犬の関節炎、痛みを緩和する新しい治療法

【獣医師監修】犬の関節炎、痛みを緩和する新しい治療法

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愛犬の関節炎、試行錯誤しながら付き合っている方も多いと思います。動物医療の世界も日夜進歩しており、関節炎の治療も様々な新しい方法が開発されています。この記事ではそのいくつかを紹介いたします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

関節炎の新しい治療法、いろいろな未来や可能性が!

正面を向いている犬と女性

ペットの平均寿命が延びている現在、シニア期以降関節炎に悩まされる犬も多く、ケアに心を砕いている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
実は犬の関節炎の治療法は人間の関節炎治療とたいへん共通点が多く、動物医療と人間の医療の研究開発は、犬とヒトのお互いに恩恵をもたらすものだそうです。
つまり、犬の関節炎の治療は動物医療と人間医療の両方で最先端の研究が続けられ開発されているということ。頭の片隅に情報を置いておくと、いざという時の病院リサーチや獣医さんとのコミュニケーションに役立つかもしれません。

関節炎のケアの基本

まず、一番最初に覚えておかなくてはいけないこと。それは他の病気と同様に関節炎も『予防に勝る治療なし』ということです。どんなに素晴らしい治療法が開発されようとも、病気が起こらないように、起こっても軽く済むように日頃から予防しておくことが何より大切です。
アメリカ国内屈指の犬の疼痛研究の実績を持つペンシルバニア獣医学校のアンジェロ博士によると、関節炎を予防する最善の方法、それは「適正体重をキープすること」だそうです。もう既に関節炎の症状が出てしまっていて、なおかつ太り気味という場合も体重を適正値まで落とすことで症状が改善することもあるようです。
「え?そんな単純なこと?」と思われたかもしれませんが、適正体重は関節だけでなくすべての健康の基本ですものね。

積極的な薬物療法をする場合、現在は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使う方法が最も一般的です。痛みと炎症を抑え、速効性があるので犬のQOLの向上に役立ちます。いろいろな種類があるので、犬の体質との相性や副作用の出方などを見ながら継続したり、薬の変更をする場合もあります。
NSAIDsの投薬と併せて、フィッシュオイルやグルコサミンなどのサプリメントを摂取したり、鍼灸やレーザー治療を取り入れる獣医さんや飼い主さんも増えています。積極的に獣医さんに相談するのがベストですね。

新しいタイプの鎮痛消炎薬

非ステロイド性抗炎症薬が圧倒的多数を占める関節炎の鎮痛薬の世界にニューフェイスが登場しました。2016年にアメリカ食品医薬品局の認可が下りて実用化されています。
医薬品の名は『グラピプラント』従来の鎮痛消炎薬は炎症伝達物質の合成を阻害することで作用するのですが、この新薬は関節炎の痛みに関与する受容体を遮断することで作用します。
非ステロイド性抗炎症薬のように体の他のシステムに影響しないので、より安全だと考えられています。
この薬はまだ国内では販売されておらず、米国では2017年~販売となっています。

その他様々な治療法

人間の医療の分野では一部保険の適用もされるようになった『再生医療』。犬の関節炎の治療にも積極的に研究がされています。
軟骨を一部取り出して培養し欠損した関節の軟骨部分に移植する方法や、軟骨への血液供給を改善する研究も行われ、対症療法だけではない治療法が確立する日も遠くはなさそうです。
また、一段と積極的な痛みのコントロールの方法として、ある種の唐辛子の成分である化学物質を直接痛みを伝達する神経細胞に作用させる方法も研究されています。痛みを伝達する細胞を破壊するため痛みは完全になくなります。この方法は関節炎の痛みよりもむしろ、骨がんの痛みのターミナルケアとして犬に最後の幸せな時間をプレゼントするものとして期待されています。

まとめ

向き合っている犬と女性

医療の専門的なお話や用語は「はて?」と首をひねってしまうことが多いものですが、大切な愛犬のためならば情報収集を惜しまないという方もたくさんいらっしゃるでしょう。
ここであげた例は本当にサワリのサワリ程度のものですが、実際に愛犬が関節炎と闘っているという方が獣医さんと相談する際のちょっとしたヒントになればと思います。
関節炎はそれ自体が命に関わるようなことはありませんが、犬の生活の質が低下してしまったり、痛みのコントロールがうまくいかないと犬とのコミュニケーションが取れず、場合によっては咬傷事故につながることもあり得ます。鎮痛消炎薬を服用するくらいしか方法がないと思っている飼い主さんに、新しい選択肢は日々増えていっているんだと希望を持っていただくきっかけになれば幸いです。

