犬の尿崩症について その症状や原因、治療方法

【獣医師監修】犬の尿崩症について その症状や原因、治療方法

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犬の尿崩症を知っていますか?いつもは溢れるはずのないトイレシートにおしっこがいっぱいになって溢れていたり、愛犬が水をたくさん飲んでいたりしていたら、もしかしたら尿崩症かもしれません。慢性化する前に尿崩症について知り、早期発見に繋げましょう

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬の尿崩症とは

医者に診てもらっている黒いラブラドール

  • 多量の尿が排泄される状態
  • 犬が水を飲んでも常に喉が渇いている状態

犬の尿崩症とは抗利尿ホルモンの不足によって腎臓の水分再吸収機能が低下し、多量の尿が排泄される状態のことを言います。犬の尿崩症を私達人間で例えると、飲み物をたくさん飲んだ場合、普通は身体に吸収され過ぎてお腹をこわしてしまったり、尿が薄くなって排出されたりします。

しかし、犬の尿崩症では飲んでも吸収されにくいため、そのまま大量の尿となり、犬の身体がいつまでも水分を求めてしまうため、飲んでは排出の繰り返しを行ってしまいます。

犬の尿崩症の症状

ベッドに入っているラブラドールの横顔

  • 犬の元気がなくなる
  • 犬のトイレが近くなる
  • 犬の痙攣(けいれん)が起こる
  • 犬の意識がはっきりしなくなる
  • 犬の体重が落ちる

犬の尿崩症は上記などの症状があらわれます。

尿崩症になると犬は常に喉が渇いてしまう状態になるので、飼い主はしっかりと尿崩症について対策を取ってあげる必要があります。

犬の尿崩症2つの原因

氷嚢を為に載せている犬

犬の尿崩症は中枢性尿崩症腎性尿崩症に分かれ、それぞれ原因が違います。

1.中枢性尿崩症

  • 犬の視床下部や脳下垂体に炎症が起こる
  • 犬の視床下部や脳下垂体に傷がつく
  • 犬の視床下部や脳下垂体に腫瘍ができる

中枢神経である脳の異常が引き起こしていることから、中枢性尿崩症と呼ばれています。抗利尿ホルモンをつくる視床下部や脳下垂体に「炎症が起こる」、「傷がつく」、「腫瘍ができる」。などの症状が起こると、ホルモンの調整がうまくいかず尿崩症を引き起こします。

2.腎性尿崩症

腎臓の異常が引き起こしていることから、腎性尿崩症と呼ばれています。抗利尿ホルモンの量が適正に作られていても、作用する腎臓の方に異常があると、尿量の調整ができなくなります。

腎盂腎炎、慢性腎不全、子宮蓄膿症、高カリウム血症、低カリウム血症などからの原因が多いと言われています。また薬の作用(ステロイド、利尿薬、抗けいれん薬など)によって腎臓の調子が悪くなり、尿量の増加が引き起こされることもあります。

犬の尿崩症の治療

ブランケットの上で横たわるジャックラッセル

犬の尿崩症の治療には主に以下のようなものがあります。

1.基礎疾患の治療

  • 人工の抗利尿ホルモンを投与
  • 犬の生活改善

例えば腫瘍など別の疾患が原因で犬に尿崩症が引き起こされている場合は、まずそれらの治療から行います。しかし、脳内の腫瘍など外科的な治療が難しい場合は、正しい生活を意識しながら、人工の抗利尿ホルモンを投与して犬の尿崩症を改善していきます。

2.投薬の中止

尿崩症の薬の副作用で尿量の増加が引き起こされている場合は、投薬を中止することもあります。しかし、薬を必要としていた本来の病気を治せなくなるので自己判断はせず、必ず獣医師の診断をあおぐようにしましょう。

