犬用湯たんぽの選び方は?正しい使い方と注意点を解説

犬用湯たんぽの選び方は?正しい使い方と注意点を解説

愛犬の寒さ対策、皆さんは、どうされていますか?暖房器具には、エアコン、ストーブなどさまざまなものがありますが、今回は、日本で古くから使われている「湯たんぽに」に注目してみました。

犬用湯たんぽの選び方

赤い湯たんぽ

犬は、肉球や鼻先にある汗腺からかくわずかの汗で、体温を調節しています。そのため、汗による熱の発散量が少なく人間に比べて体温が高いので、犬は寒さに強いといわれています。

とはいえ、寒さに対する適応能力には、個体差があります。まだ幼く体温調節が充分にできない子犬、老犬、体調を崩している犬は、寒さに弱いですし、愛玩犬として生まれた小型犬も、寒さに弱い傾向があるといわれています。

さらに、熱が放出されやすい短毛の犬種や、シングルコートの犬種も寒さには弱いようです。では、犬の寒さを防ぐには、どのような方法が効果的なのでしょうか。

犬は、お腹の部分に毛が無いことや、お腹が床に近いことから、腹部の冷えが体調を崩す原因になると考えられ、犬の冷えを防止するには、お腹を温めることが、1つのポイントになります。

冬になるとエアコンやヒーターを利用しますが、暖まった室内の空気は上昇してしまうため、犬に近い床付近は、暖まりにくくなっています。

そのようなとき、犬の体を腹部から自然に温めることができる湯たんぽは、犬に最適な暖房器具だといえます。

お湯タイプと電子レンジタイプがある

湯たんぽには、お湯を入れて使うタイプのものと、電子レンジで温めて使うタイプのものがあります。

お湯を入れて使うタイプのものは、プラスチックや金属、ゴムなどの素材で作られており、冬場にはお湯を入れて湯たんぽとして、また、夏場には氷水を入れて保冷剤として使うことができます。

冬の寒い時期だけでなく、夏の暑い時期にも活用できるので、寒さだけでなく、暑さに弱い犬にも、おすすめのグッズです。

電子レンジで温めるタイプには、本体が固くしっかりしているタイプのものと、柔らかくぐにゃぐにゃと変形するタイプのものがあります。

このタイプは、電子レンジで約5分温めるだけで繰り返し使うことができるので、いちいちお湯を沸かす手間が省けてとても手軽で便利です。

壊れにくく安全な湯たんぽを選ぶ

ペットショップやネットでは、さまざまな種類のペット用湯たんぽが用意されていますが、犬用の湯たんぽを選ぶ際に一番大切なことは、「安全」であるかどうかという点です。

湯たんぽの中には、熱いお湯や温まったジェルが入っているので、破損して中身がこぼれ出てしまうと、犬が火傷をしたり、壊れた湯たんぽの破片などでケガをするかもしれません。さらに、中身や壊れた破片を食べてしまうという心配もあります。

このような事態を避けるために、犬用の湯たんぽを選ぶ場合は「安全性品質に関する認定基準(SGマーク)」に合格した湯たんぽであるかどうかをしっかりと確認しておくことが大切です。

保温時間の長さで選ぶ

犬用の湯たんぽを選ぶときには、どのような場面で使うのかを考えることも必要です。というのも、使う場面によって、必要な保温時間が変わってくるからです。

湯たんぽは電気器具とは違い、温かさが延々と続くわけではありません。お湯を使うタイプ、電子レンジで温めるタイプ、どちらの場合も、時間とともに温かさは減少してしまいます。

よって、外出する時、お留守番をする時、就寝する時など、使いたい場面や必要な保温時間を考えて湯たんぽを選ぶ必要があります。

たとえば、プラスチック製でお湯を使うタイプの湯たんぽでは、80℃のお湯で約4時間、44℃以上の温度をキープできるというデータがありますし、電子レンジで温めるタイプでは、気温18℃前後であれば、約5~6時間温かさが継続します。

湯たんぽの大きさや、気温などの条件にもよりますが、一般的には、電子レンジで温めるタイプの方が、温かさは長持ちするようです。

これらのことを考慮して、保温時間を確認し、使いたい場面に合わせた湯たんぽを選ぶようにしましょう。

犬用湯たんぽを使う際の注意点

湯たんぽを抱える犬

犬が湯たんぽを使用するときに、飼い主さんが常に側に居て見ているわけではありません。むしろ、飼い主さんの目の届かない場面で、使用することの方が多いのではないでしょうか。

犬は、ときに思いがけない行動をとることがあります。犬に湯たんぽを使用させるときには、あらかじめ危険な場面を想定して、事故が起こらないように備えておくことが大切です。

