犬のおしっこに水をかけるのは効果的?正しい散歩マナーとトイレ対策

犬のおしっこに水をかけるのは効果的?正しい散歩マナーとトイレ対策

散歩中の犬がおしっこをしてしまった時、どのように対処すればトラブルにならないでしょうか。犬のおしっこに水をかける対処法には効果があるのか、正しい散歩マナーとトイレ対策についてまとめました。

犬のおしっこには水をかけるべき?

おしっこする犬

各自治体では、散歩中の犬のおしっこ対策について、飼い主への不満や迷惑を訴える声も多く届いているようです。

犬が散歩中におしっこをしてしまった時、どのように対処すればトラブルにならず、気持ちよく過ごせるでしょうか。

犬のおしっこに水をかけて消臭するという散歩マナーについて、飼い主がどのように実践しているのか、おしっこに水をかける賛成派と水はかけないという否定派、両方の意見を聞きました。

賛成派の意見

  • 水をかけないよりもかけたほうが、においが軽減されると思う
  • 犬の飼い主として、必要最低限のマナーだから
  • おしっこをそのままにするとくさいし、迷惑になるから
  • 犬が好きな人ばかりではないので、公共の場では気遣いが大切だと思う
  • におい対策と劣化防止のため。以前、犬のおしっこが原因で鉄柱や塀が劣化すると聞き、それから水をかけておしっこを薄めるように気をつけている
  • 水をかけるだけで効果があるかはわからないが、においとシミ対策のつもりで水をかけている
  • 消臭用のマナー水をかけると効果があると聞いた
  • 道路の上では、できるだけおしっこシートで吸い取ってから水をかけるといいと習った

普段からおしっこに水をかけている飼い主は、水で薄めることによる消臭効果だけでなく、他の人への配慮のために行動しているようです。

アスファルトやコンクリート上でおしっこに水をかけた時の消臭効果や、シミが消えるかという詳しいデータはありませんが、感覚的ににおわないと感じるから実践していると思われます。

犬が外でおしっこをしてしまったことに罪悪感もあり、自治体で推奨されている散歩マナーを実践することで、トラブルを回避したいと感じているようです。

否定派の意見

  • おしっこを水で広げてるだけで、水をかける方がかえって迷惑だと思う
  • 水をかけてもにおいは消えないし、水をかけたシミが残って濡れているのが不快
  • 他人の家の前や近いところでは水をかけるけど、歩道や道路、電柱ではやっていない
  • おしっこに水をかけていった同じ場所に、他の犬がまたおしっこをかけていて、意味がない
  • 水をチョロっとかけてるだけの飼い主は「私はちゃんとマナーを守ってます」というただの自己満足だと思う
  • においを消したければ、たくさん水をかけてブラシで擦るか、消臭剤を使わないと難しい
  • そもそも家でトイレができるようにしつけるべき。飼い主の責任の問題

普段から犬のおしっこに水をかけない飼い主は、消臭やシミ予防の効果が本当にあるのかという疑問と、根本的な解決にはならないという理由で水をかける必要性を感じていないようです。

しかし、家の玄関前や敷地内では水をかけるなど、人に迷惑がかかる場合のみ対策するという合理的な考えもみられました。

マナー以前にしつけの問題という意見もあり、人と犬がより住みやすい社会になるにはどうすべきかを考えさせられます。

賛成派、反対派、どちらの飼い主にも共通して「水をかける効果はよくわからない」と思っている飼い主が多いこともわかりました。

犬のおしっこに水をかける効果を調査

水をかける女性

飼い主による犬の散歩中のマナーとして、各自治体でもおしっこに水をかけて消臭することが推奨されています。

しかし、実際には、犬の飼い主の多くが「消臭効果があるかどうかわからない」と感じたまま、人への配慮として散歩マナーを実践してるようです。犬のおしっこに水をかけることが正しい散歩マナーであるかどうか、調べました。

