犬伝染性肝炎の原因(感染経路)や症状、治療法

犬伝染性肝炎の原因(感染経路)や症状、治療法【獣医師監修】

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犬伝染性肝炎という病名を聞いたことがあるでしょうか。犬伝染性肝炎は犬の感染症の一つで、特に子犬の時期には注意しなければならない感染症だと言われています。そこで、犬伝染性肝炎に感染しないためには、どのようにすればよいのか、感染経路や症状などについてお話ししていきます。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。仙台市の動物病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

犬伝染性肝炎の原因と感染経路

聴診器をあてられているダックス

犬の感染症の中で、1歳以下の子犬の時に特に気をつけたい病気のひとつとして、犬伝染性肝炎があります。犬伝染性肝炎はアデノウイルス1型というウイルスに感染することで発症する病気です。

感染症というと鳥インフルエンザのように人間にも感染する感染症もありますが、犬伝染性肝炎は人間や他の動物には感染せず、イヌ科の動物のみに感染します。

感染経路としては、経口・経鼻感染といわれます。ウイルスは犬伝染性肝炎に感染した犬の唾液、尿、便などに含まれており、直接舐めたり、感染した犬が使用した食器で食事をしたりすることで感染します。

また、犬伝染性肝炎になった犬が回復した後も、アデノウイルスは腎臓に長期間存在し続けるため、約6~9か月間ほどは尿からウイルスが排出され続けます。

そのため、多頭飼いの家庭で犬伝染性肝炎にかかった犬が同居しているような場合には、感染した犬を隔離するなどの対応をとった方がよいでしょう。

犬伝染性肝炎の症状

ベッドの中で体温計を持っているダルメシアン

犬伝染性肝炎の症状は4つに分類されます。それぞれどのような症状が起こるのかを調べてみました。

甚急性型

一見健康そうな子が、突然ひどい腹痛や高熱に襲われ、24時間から48時間以内に死亡するケースが多いのが特徴です。

急性型

1週間程度の潜伏期間の後、徐々に元気がなくなり腹痛、高熱、嘔吐、下痢などの症状が5日程度続きます。

また、肝炎という名前のとおり、肝臓が機能不全を起こす場合もあります。この場合、お腹を触られるのを嫌がるようになります。

さらには点状出血が皮膚にみとめられるなど出血が起きやすくなったり、時には神経症状をおこすケースも見受けられます。

その後回復傾向に向かいますが、その際に角膜がむくみ、青白く濁るブルーアイという症状が現れる場合もあります。

これは通常であれば自然に回復しますがまれに緑内障や角膜潰瘍を引き起こすこともあるため、このような症状が現れた後は注意深く観察を続けた方がよいでしょう。

軽症型

発熱、食欲不振、鼻水などの軽い風邪のような症状が見られます。軽症の場合、数日程度で回復します。

不顕性型

成犬の場合、犬伝染性肝炎に感染していても特に症状が出ないことがあります。症状が現れないため感染したことに飼い主が気付かず、他の犬の感染源になってしまうことがあります。

このように犬伝染性肝炎の症状といってもさまざまなケースがあります。

犬伝染性肝炎の致死率は成犬なら低いと言われていますが、子犬が感染し発症した場合には、死亡するケースが非常に高いと言われています。

そのため、1歳以下の子犬で特にまだワクチンをうっていない子は特に感染に気をつけたほうがよいと言えるでしょう。

犬伝染性肝炎の治療法

おもちゃの注射器を持つ女の子と犬

犬伝染性肝炎の治療法として有効なものは、今のところ見つかっていないようです。

そのため犬伝染性肝炎に感染した場合には、次のような方法で犬自身の体力や免疫力の回復を手助けします。

肝機能の回復を促す

肝臓の回復と症状の軽減を図るために、点滴を行ったりビタミン剤などを投与したりします。また出血がある場合には輸血を行うこともあります。

二次感染の予防

犬伝染性肝炎に感染すると、免疫力の低下によって他の感染症を併発したり、肺炎や腎盂腎炎にかかりやすくなったりします。

このような二次感染を予防するためには抗生剤の投与が有効だといわれています。

食事療法

肝機能の回復を促すためには、毎日の食事も大切になってきます。そのためには肝臓に負担がかからないような、消化の良い食事にすることも大切です。

どのような食事を与えたらよいのか、動物病院で聞いてみるとよいでしょう。

犬伝染性肝炎に最も重要なのは予防

注射を受けている犬

前にお話ししたように犬伝染性肝炎に感染した場合、治療の特効薬は今のところありません。

しかし、犬伝染性肝炎を予防する方法はあるのです。

ワクチンを接種する

子犬は産まれてまもなくの間は、親から受け継いだ免疫があるために感染症などにはかかりにくくなっています。

しかし、時間が経つにしたがってその免疫も薄れてきます。免疫が薄れてきたときが犬伝染性肝炎などの感染症に最もかかりやすい時期なのです。

そこで、犬を迎え入れたら動物病院でワクチン接種について相談してみることをおすすめします。

犬伝染性肝炎は、混合ワクチンに含まれる犬アデノウイルス2型ワクチンを接種することで予防できると言われています。

犬の年齢などにより、ワクチンの接種回数や接種時期は異なります。

ワクチン接種の料金は動物病院によってさまざまですが、5000円から10000円程度と言われています。動物病院を受診した際に確認してみましょう。

しつけをきちんと行う

犬伝染性肝炎は感染した犬の尿や環境中から感染することが多く、特に症状が出ていない不顕性型の場合には、飼い主が知らないうちに感染源をばらまいている可能性もあるのです。