噛み癖のある犬は要注意

犬が湯たんぽを使用するときに、まず注意しなければならないことは、犬がかじって湯たんぽを壊さないかという点です。とくに、噛み癖のある犬の場合は、要注意です。

犬用に作られた電子レンジで温めるタイプの湯たんぽは、ジェル剤に、食品や医薬品の添加物にも使用されるものが使われているので、湯たんぽに使用されている量では毒性は低いとされています。

しかし、犬が、ジェルをたくさん食べてしまった場合には、危険をともなう可能性が充分にありますので注意が必要です。

電子レンジで温めるタイプの湯たんぽは、お湯を沸かす手間がかからず便利で使いやすいですが、噛み癖のある犬にはおすすめできません。

多少面倒でも、固くて丈夫な素材でできたお湯を入れるタイプの湯たんぽを使用する方が、安全で安心できます。

適温を守ってやけどに注意して使用する

湯たんぽの理想的な温度は、カバーを付けた状態で、触っても熱くない程度といわれています。一般的に、人間が湯たんぽを使用する場合、80~100℃のお湯を使います。

犬に使用するときにも同じくらいの温度のものを利用しがちですが、使い始めは、犬にとっては熱すぎる温度であると考えられますので、少し冷ましてから使用する、カバーの上にタオルを巻く、などの工夫をし、犬が火傷をしないように気を配りましょう。

老犬や体調の悪い犬は、自分で体を動かすのが難しい場合があり、湯たんぽに長時間触れていることで、低温火傷につながる可能性があります。

このような場合には、温度の低い湯たんぽを使用したり、頻繁に犬の体の様子を確認する、湯たんぽが当たる箇所を変える、などの配慮が必要です。また、置く場所に合わせて、湯たんぽの大きさを決めることも大切です。

たとえば、犬の寝床を湯たんぽが占領してしまうような置き方では、犬が暑くなったときに、湯たんぽから体を離すことができません。スペースに合った湯たんぽを使用するように注意しましょう。

使用前後に湯たんぽのチェックをする

湯たんぽを使用する前、使用後には、必ずチェックしておくことをおすすめします。

気付かないうちに湯たんぽが劣化していることや、破損していることも考えられます。犬のケガや誤飲を防ぐために、こまめなチェックを欠かさないようにしましょう。

人間用の湯たんぽは使える?

湯たんぽとやかん

人間用の湯たんぽには、さまざまなものがあります。中には、小さなサイズで、犬が使うのにぴったりと思われるものもあります。しかし、犬に人間用の湯たんぽを使用する場合には、注意が必要です。

人間用の湯たんぽは、犬が使用することを考えて作られていないので、使い方によっては、思わぬ事故につながる危険性があります。とりわけ、温度に関しては注意が必要で、人間用の湯たんぽには、ほとんどの場合、犬にとって熱すぎる温度が設定されています。

これらのことを考えると、犬には犬用の湯たんぽを使用するのが、安全で安心だといえるでしょう。

どうしても使いたいという場合には、低めの温度設定をする、犬が湯たんぽを壊してしまわないように注意する、などの点に気を配る必要があります。

手作りのペットボトル湯たんぽは危険!

ストップ!女性と犬

ネットでは、ペットボトルを使った湯たんぽの作り方を紹介しているサイトをよく見かけます。それらを参考にして、湯たんぽを手作りすることができれば、リーズナブルですし、ペットボトルを再利用することで、エコにもつながります。

しかし、犬用には、ペットボトルの湯たんぽは、あまりおすすめできません。そもそも、ペットボトルは、高温の液体を入れることが想定されていないものがほとんどで、お湯を入れると変形したり、お湯が噴き出す可能性があります。

ホットドリンク用のペットボトルもありますが、耐熱温度は約80℃です。安全性を考えてこれ以下の温度で湯たんぽを作ることになりますが、保温時間が短くすぐに冷めてしまいます。

さらに、ペットボトルの形状は、犬にとって噛みやすい形になっているうえに、犬の歯で噛めば、すぐに破損してしまいます。

人間が使う場合は手軽で便利だといえますが、ペットボトルを使った手作り湯たんぽを犬に使用させるのは、不適切であるといえます。

まとめ

湯たんぽに頭を乗せる犬

犬は、毛が生えていないお腹から冷えますので、犬の冷え対策に湯たんぽは最適なグッズです。

湯たんぽは、電気を使わず温めることができるので安全ですし、何度でも繰り返し使うことができるので、エコにもつながります。さらに、持ち運ぶことができるので、寒い日の外出にも使えて、たいへん便利です。

犬に湯たんぽを使用する場合は、犬に合った大きさで丈夫な造りのものを選び、事故やケガが無いように、注意することが大切です。

湯たんぽは、犬にも環境にも優しい暖房器具です。愛犬の寒さ対策に、上手に湯たんぽを利用して、寒い季節を乗り切りましょう。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 colo