十分な水量で流せばにおいの軽減はできる

道路や敷地内で犬がおしっこをしてしまった時、十分な水量で流せば、人間の感じるレベルではにおいを軽減できると考えられています。

十分な水量の基準は定められていませんが、空のペットボトルに取り付けられるキャップ型のハンディーシャワーなどを利用し、おしっこを洗い流すように上から水をかけることで、においを軽減することができます。

しかし、においを完全になくすことはできないため、あくまで最低限の対処法と言えます。水よりも消臭効果を高めるために『マナー水』が推奨されています。

『マナー水』とは、おしっこのにおいを軽減させるために、水道水にあらかじめクエン酸やミョウバン、重曹を加えた液体です。

鉄柱の腐食や道路のシミは防ぎにくい

犬のおしっこが繰り返し同じ場所にかけられたことが原因で、鉄製の信号機が根元から折れるという事故がありました。

おしっこに含まれる尿素や塩分が鉄の腐食を促す要因と解明されています。水も鉄の腐食を早める要因となるため、鉄柱に残されたおしっこに水をかけて流すことは、実は好ましくないと言えます。

犬は、他の犬がおしっこをした場所に重ねておしっこをします。水をかけたとしても、においが残ってしまうため、犬が繰り返しおしっこをしてしまい、シミになってしまいます。

においだけでなく、おしっこによる鉄柱の腐食や道路のシミを防ぐことは難しいです。

犬の散歩時のおしっこ対策

トイレシートと犬

散歩中の犬のおしっこ対策に水をかけることは、飼い主のマナーとして広く認識されています。

しかし、実践するかどうかは飼い主の自主性に任されており、どのように行動すべきか迷ってしまう飼い主も多いことも事実です。

散歩中の犬におしっこをさせないようコントロールすることは、盲導犬や警察犬のように訓練を徹底した犬でない限り難しいとされています。飼い主が実践できるおしっこ対策にはどのようなことがあるのでしょうか?

「散歩=トイレの時間」にしない

散歩はあくまで犬の気分転換やストレス発散、運動不足の解消のための時間です。トイレは自宅で済ませてから散歩に行くようすると安心です。

「散歩=トイレの時間」という習慣になっていると、天気が悪くても1日2回程度散歩にいく必要があり、飼い主も犬に合わせた生活をしなければならないので大変です。急用などで散歩にいけない時も困ります。

また、犬にとっても、散歩の時しか排泄できないことは健康的とはいえません。散歩に行けずに長時間トイレを我慢させてしまうと、膀胱炎や尿路結石のリスクも高まってしまいます。

室内でトイレをするようにしつけ直すことで、飼い主も犬も散歩をトイレの時間から楽しい時間に変えることができます。

室内でトイレをすることを習慣づける

犬のトイレトレーニングは何歳からでも挑戦できます。

「散歩=トイレの時間」という習慣だった犬は、においや足裏の刺激をきっかけに排泄している可能性があります。

犬が散歩中におしっこをしそうな素ぶりを見られたら急いでおしっこシートを敷き、シートの上におしっこができるよう繰り返し慣れさせていきます。シートに慣れてきたら、室内でのトレーニングに切り替えましょう。

室内でトイレができるようになると、飼い主も楽な上に、散歩に行けない時にも犬がトイレを我慢しなくてすみます。

飼い主は、シートの上のおしっこやうんちの状態を確認することができるため、普段から犬の健康状態を把握できます。また、将来老犬になった時にトイレの介護が楽になります。

排尿しそうになったら抱っこやリードで制止する

犬はおしっこをする前に、ソワソワしたり、クルクル回ったり、においを嗅いで探すような仕草をします。

散歩中に、このようなトイレサインが見られたら、抱っこしたり、リードを引いておしっこしそうな場所から離れましょう。

また、においをゆっくり嗅がせてしまうと、犬がおしっこをしたくなってしまうため、散歩中はリードを短く持ち、においを嗅ぎそうになっても立ち止まらずに歩くスピードを早めるのもおすすめです。

