愛犬の生食メニュー、始める前の基礎知識

2529view

愛犬の生食メニュー、始める前の基礎知識

生の肉を中心にした生食メニューは「生食は健康に良いって本当?」のような疑問や「興味はあるけれど難しそう」などのイメージがあるかと思います。生食を始める前の基礎をご紹介します。

監修:獣医師 平松育子

(ふくふく動物病院)

かなり普及してきた犬の生食メニュー、基礎を知っておこう

#生肉とフードのボウルとトイプードル#

市販のドッグフードではなく、犬の食事を家庭で用意する手作り派はすっかり定着した感があります。その中のひとつで、生のお肉を中心に野菜や果物をプラスして与える犬のための生食メニューもよく知られてきました。

生食は犬の祖先であるオオカミの食べ物に近いので犬の体に合っているとか、加工の際に栄養素が破壊されるフードと違って健康的など、とかく良いイメージで語られることが多い印象です。

一方で「やっぱり生の肉を与えるのは抵抗がある」「自分で栄養のことを考えるのは難しそう」などのイメージがあってハードルが高いという方も多いでしょう。

どんなに研究されたプレミアムフードでも、飼い主が考え抜いて調理する手作り食でも、すべての犬にとって完璧という食事はありません。この犬には最高だけど、あの犬には合わないということはごく普通にあります。生食メニューも同じです。

基礎知識として、生食のメリットとデメリットをご紹介しますので、参考になさってください。

そもそも犬の生食ってどんなもの?

#野菜と果物とBARFのボウル#

通常、犬に与える生食と言えば、全く火を通していない生の肉と野菜や果物だけで構成されます。犬の生食と言えばBARFダイエットが最もよく知られていますが、これはBorn And Raw Food (骨と生の食品)の頭文字を取ったものです。

一般的には穀物は与えないという方法が多いのですが、犬の体質や状態に合わせて穀物をプラスする場合もあります。

肉(内臓肉を含む)と骨の割合が75〜90%、野菜や果物の割合が25〜10%という配合が推奨されます。レバーや心臓など内臓肉は犬にとって理想的なビタミンやミネラルの摂取源になります。調理していない野菜や果物は犬には消化しづらいので、すりおろしたり、場合によっては軽く加熱することもあります。

骨は加熱すると硬くなって歯や消化器にダメージを与えることもあるので、必ず生で、与える部位についても注意が必要です。

BARFダイエットは、野菜や果物と肉や骨がすべて配合されたものが1食分ずつ冷凍パックになっているものも市販されています。最初から自分で材料を調達して配合するというのは難しいという場合や忙しい時に便利ですね。

考えられる生食のメリット

#舌を出しているジャックラッセル#

生食を推奨する獣医師や、生食に切り替えて良かったという経験を持つ飼い主さんたちは次のようなメリットを挙げることが多いようです。

  • アレルギーの症状が緩和した
  • 歯が汚れにくくなった
  • 抜け毛が減り、毛艶が良くなった
  • ウンチの量や回数が減った
  • 関節などの炎症が改善した

究極の加工食品とも言えるドライフードに比べると、すべての食材がほとんどそのままの栄養を保っている生食は、犬の体に合えば色々な面で体調が良くなることが多いようです。

食事の大部分を占める動物性の食品は、消化しにくい食物繊維が少ないためウンチの量も減って片付けが楽になったという声がよく聞かれます。

考えられるデメリットと注意点

#寝そべるフレンチマスティフ#

  • サルモネラ菌、リステリア菌などの食中毒のリスクが高くなる
  • 栄養のバランスが崩れる可能性が高くなる
  • 生肉や骨が体に合わず、消化不良や便秘になる
  • ドッグフードに比べてコストが高い

生の肉をそのまま与えるので食中毒のリスクは言うまでもないですね。一般的に犬や猫の胃酸は人間よりもずっと酸度が高いので食中毒になりにくいと言われますが、犬の体調によっては食中毒も起こり得ます。生肉の衛生面での取り扱いには細心の注意が必要です。

また、長年ドッグフードだけを食べてきた犬は、消化酵素の分泌などが生食に対応できない場合もあります。そんな時は消化器官の不調から下痢や便秘が起こりやすくなります。また消化できなかった骨を嘔吐する例もあります。

生食を始める時には犬の栄養学に詳しい獣医師や栄養士、カウンセラーなどとよく相談して、飼い主さん自身もメリットとデメリット、栄養のバランスを理解してからにすることが大切です。
そしてもちろん、愛犬の食事にかけることができる予算との兼ね合いも忘れてはいけないですね。

まとめ

#生食メニューを食べる小型犬#

BARFダイエットなど犬のための生食が紹介される場面では、それがいかに素晴らしく多くの犬が試してみるべきかという点が強調されがちです。

もちろん、生食に切り替えて健康が増進したりトラブルが減ったという例はたくさんあります。ドライフードよりも犬が喜ぶという飼い主さんの声も多く聞かれます。

けれども、すべての犬に100%適した食事というのは無いのです。生食に限らず、素晴らしい点だけが一人歩きすると、体に合わなくて体調を崩した時に「体に良いことをしているはずなのになぜ?」と途方に暮れることにもなりかねません。そのためにも、飼い主さんがしっかりと勉強して理解を深めておきたいですね。

記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (ふくふく動物病院 院長)

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

あなたが知っている情報をぜひ教えてください!

あなたの体験談やハウツー・解決方法など、他の飼い主さんやその愛犬の為にもなる情報をみんなで書き込んで、犬と人の共同生活をより豊かにしていきましょう。

この記事をシェアする
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい

あなたが知っている情報をぜひ教えてください!

※他の飼い主さんの参考になるよう、この記事のテーマに沿った書き込みをお願いいたします。

年齢を選択
性別を選択
写真を付ける
書き込みに関する注意点
この書き込み機能は「他の犬の飼い主さんの為にもなる情報や体験談等をみんなで共有し、犬と人の生活をより豊かにしていく」ために作られた機能です。従って、下記の内容にあたる悪質と捉えられる文章を投稿した際は、投稿の削除や該当する箇所の削除、又はブロック処理をさせていただきます。予めご了承の上、節度ある書き込みをお願い致します。

・過度と捉えられる批判的な書き込み
・誹謗中傷にあたる過度な書き込み
・ライター個人を誹謗中傷するような書き込み
・荒らし行為
・宣伝行為
・その他悪質と捉えられる全ての行為

※android版アプリは画像の投稿に対応しておりません。