    冬の寒さに弱い犬は多いですね。老犬になると体温調整が上手くできなくなってくるので、冬の寒さは堪えます。湯たんぽは電気や火を使わないので一番安全に使うことができますね。今はサイズが小さいものもあるので、犬用にひとつ用意しておいてもいいと思います。犬はお腹側を温めた方が効果的に暖かくすることができます。下に敷くものを暖かい素材のものにしてあげるといいと思います。

    他にもホッカイロが使えます。直接触ると低温火傷の心配があるので、バスタオルなどに貼り、包んで犬の座る下に置きます。8時間~10時間近くはじんわり温かいので、夜に貼っておけば朝まで温かく過ごせます。

    犬用にこたつもありますが、そのまま寝入ってしまうと水分が蒸発して乾燥してしまい、冬なのに熱中症になってしまう危険もあります。少し温めたらスイッチを切るようにしましょう。
  • 投稿者

    女性 ポムポム

    湯たんぽですか、いい寒さ対策ですね!うちのわんこは何かと破壊をおこなっていきます。夏に少しでも涼んでももらえればとアルミの冷たいプレートをわんこのお部屋にいれてあげたのですが、何に敵意を感じたのかずっとかりかりとプレートをほりまくって本来の気持ちいい冷たさを感じてはもらえませんでした。冬の暖房系も同じ結果になるのではと懸念して、飼い主の着なくなったお洋服や毛布で寒さをしのいでもらっていました。ですが、こちらの記事を読んでいるうちに希望がみえてきました。湯たんぽでしたら材質を選べばかじってこわすこともできませんし、厚めの生地でほどけない覆い方をしたら破壊の心配や危険も少なくなります。湯たんぽはじんわりと暖かい空気を作ってくれるので、ヒーターの前が大好きな愛犬も気に入るかもしれません。季節がきたらぜひ試したいと思います。
  • 投稿者

    女性 Sakura

    うちで一緒に暮らしている愛犬はシーズーで、今年9歳になります。老犬と呼ばれる年齢になってきたのでだんだんと体も弱ってきて、昔に比べると家でゴロゴロしていることが多くなりました。そんな愛犬ですが、特に冬の寒さは辛そうにしています。飼い主である私も寒さは心底苦手なのですが、我が家の愛犬は冬の寒さをしのごうとして、常に家族の誰かにピッタリとくっついています。これが暖かくて人間の私たちもとても幸せな気分になります。しかし、常に私たちがピッタリとくっついてあげられないので、犬友達から薦められた湯たんぽを使うようになりました。犬のベッドにカバーをした湯たんぽを乗せて置いてあげると、この湯たんぽに寄り添って寝ています。愛犬は湯たんぽが大好きです。人間が使う時にも注意しなくてはいけませんが、低温やけどをしないように注意です!
  • 投稿者

    女性 コロ

    小さいサイズの湯たんぽはお散歩で出かけた時も使えます。カートの中に毛布と一緒に入れて置いて暖かくします。中のお湯が冷めてきたらただのお水なので、側溝などに流すこともできるので冬のお散歩では便利なアイテムになっています。
    わんこが眠る時は低温火傷が怖いので、厚手のタオルとかブランケットで巻いて枕のようにしてもらっています。たまにそれを抱えて寝ていることがあるのでやっぱり暖かいんでしょうね。
  • 投稿者

    女性 まる

    犬用の湯たんぽなんてあるんですね!丁度、最近とても気温が寒く愛犬がかわいそうだと思っていたので愛犬用の布団を寝床にしいてあげているだけなのですが、これならきちんとあたためてあげれそうなので試してみようと思いました!低温やけどには気を付けないとですか犬用だと人間のものよりは温度もひくめになるのかな…?やっぱり犬も毛があっても寒いですよね。我が家の愛犬は老犬なので寒さ対策をしっかりしてあげないとと思います!
  • 投稿者

    女性 ゴン吉

    以前人間用の大きめな湯たんぽを愛犬のクッションハウスに入れて置いたら、翌朝湯たんぽが丸ごと外に出されていました。大きすぎたので寝づらかったみたいです。
    犬のサイズに合わせた大きさを選んであげるといいですよ。
  • 投稿者

    女性 もふころ

    レンジでチンするタイプの湯たんぽだと温めるのも楽ですし、冷えてきたかな?と思ったら、またそのままレンジでチンするだけなので、手間がかからない分ちゃんと活躍しそうです。ソフトタイプなので高齢犬にはいいですね!

    お湯を使う湯たんぽは飼い主がやけどしてしまうこともありますし、お湯が漏れたらと思うと怖いので、長く活用させるなら安全で少しでも管理が楽なものを選びたいですね。
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