トイレサインを見逃さず、排尿から気をそらすことができれば、屋外でのおしっこの回数を減らすことができます。

排尿してしまったら掃除を徹底する

散歩中の排尿を完全になくすことは難しいです。万が一、排尿してしまった場合は、できるだけ早く掃除することが大切です。おしっこに水をかけるだけでは、おしっこの全量が広範囲に広がるだけになってしまいます。

排尿してしまったら、すぐにおしっこシートに染み込ませて取り除き、その後水で洗い流しましょう。消臭スプレーをかければ、なお良いです。

散歩中の飼い主のマナーとして、次の3つを実践しましょう。

  • 水やマナー水を持ち歩く
  • おしっこはできるだけ早くおしっこシートで吸い取る
  • 水やマナー水を適量かける

散歩中はマナーベルトやオムツを活用する

室内でのトイレトレーニング中や、マーキングの回数をコントロールしにくい犬では、散歩中の排尿を避けるため、マナーベルトやオムツを着用することでおしっこトラブルやマーキングの回避につながります。

マナーベルトはオスの少量のおしっことマーキング防止対策に、オムツはメスの大量のおしっこ対策とサニタリー用に向いています。オムツの方が吸水性が高くずれにくいです。

散歩中に活用しやすいですが、汚れたマナーベルトやオムツをつけたままにしておくと、皮膚炎や膀胱炎のリスクが増してしまいます。つけっぱなしにしないようにしましょう。

犬のおしっこに効くマナー水の作り方

クエン酸とスプレーボトル

犬のおしっこに消臭効果があるマナー水は、簡単に手作りができます。ペットボトルに作って散歩に持っていく以外にも、スプレーボトルに詰めて消臭スプレーとして使うこともできて便利です。

ドラッグストアで手に入れやすい材料を使ったマナー水を3つ紹介します。材料を準備するときは、犬が舐めても安全なように食品用を選んでください。

クエン酸水

材料の目安

  • 水道水 1リットル
  • クエン酸 大さじ2
  • 空のペットボトル

空のペットボトルにクエン酸を入れ、水道水を入れてよく溶かします。クエン酸水は酸性なので、おしっこの成分のアンモニアを中和し、おしっこのにおいを消臭することができます。

ミョウバン水

材料の目安

  • 水道水 1リットル
  • 焼きミョウバン 大さじ3
  • 空のペットボトル

空のペットボトルにミョウバンをいれ水道水を入れます。真っ白になりますが、次第に溶けて透明になります。ミョウバン水は弱酸性なので、おしっこの成分のアンモニアを中和することができます。

重曹水

材料の目安

  • ぬるま湯 1リットル
  • 重曹 大さじ2
  • 空のペットボトル

重曹は水に溶けにくいので、ぬるま湯でよく溶かします。消臭スプレーを作るときは、スプレーボトルが詰まることがあるので十分に溶かしてください。

重曹水は弱アルカリ性で、おしっこ以外の消臭、うんち臭。犬臭の消臭に効果的です。

まとめ

おしっこを流す女性と犬

これからの犬の散歩に、水やマナー水と一緒におしっこシートも持参しましょう。

おしっこの消臭用に水を準備することは、散歩マナーとして認知されてきました。さらに効果的な散歩マナーにするために、まずはおしっこをシートに染み込ませる一手間が効果的です。

また「散歩=トイレの時間」という認識を変えましょう。

犬が室内のトイレを覚えれば、人も犬も「散歩=楽しむ時間」に変えることができます。室内でのトイレトレーニングは成犬になってからでも始められます。ぜひ挑戦してみましょう。

正しい散歩マナーとトイレ対策で、人も犬も住みやすい社会に変わっていくとうれしいですね。

はてな
Pocket
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい