犬のトリミングで使うハサミとは?トリマー向けの種類と選び方

犬のトリミングで使うハサミとは?トリマー向けの種類と選び方

「良い道具」があれば「良い仕事」が出来ます。トリミングにシザーは不可欠です。では、現場で働くトリマーはどんなシザーを使っているのでしょうか?シザーを選ぶ時のチェックポイントは?この記事ではそんな点を現役トリマーが解説します。

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トリミング用のハサミの種類と用途

シザーの写真

まず覚えておきたいことは、『プロ使用の道具』は呼び方が変わることです。

例えば、

  • ハサミ→シザー
  • バリカン→クリッパー
  • 櫛→コーム

トリマーに『ハサミ取って』というと、文房具用のハサミを渡されます。シザー専門業者にも伝わらない事があるので、トリミング用語として覚えておきましょう。

仕上げバサミ

トリミングの仕上げに使うシザーなので、最も使用頻度が多いです。

極論、仕上げバサミが1本あれば全犬種のカットが可能です。バリカンを入れた部分を整えたり、アウトラインを出したり、毛先をチッピングする時に使います。

すきバサミ(セニング)

ラインを出さないように仕上げることが出来ます。見た目をふんわり作りたい『顔のカット』などに重宝するシザーです。

バリカンのつなぎ目をブレンディング(ぼかす)する時に使います。

ボブバサミ

シザーの先端が仕上げバサミよりも丸くなっています。仕上げバサミと比べると全体の長さも短いです。犬のヒゲカットの際に使うことが多いシザーです。

硬い毛を切ると刃が欠ける可能性があるので、基本的にボブバサミを使います。切れ味を求めていないハサミなので安価なもので十分です。

私は専門学校時代のボブバサミを今でも使っています。

カーブバサミ

カーブバサミを使っているトリマーはあまりいないかも知れませんが、個人的に好きなシザーです。

主役になるシザーではありませんが、名脇役として活躍します。「足まわり、お尻周り、腹止め、ネックライン」など、部分的に使うと効率よくカット出来ます。

トリミング用のハサミでおすすめのブランド

シザーで毛を整えられてる犬

人気なのは「胡蝶」というブランド。トリマーが一度は憧れを持つブランドです。

他にも、「白鳥」「DOGWELL」「東京理容」のシザーを使っているトリマーをよく見かけます。

ちなみの私はDOGWELLを愛用しています。愛用しているシザーはこの記事の後半で紹介します。

ブランドでは無く『持ちやすさ』で選びましょう

ハッキリいえることはブランドで選ぶと「失敗」するということです。

ハイブランドのシザーは値段が7−10万円します。どのシザーも切れ味は抜群です。ですから切れ味よりも『持ちやすさ』で選びましょう。(※1−2万円シザーはプロ用としては安価で切れ味が微妙なものがあります。)

人によって手の大きさや指の長さが違います。男性、女性によっても持ちやすさは変わります。

手が疲れないように軽いシザーを好んで使う人もいれば、重いシザーの方が安定して使いやすく感じる人もいます。

実際にシザーを持たなければ分からないこともあるので、ブランド重視で選ばないようにしましょう。

ブランドによっては左利き用が無い

右利き用のシザーは数多くありますが左利き用になると数が減ります。普段は左利きなのに「犬をカットする時だけ右利きになるトリマー」も存在します。

シザーの持ち方は1から覚えることになるので、右利きで覚えようとする人がほとんどです。

トリミング用のハサミの購入方法

トリミング中の写真

シザーは『持ちやすさ』で選びます。つまり直接購入がベストです。

ペットショップやドッグサロンで働いていれば、定期的にハサミ屋さんが来るので直接購入する機会があります。

店舗に直接営業に来てくれるハサミ屋さんは、最安値で売ってくれるのでオススメです。

ペット業界で働いてない人はイベントにいって購入できる

『ドッグショー』のイベント会場でも直接購入出来ます。一般の方でもチケットを買えば入場できます。

イベント会場では犬用の商品がすべて最安値で売っています。交渉次第でさらに値引きしてくれることもあるので穴場です。

私も最初にシザーを買ったのはドッグショーのイベント会場でした。

トリミング用のハサミを選ぶ時のポイント

「留め具」とはシザーの開閉を調節する部分のことです。「留め具」が緩むと切れ味が悪くなったり使いづらくなるので必ず確認しましょう。

ダイヤル式の留め具

『ダイヤル式の留め具』は緩みやすいです。プードル1頭を仕上げる間に何回か締め直しが必要なくらい緩みます。

調節出来ないタイプの留め具

『調節出来ないタイプの留め具』は緩まないけど使いづらい。開閉の調節が出来ないデメリットがあります。

調節出来るタイプの留め具

『調節できるタイプの留め具』は、自分好みに調節できて緩みにくい留め具です。これが最適な留め具です。

私が愛用しているトリミング用のハサミを紹介

カーブバサミ

カーブバサミ

トリマーの中でも好き嫌いがハッキリしているシザーです。私は好んで使っています。
好き嫌いの理由は『用途が少ない』ことにあります。

刃先が曲がっているのでボディを作る時に使えません。

カーブバサミには「真っ直ぐカット出来ないデメリット」があるので、「使えない」と考えるトリマーがいます。

逆に私は「カーブを描きたい部分を1発でカット出来る」のでカーブバサミを好んで使っています。例えば足回りは『お椀型』にカットするのでカーブバサミを使うと可愛く作れます。

足回りカット

カーブバサミを使わなくても丸みは出せる

仕上げバサミがあれば丸みは作れます。カーブバサミが無いと作れないカットスタイルはありません。

私は愛用していますが、クセのある種類のシザーなのでオススメはしません。

もしカーブを使っているトリマーが近くにいたら借りて使ってみて下さい。気に入った人はすぐ欲しくなるシザーです。

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