犬のIBD(炎症性腸疾患)について

【獣医師監修】犬のIBD(炎症性腸疾患)について

愛犬が頻繁に下痢や嘔吐をすると感じたことはありませんか?「ちょっとおなかが弱いのかな」なんて軽く考えている方もいるかもしれませんが、実は炎症性腸疾患(IBD)という病気かもしれません。犬のIBD(炎症性腸疾患)とは一体どんな病気なのでしょうか?

はてな
Pocket
お気に入り登録
SupervisorImage

記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬のIBD(炎症性腸疾患)とは

ニットの上で寝る白のミックス犬

犬のIBD(炎症性腸疾患)とは、原因不明の慢性消化器疾患の事です。簡単に言うと、慢性的な胃腸炎が起きてしまう病気です。下痢や嘔吐を初めとする胃腸系の症状が出る場合、炎症性腸疾患(IBD)を発症している可能性があります。

原因

犬のIBD(炎症性腸疾患)の原因はまだ特定されていません。免疫系の問題や腸内細菌、食べ物による過剰反応、腸機能の低下などが考えられており、主な症状としては以下が挙げられます。

  • 体重の減少
  • よく嘔吐する
  • 食欲不振
  • 下痢
  • 発熱

軽症の場合だと無症状で飼い主さんが気づきにくいことも多く、攻撃される消化器によって様々な症状があらわれます。慢性的な下痢により血便を伴うこともあり、重症になると腸からタンパク質が吸収することができなくなる「タンパク漏出性腸炎」になり、命に関わります。

好発犬種

この病気は原因が不明なだけに予防は難しく、2〜8歳に比較的多いといわれていますが年齢や雌雄に関わらず発病します。好発犬種はジャーマン・シェパード・ドッグやブルドッグなどで、バセンジーでは「免疫増殖性腸炎」という遺伝性の腸疾患がみられることもあります。

犬のIBD(炎症性腸疾患)の診断方法

触診を受けるダックスフント

犬のIBD(炎症性腸疾患)の診察はおなかを触って確認する触診の他に以下のような検査を行います。

  • 血液検査
  • エコー検査
  • レントゲン
  • 便検査

しかし、これらの検査は犬のIBD(炎症性腸疾患)の病状が既に進んでいる場合でないと見つけにくいとされており、確定診断するには内視鏡検査が勧められます。

また、3週間以上の下痢がずっと続き、便検査や血液検査で他の感染症の可能性が極めて低い場合も獣医師の判断により、炎症性腸疾患と診断されることもあるようです。

内視鏡検査は先端にカメラが付いた管を口から入れ、内臓の一部を数ミリ摂取します。おなかを切開する必要がなく、麻酔のみで検査できるため動物への負担が少なく行うことができます。

犬のIBD(炎症性腸疾患)の治療方法

芝生の上に3種の食事

犬のIBD(炎症性腸疾患)の原因が食べ物の場合はアレルギー用フードや消化器用フードへの切替えが推奨されます。

アレルギー用フードと消化器用フード

アレルギーの原因になる食材は人間と同様に様々あり、卵や牛乳、肉類や穀物などが挙げられます。アレルギー用のフードはこれらに含まれるタンパク質を免疫が過剰反応しにくく作られています。アレルギー用フードと消化器用フードは、病院やペットショップなどで購入・取り寄せができるので相談してみると良いでしょう。

また、家庭での手作りフードやハーブを使った食事療法も犬のIBD(炎症性腸疾患)には有効で、症状や愛犬に合った食事管理が重要です。

投薬

犬のIBD(炎症性腸疾患)が食事療法だけでは治まらず、中~重度になると症状に応じて下痢止めや吐き気止めの投薬が必要です。腸内細菌の場合は抗菌剤が処方され、炎症を抑えるためにステロイド剤も使用します。

ステロイド剤は副作用の心配される方もいらっしゃいますが、炎症を抑えるために必要な 薬であり、獣医師の指示に従って投薬すれば問題はありません。

犬のIBD(炎症性腸疾患)には食事管理が必要不可欠です。特に嘔吐や下痢を繰り返すと脱水症状を起こしやすく、子犬や高齢犬は短時間で弱ってしまいます。脱水症状を防ぐ方法としては、

  • こまめな水分補給をさせる
  • 食事は何度かに分けて少量ずつ与える
  • ごはんは食べやすいようにふやかして与えてみる
  • 好きな物を少し混ぜてみる

などがあります。無理には与えず、愛犬が炎症性腸疾患(IBD)を発症した場合は、獣医師としっかりと相談しながら治療プランを立てましょう。

まとめ

白いフードボールで食事するノーフォークテリア

犬のIBD(炎症性腸疾患)は症状が人間の風邪に似ているため、最初は少しお腹が緩くなっているか風邪を引いたのでないかと思う飼い主さんが多いようですが、風邪のような完治は難しく、生涯付き合わなければならない可能性が高い病気です。

しかし、炎症性腸疾患(IBD)は早期発見によって重症化を防ぐことができますし、愛犬に合った治療法が見つかれば健康の犬と変わらない日常生活が過ごすことも可能です。

下痢や嘔吐が長く続くほど体力的につらいので、愛犬の様子がいつもと違うと感じたら病院で相談や受診されることをお勧めします。また、普段から愛犬とスキンシップをとりながら健康チェックをすると早期発見にもつながります。

愛犬につらい思いをさせないように飼い主さんが一番のホームドクターになれると良いですね。

はてな
Pocket

ユーザーのコメント

  • 投稿者

    30代 女性 ナナ

    我が家の愛犬も慢性的に便が緩くなります。
    犬種は、アメリカン・コッカー・スパニエルで、もうすぐ13歳になります。
    1〜2歳の頃からで、緩くなるたびに病院に行き、抗生剤を処方されていました。
    抗生剤を飲んでいる間は治るのですが、しばらくするとまた緩めになります。
    検便しても異常は見つからないので、この子の体質だね…と、獣医さんからは言われていました。
    当初はアレルギーも疑い、フードに気を使い、いろんなタイプのものを試し、ビオフェルミンは常時飲ませている状態です。
    この記事を読んで、もしかしたら、うちの子もIBDなのかも?!と思いました。
    またお腹の調子が悪くなった時には、IBDの可能性を考慮してもらおうかと思います。
はてな
Pocket
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい

あなたが知っている情報をぜひ教えてください!

※他の飼い主さんの参考になるよう、この記事のテーマに沿った書き込みをお願いいたします。

年齢を選択
性別を選択
写真を付ける
書き込みに関する注意点
この書き込み機能は「他の犬の飼い主さんの為にもなる情報や体験談等をみんなで共有し、犬と人の生活をより豊かにしていく」ために作られた機能です。従って、下記の内容にあたる悪質と捉えられる文章を投稿した際は、投稿の削除や該当する箇所の削除、又はブロック処理をさせていただきます。予めご了承の上、節度ある書き込みをお願い致します。

・過度と捉えられる批判的な書き込み
・誹謗中傷にあたる過度な書き込み
・ライター個人を誹謗中傷するような書き込み
・荒らし行為
・宣伝行為
・その他悪質と捉えられる全ての行為

※android版アプリは画像の投稿に対応しておりません。