犬が突然強い眠気に襲われる「ナルコレプシー」とは?

犬が突然強い眠気に襲われる「ナルコレプシー」とは?

愛犬が突然眠ってしまう!?犬のナルコレプシーとはどのような病気なのでしょうか。ナルコレプシーの症状・原因・治療法などをご紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

ナルコレプシーとは?

眠る柴犬

ナルコレプシーは、私たち人間の病気のひとつとしてご存知の方も多いのではないでしょうか。
突然に症状が起こり、状態や状況によってはとても危険で恐ろしい病気です。

突然体が動かなくなる

テレビや雑誌などのメディアでも多く取り上げられていますが、突然耐えられない眠気に襲われたり、本人にはしっかりと意識があるものの、カラダを思うように動かすことができず、周りの人が見た時、それが気絶をしてしまったように見えたり、眠ってしまったように見えるというものです。

街を歩いている時、料理をしている時、仕事をしている時、車を運転している時など、そのようなことが突然に起こってしまったら、本人もとても危険な目に遭ってしまう可能性もあります。

また、周りの人を巻き込んでしまうようなこともあるかもしれません。

犬にもナルコレプシーはあるの?

実は、ナルコレプシーは私たち人間だけの病気ではありません。
可愛い大切な愛犬たちにも起こり得る病気なんです。

犬がナルコレプシーを発症してしまった場合には、どのような症状が起こるのでしょうか。
私たち人間と同じような症状が起こってしまうのでしょうか。

犬のナルコレプシーとは?

眠るポメラニアン

人間にも犬にも共通して起こり得る特徴的な症状は情動脱力発作(カタプレシキー)という発作です。

犬の場合、ごはんの時や遊ぶなどの喜びの感情などによって興奮してしまった時に症状が起きる可能性が多く、突然脱力してしまうものです。他に、わんちゃんの場合は分かりにくいことも多いですが、人と同様に睡眠の時間が短くなり、日中の眠気が強くなったり、あまり動かなくなったりすることもあります。

症例について

飼い主さんが帰宅した際に大喜びして暴れまわったり興奮する犬も多いと思いますが、あまりにも興奮し過ぎてしまったことが引き金となり、脱力発作を引き起こし、その場にパタリと倒れるように眠ってしまった。という症例があります。

また、元気におもちゃと戯れながら遊んでいた犬が、突然に意識を失うように倒れこみ、そのまま眠ってしまったようだ、という症例もあります。

やはり、喜びの感情などによって興奮してしまった時に症状が起きる可能性が高いようです。

ナルコレプシーを発症しやすい犬種

眠るトイプードル

どの犬種にもナルコレプシーを発症する可能性は少なからずありますが、遺伝性だったり後天性で特にナルコレプシーを発症しやすい犬種がいます。

ナルコレプシーを発症しやすい犬種

  • ドーベルマン
  • ラブラドールレトリーバー
  • ダックスフンド
  • プードル

これらの犬種は「好発犬種」として多く知られています。
飼い主さんの間でもナルコレプシーについて症例や治療法などの情報の提供が呼びかけられているようです。

何が原因なのか?

オレキシンというものに異常が起こることによって発作が起きるのではないかと考えられています。

オレキシンとは、脳内の神経伝達物質の一つなのですが、遺伝性ではその受け皿である受容体が正常に作用する事ができなくなったり、後天性では、そオレキシンの産生障害が原因となったりするようです。つまり、どちらにしろ、オレキシンの機能が不十分になることが原因と考えられてるようです。

予防法や改善法はあるのか?

お薬と犬

ナルコレプシーは命に関わるような病気ではありません。
しかし、状態や状況によっては、命の危険が伴う可能性もあります。

ナルコレプシーには根本的な治療法がなく、一生涯に渡って症状が続きます。
中枢神経に作用する薬を飲ませる事や生活習慣を見直す事で症状が緩和されたというケースもあります。

また、遺伝性の病気であることから、ナルコレプシーの原因となる遺伝子を保有している犬を繁殖に使用しないなどの対策がとられているようです。

治療薬は症状に応じて獣医師から処方されています。

まとめ

走るポメラニアン

ナルコレプシーは人間特有の病気ではなく、犬にも起こり得る病気です。
お散歩のとき、突然に発作が起きる場合もありますし、とくに遊んでいる最中などの興奮しやすい状況である場合には注意してあげる必要があります。

命に関わる病気ではありませんが、ソファーの上で遊んでいた犬が突然にナルコレプシーの発作を引き起こし、ソファーから落ちてしまい骨折してしまった。などの思わぬケガの原因になってしまう可能性もありますので、注意が必要です。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    50代以上 女性 匿名

    腎臓病と癌を併発した17歳の雑種犬を亡くしました。亡くなる一か月ほど前から、食事を始めると10秒ほど脱力し、最初は死んだのかと思ってとてもびっくりしました。
    腎臓病の薬としてフォルテコールを飲ませていましたが、副作用で検索すると「突然の傾眠」という項目があり、納得しました。
    けれども薬の副作用ではなくナルコレプシーだったのかも知れませんね。
    水分補給のためにドッグフードをシャブシャブにして与えていたので、顔を突っ込んで窒息する恐れがありました。
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