヤーが怖い

トリミングの作業で犬が嫌がることもあります。これは触られることではなく『作業に使う道具』を嫌がるケースです。

例えばこんなケース

  • シャンプーの際のシャワーが嫌い
  • ブローの際のドライヤーが嫌い

※日本犬のように『水』自体が嫌いな犬もいます

トリミング作業が嫌な犬は「やり方」次第で解決出来るので『お断りになる可能性は低い』です。

トリミング作業を嫌がる犬にも『嫌がり方』に特徴があります。それは「噛み付く」ではなく「逃げようとする」という嫌がり方です。

つまり、怖がって逃げようとするので『怖くない方法』をすれば犬は大人しくなります。

トリミングを嫌がる理由3:店に入るのが怖い

犬が分離不安(飼い主さんと離れたくない)の場合があります。

飼い主から離れたくないゆえに暴れますがこのパターンは『預かってしまえば解決』します。
飼い主さんの姿が見えなくなると犬は大人しくなります。

このパターンは『お預かり』と『引き渡し』のときだけ豹変するので「渡し方を工夫」すれば解決します。

トリミングを嫌がる理由4:知らない人間が怖い

トリマー(人自体)との相性が最初から悪いこともあります。

  • 声が高すぎる女性トリマー
  • 体が大きすぎる男性トリマー

色んなトリマーを見てきましたが、こうしたトリマーは犬に嫌われてしまうことがあります。

これはどちらが悪いとかではなく相性の問題です。トリマーを変えてもらうなどすれば解決できるでしょう。

犬がトリミングを嫌がるようになる原因

吠える犬

家庭で「間違った学習」をして「わがまま」になる

触られることが嫌な犬は『単なるわがまま』です。家庭でのしつけが出来ていないだけなので直す事が出来ます。

例えばこんなことありませんか?

  • 触っただけで『キャンキャン』吠える
  • 『キャン』という声に驚いて飼い主が触るのをやめる

犬はここで間違った学習をします。『キャン(痛い)といえば人は触ってこない』と学習しているのです。

この間違った学習の怖さは、エスカレートすることにあります。最初はキャンと鳴くだけですが、唸るようになり、噛むようになります。

さらに、しつけは『家庭で行われる』ためトリマー側では対策できません。ですから飼い主が家庭で『正しい訓練』をする必要があります。

犬がトリミングを嫌がる場合の対処法(服従訓練)

「服従訓練」していますか?犬をわがままにさせないためには服従訓練は最も効果的です。

子犬のときから行うことが理想ですが成犬からでも問題ありません。家庭で服従訓練をすればトリミングの際も『触られて嫌がる』ことはなくなります。

簡単な服従訓練のやり方

<訓練前の準備>

クッションか厚手のバスタオルを『必ず準備』して下さい。(※フローリングでやらないで下さい。犬が腰を痛めます)

お腹

<ステップ1:お腹を撫でる>

まず最初は『仰向けにしてお腹を撫でる』訓練です。

  • 自分ですぐ起き上がろうとする
  • 仰向けにならない
  • 噛み付いてくる

嫌がっても毎日継続して下さい。
諦めなければ必ず服従するようになります。

<ステップ2:足をマッサージする>

足先を優しく触ってマッサージするお腹を撫でさせるようになったら今度は『足先』です。優しく軽くマッサージして下さい。前足と後ろ足を交互にマッサージします。

前足

後ろ足

長時間行う必要はありません。数分でOKです。

<ステップ3:リラックスしているか確認する>

服従している犬は『マッサージ中の姿勢のまま寝ます』。寝るということは『リラックスしている』ということです。

このように、『信頼関係』が出来ていれば犬は大人しくなります。家庭で服従訓練をしている犬はトリミングを嫌がる犬にはなりません。

まとめ

犬と人間の間に「信頼関係」があれば犬は大人しくなります。

たまにトリマーは『プロだからどんな犬も大人しく出来る』と思っている方がいますが、それは間違いです。

事前にトリマーが時間をかけて信頼関係を築いているので大人しくしているだけです。(実際は子犬のときからサロンに通っている場合などが多いです)

「あの店じゃないとウチの子はダメなの」という犬は多いです。トリミングは信頼関係の上に成り立っているのです。

トリミングが終わった後に「褒めてあげたり」「遊んであげたり」「抱っこしてあげたり」スキンシップの時間を大切にしているトリマーに犬は懐きます。そうした小さな積み重ねが犬を安心させています。

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