そのため、散歩中に他の犬の尿のにおいを嗅いだり、草むらの草を舐めたりしないように、きちんとしつけをしておくことも大切です。

さらに、飼い犬が知らないうちに感染していた場合を考えると、散歩中に排尿、排便をさせないようにしつけることも重要でしょう。

まとめ

男の子と犬

犬伝染性肝炎は感染力が非常に強い感染症ですが、ワクチン接種を行うことで予防することができる病気です。

犬との楽しい時間を少しでも長く続けるためにもワクチン接種を行い、犬伝染性肝炎から愛犬を守ってあげましょう。

ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 アイカ

    こうやって記事を読んでみると、犬にも本当にたくさんの種類の病気がありますよね。今回の犬伝染性肝炎についてもよく知らなかったので、読んでみてよかったです。我が家で一番最初に飼っていた犬の時は、このような病気についてまとまっている記事などがほとんど無かったような気がします。また、インターネットも普及していませんでした。それなので、現代は簡単にいろいろな情報が手に入るようになり、心強いですね。犬を飼っている場合は、犬に関する情報もすぐに入手できるので、本当にありがたいですよ!現在、我が家の愛犬は1歳半です。子犬の頃からコロコロしていて元気だったので、まだ特に大きな病気になってはいません。ただし、やはり一番大切なことは「病気を予防すること」だと思います。日々よく注意してあげたいですね。
  • 投稿者

    30代 女性 セリ

    経口・経鼻感染で、ウイルス感染をした個体の尿から半年以上もウイルスが検出されるとのこと。うちの犬はオス犬で、散歩でマーキングが趣味なため非常に焦りました。クンクン鼻を近づけて嗅ぐのはもちろん、たまにペロっなんてことも…。もちろん気が付いたらやめさせますが。
    このアデノウイルスに感染した場合の急性の症状がとても怖いです。
    命に関わるウイルスが、身近にあるかもしれないわけですから、ワクチン接種はきちんとしないといけませんね。
    室内犬だからと、混合ワクチンの接種を行わない方もたまに見受けられますが、やはり予防という観点ではとても有効な策だと思います。毎年接種することへの是非がありますが、愛犬が健康体なうちは、私の犬は毎年接種させるつもりでいます。
  • 投稿者

    20代 女性 シーナ

    伝染性肝炎って何だろうと思いましたが、ワクチンのアデノウイルスというのは聞き覚えがあります。おしっこから感染するというのは怖いですね。毎年混合ワクチンを打っていますので、その中にアデノウイルスも入っていた気がします。ワクチンも必要だと思って打っていますが、実はその中身についてはあまりよく知らないんですよね。。。犬の体に入れているものなんだからもっとどういう病気を予防するものなのかとかについても知らないといけないなとこの記事を読んでいて思いました。ワクチンはみんな打つもので、獣医さんに勧められるがままという感じになっていますが、愛犬を病気から守るためにもいろいろと知識を身につけなくては!!と身が引き締まりました。
  • 投稿者

    20代 女性 あめたま

    我が家では多頭飼育はしないので、犬伝染性肝炎の心配はあまりしませんでしたが、他の犬からも貰う可能性があるとの事でワクチンで予防出来る病気であれば、予防接種を受ける方が良いと感じられました。

    また、他の犬が感染源ということで「適切な躾」は予防に大きな効果を発揮すると考えられました。

    特に目立った症状を発症していないワンちゃんの場合は飼い主が病気に関して熟知していない可能性が高いです。

    したがって、犬伝染性肝炎のような犬経由で感染する病気は予防接種や躾によって感染経路を完全に断ってしまいましょう。

    感染してからの治療はワンちゃんにとって大きな負担となるので未然に防ぐ事が出来るならば、感染を回避するような生活スタイルの工夫が飼い主に求められます。
  • 投稿者

    女性 fuku

    最近2匹目の子犬を迎えたばかりだったので、興味深く拝見しました。犬アデノウィルスは、ワクチンで予防できるというのは、知っていましたが 治癒した後も ウイルスが何ヶ月も排出される事は知りませんでした
    お散歩の時には、マーキングされていると思うような所を顔を近づけて匂いを嗅いだりしてますが、それくらいでも移る可能性がありそうですね
    今まで、ワクチンは毎年必要無いのではと思っていましたが、やはり毎年打つようにしないといけないですね
    うちの子が移るリスクも減らす事が、出来るし 他のわんちゃんに 知らないうちに、移してしまうリスクも減らす事が出きるように、予防は大事だと改めて思いました。
  • 投稿者

    女性 AH

    他の犬の糞尿から感染する病気、他にもありそうですね。
    うちの犬はマーキング活動が生き甲斐のような犬でして、散歩中は電柱やら植え込みやら熱心にクンクンするのが至上の幸せのような感じなのです。困りました。記事にもあったように、病気感染の観点からはすぐに止めさせないといけないわけですが、それだけが生き甲斐のような犬です。
    確かに原因不明の下痢を1年に1回はやっているような気がします。この電柱クンクンが原因のような気がしてきました。
    あんまり熱心にクンクンするので、5秒ルールで5秒たったら引き剥がしていますが、そんなもの効果ありませんもんね。心を鬼にして止めさせたいと思います!散歩中の他の楽しみをどうか見つけてくれますように。
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