犬の眼の中に糸のような虫が動き回っていることを見たことはありませんか?考えただけでも恐怖ですが、そんな恐怖現象を巻き起こしているのは「東洋眼虫」と呼ばれる寄生虫です。
様々な目の症状を引き起こしてしまうため、見つけたら動物病院で取り除く必要があります。
今回はそんな東洋眼虫について、症状や原因、治療法から予防法までご紹介します。見つけたらすぐに動物病院へ連れていきましょう!
東洋眼虫とは?
東洋眼虫とは・・・
「東洋眼虫」は犬をはじめとする動物の「眼」に寄生する寄生虫です。主に犬や猫の眼にある結膜嚢へと寄生する寄生虫ですが、人の目に寄生することもあります。
8~16mm程度の体長で、体は白くて半透明の細い糸状です。幼虫の時はほとんど動きませんが、3~5週間して成虫になると眼の中を動き回るようになります。寄生されている動物の眼を見ると、10匹以上の東洋眼虫が動き回っているのを確認できます。
症状
幼虫の時はほとんど症状がありませんが、成虫が動き回ることで目やにがひどくなっていきます。また、この寄生虫が目を傷つけたり失明させたりといったことはありませんが、かゆみから目をこすることで「角膜が傷つく」ことがあります。また、「結膜炎」「流涙」「瞬膜の炎症」といった目の病気を併発することもあります。これらの病気の発症のみならず「視力低下」や「目が開かない」といったことに引き起こしかねません。ペットの眼の中に東洋眼虫を発見した場合は、すぐに動物病院で診察することをお勧めします。
東洋眼虫が寄生する原因
東洋眼虫は「メマトイ(マダラメマトイ)」という小さなハエから寄生されます。メマトイは犬の目ヤニや涙に含まれているタンパク質を食べる性質をもっているため、犬の眼にまとわりつくことで寄生虫が媒介されます。東洋眼虫の幼虫はメマトイの口にいますので、基本的にはメマトイを介さない限りは動物間での感染はないといわれています。
東洋眼虫が寄生した時の治療法と予防法
治療法
東洋眼虫が寄生した場合、点眼麻酔(眼球表面の局所麻酔)を行い、ピンセットなどの器具を用いて直接、虫を摘出していきます。寄生虫は取り除こうとすることで奥へ逃げることがあるため、目の表面だけでなく、まぶたの内側や瞬膜の奥までチェックします。そのため犬が暴れる場合は全身麻酔で摘出することもあります。
予防法
東洋眼虫への予防薬はないため、飼い主さんが環境を整えることで予防する必要があります。感染しないためには、第一にはハエがこないような清潔な環境を保つことです。ハエが顔周りによってきたら顔を振る犬もいますが、気にしない犬も多いため、ハエが発生したら駆除薬などを使って殺虫することも必要です。犬の睡眠中にハエが寄ってくる場合もあります。 また、ハエが多いような山林や草むらなどへもできるだけ近寄らないようにすることも重要です。
東洋眼虫の予防薬はないとお伝えしましたが、これまでに寄生された犬のほとんどが「フィラリア」の予防をしていないケースが多いのだそう。このことからフィラリアの予防薬である程度の東洋眼虫の幼虫を駆除できる可能性が高いという説もあります。
まとめ
人間の眼にも寄生する可能性がある東洋眼虫ですが、愛犬の眼に寄生虫がいると考えただけでも恐ろしいですね・・・
東洋眼虫の幼虫を発見するのは難しいため、愛犬が眼を頻繁に掻いていたり、頭を振っているようなことがあれば、眼をよく確認するようにしてあげてくださいね。また、メマトイは暖かい時期に発生することもあり、これまではメマトイや東洋眼虫の発生は九州圏内がメインでしたが、最近は九州外にも広がっているのだそう。
家にハエがいるような場合や、ハエが多く集まる場所へ出かける際は感染に気を付け、感染した時のためにも日頃から犬の眼をチェックするようにしましょう。
ユーザーのコメント
30代 女性 匿名
山の中に住んでいるのでどうしても目元に虫が集ります。
なのでこまめに犬の顔を見て虫を追い払ったり目の中をチェックしています。
ひどい時は年に3回くらい病院で取り除いてもらいました。