《参考》
http://thebark.com/content/new-pain-management-canine-arthritis

ユーザーのコメント

  • 投稿者

    40代 女性 さくら

    うちのわんこは11歳と高齢犬です。ご多分に漏れず最近は段差に躓いたり、歩く速度が遅くなってきたように思います。高齢のせいで仕方ないのかもと思っていたのですが、関節炎の可能性を疑ってみなくてはいけないと反省しています。長年酷使してきた足、負担があって当然ですよね。少し太り気味で、ミニチュアシュナウザーなのですが9~8㎏の体重を行ったり来たりしています。足にそれほど負担のかかるような増減ではないのですが、やはり一定した体重を保ってあげることが大切ですね。人間の関節の痛みなどによく使われるグルコサミンとコンドロイチン、グルコサミンは細胞や組織を結合したり軟骨を生成に必要な成分、すり減って軟骨を修復する作用があるそうです。コンドロイチンは軟骨のクッション作用に大きなやくわりを果たす成分でグルコサミンと一緒に摂取することでより効果的になるそうです。食事としてはタンパク質を多く含む食材、粘りある食材などがいいそうですが、食事だけではなかなか摂取しずらい面もありやはりサプリメントがお勧めです。
  • 投稿者

    40代 女性 まこまま

    うちの子もポメラニアンでそろそろ関節のケアを始めたいと思っていました。犬種的にも関節炎は老化で起こりやすいそうなのでやはり予防は必要なのですね。まだ関節炎の症状はありませんが、先ずは関節にいいサプリメントを試す所から始めたいと思います。
  • 投稿者

    20代 女性 てとめる

    我が家の愛犬も今年で13歳…。足腰が心配な頃になってきました。特に冬になると寒いからか朝は辛そうな感じもします。色んな技術の進歩で薬が開発されているんですね。確かに知識がないと動物病院の先生の指示に従うだけで、提案や聞くことが出来ないですよね。日々の情報収集もこれからは必要だなと感じています。ただやはり予防が一番の薬には変わらないんですね。我が家では13歳になった今も毎日2回朝晩で散歩はしています。もちろん昔より散歩時間は短くなってはいますが愛犬の気分転換にもなりますし、なにより筋肉は一度落ちたらつけるのは大変なので少しでも衰えさせないようにと思ってしています。それに加えて、この記事にあるように体重キープなども考えていきたいと思いました。
  • 投稿者

    40代 女性 SUSU

    我が家の愛犬はミニチュアダックスフンドのため、関節のケアはいつも頭にあります。もうすぐ10歳になりますが、7歳を過ぎた頃から後ろ脚の調子が悪いのかな?と思う日が増えるようになりました。
    ヘルニア予防の為に若い時からコンドロイチンとグルコサミンの粉末のサプリをご飯に混ぜていましたが、MSM(メチル・スルフォニル・メタン)という樹木から採取出来る硫黄成分の粉末も加えるようになりました。MSMは炎症や痛みに効果的と言われています。熱に弱いため調理することで失われてしまう成分であり、食材から摂取すること難しいことからサプリメントとして追加するようになりました。固まりやすいため手作りご飯の場合は特に、うまく混ぜないとダマになってしまうのが難点ですが無味無臭のようで気にせず食べてくれています。
    コンドロイチンとグルコサミンのサプリメントはいろいろなメーカーがペット用として販売していますが、我が家では出来るだけ自然由来のものから摂取出来る方が消化にも優しいとの考えで、サメ軟骨、エビ、樹木から作られたものを購入しています。MSMと共にみちのくファームの物です。
    普段はこの2つのサプリメントを使っていますが、お散歩であまり歩きたがらない日や冷え込んできた日などは様子をみて緑イ貝のサプリメントに変更する時もあります。最近、注目されている関節ケアに効果があるとされているサプリメントで、普段お世話になっている獣医さんから患者さんの声を聞いていると効果が出やすいようだと教わり試してみることにしました。人間用としても多くのメーカーからサプリメントとして販売されており、実際、その獣医さんも試してみて一番効果があったと思うと教えて頂きました。
    緑イ貝はグルコサミンとコンドロイチンが豊富に含まれているだけでなく、抗酸化酵素も多く含まれているため老化予防にも効果的です。MSMと合わせるとより効果が見込めると思われます。
    魚介の匂いがあるためワンコによっては苦手な子もいるかもしれません。愛犬の場合は特に気にする様子もなく食べています。確かにこちらのサプリの方が効果が出るのが早いように思います。

    記事もあるように、関節ケアにおいて最も効果的な方法は予防につきると思います。愛犬はシニア期に入り代謝が落ちてきたこともあって一時太ってしまいました。体重が増えると途端に後ろ脚に負担がかかってしまうようで、歩きたがらない日が増えてしまいました。運動量が減れば代謝もますます落ちてしまい、ストレスだけはかかり食欲だけが増えまた体重が増えるといった悪循環に陥ってしまいます。
    ただ歩くだけの散歩を止めて興味がありそうな自然のある場所に連れていったり、食事内容を見直して少しずつ体重を落としていきました。身体が軽くなり始めれば脚の負担も減ったようで歩く時間も増えてくるようになりました。
    小型犬のダイエットは本当に大変ですが、増えるのはあっという間ですね。
    もう少し体重を落としたいところですが、獣医さんと相談しながら無理なくやっていけるように工夫していこうと思っています。
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