上記の治療と共に、尿量と飲み水の把握を行い脱水症状が起こらないようにしていきます。

犬の尿崩症を疑う症状

病院で診たもらっているダックス

愛犬にこんな症状があったら尿崩症の疑いがありますので病院へ行ってください。

  • 犬が1日に何度も水を欲しがる
  • 犬が1日に何度もトイレへ行く
  • 犬の皮膚が乾燥している
  • 犬の元気がない

尿崩症を疑う目安として、犬の体重1kgに対し「100ml以上」飲むことが多飲の1つの目安です。また、排尿量は犬の体重1kgに対し「50ml以上」を1度に排尿することが多尿の目安とされています。また愛犬がよくトイレへ行くなどの変化を、見逃さないようにすることも尿崩症の早期発見には大切です。

犬の尿崩症の予防法

散歩先で女性に水をもらっている犬

犬の尿崩症は基礎疾患から引き起こされる症状のため、犬の尿崩症には明確な予防法はありません。ですが基礎疾患は正しい生活によって防ぐことができます。犬の尿崩症予防の為にも愛犬の食事や運動に、普段から気を使ってあげましょう。

犬の尿崩症の対策

水を飲んでいるフレンチブル

犬が尿崩症になってしまった時の対策としては、以下の方法があります。

トイレ、水飲み場、寝床を近くする

とにかく尿崩症になった犬はトイレに行く回数、水を飲む回数が増えます。愛犬が尿崩症になってしまったら、トイレ、水飲み場、寝床をなるべく近くしてあげましょう。

水飲み場の改善

  • 大きめのお皿に水を入れてあげる
  • 自動給水器を利用する

尿崩症になると、犬はとにかく水を大量に飲みます。そのため犬の水が途切れないように注意する必要があります。常に家に飼い主がいれば、愛犬に直ちに水を与えてあげることが出来ますが、留守中はしてあげることが出来ません。

水飲み場が空にならないように、大きめのサイズにしてあげるようにしましょう。ペットボトルに水を入れて自動で給水してくれるものは、毎日どれくらい飲んだか測るのも楽なのでオススメです。

まとめ

水を飲んでいるダルメシアン

いかがでしたでしょうか?犬の尿崩症は様々な原因から引き起こされる症状です。尿崩症は早期発見することで基礎疾患などを早く治療してあげることができます。愛犬の日々の変化を尿崩症にならないよう、逃さずにしてあげたいですね。

ユーザーのコメント

  • 投稿者

    男性 カブレラ

    尿崩症は初めて聞いた病気でした。おしっこが少ないと病気になってしまうイメージでしたが、多すぎる場合も病気の可能性があるんですね。ただ、記事をみたところ尿崩症の場合はその他の症状も出るようなので、複合的に考える事が大切かもしれません。原因的にもその他の重大な病気を併発している可能性もあるので、獣医さんに相談するのが1番かもしれませんね。
  • 投稿者

    10代 女性 はる

    水を飲んでも飲んでも脱水症状になるなんてこわい病気ですね。外出はどうするのかな?と思いましたがメモリのある給水器なんかを使えば良いんですね。でもこの病気に限らず病気になった愛犬を留守番させるのは心配ですよね〜(;_;)モニターでもつけたくなりますね。
  • 投稿者

    女性 Yaiko

    記事を読んでみて、我が家の愛犬が少し当てはまっていることに怖くなってしまいました。ここ数週間前から、ものすごい勢いで水を飲んでいるのです。それも喉をゴクゴクと鳴らして飲んでいるので、最初は「喉が相当乾いているのだろう」なんてのんきに思っていたのですが、あまりにも頻繁にこのように水を飲んでいるので不思議に思っていました。また、以前に膀胱炎にもなったことがあるので、「尿」関連の病気になりやすいのかもしれません!尿崩症の症状を読んでみましたが、かなり怖いですね。そして明確な予防法はないようなので困ります。今の所愛犬は元気もあるし、体重も落ちてはいないのですが、さっそく獣医さんの所へ連れて行き、相談してみようと思います。
  • 投稿者

    30代 女性 まお

    尿がいつもより異常にたくさんでるのは病気のサインだとは聞いていましたが、どういうことかよく知りませんでした。この記事をみて勉強になりました。うちの愛犬も老犬なので尿だとか水を飲む量だとか本当に気にしてます。たくさん勉強していざって時に役に立てたいです。
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