犬も自律神経失調症になる?原因や症状、治療や予防法まで

【獣医師監修】犬も自律神経失調症になる?原因や症状、治療や予防法まで

自律神経失調症は人間だけの病気ではありません。犬にも自律神経失調症である「キー・ガスケル症候群」というものがあり、とても怖い病気なんです。キー・ガスケル症候群の症状と予防法、治療法などをご紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

自律神経症失調症とは?

毛布にくるまる犬

人間の「自律神経症失調症」って聞いたことありますか?
自律神経とは、「交感神経」と「副交感神経」の2つからなる神経系で、血圧、脈拍、発汗や消化器の運動といったものをコントロールしています。
その自律神経が不規則な生活や習慣などによってバランスが乱れ、身体に様々な不調が起こることを「自律神経失調症」と呼びます。
症状としては

  • 食欲不振
  • 便秘
  • 徐脈
  • 嘔吐
  • 気分の落ち込み

など多くの症状が出るのですが、病院で検査をしても異常なしと診断されてしまいます。
人間にも起こる「自律神経症失調症」が、なんと犬にもあるのです!
犬の自律神経症失調症は人間と同じ症状なのか?予防する方法は?治療方法はあるのでしょうか?
今回はそんな犬の自律神経症失調症の原因や症状、治療法などをご紹介します!

犬の自律神経症失調症「キー・ガスケル症候群」

手で支えられる犬

犬にも原因不明の自律神経失調症である「キー・ガスケル症候群」というものがあります。
犬が発症することは稀なのですが、神経系に異常をきたすため目の異変や呼吸困難などの症状を引き起こします。原因不明なため有効な治療法がほとんどなく、弱っていってしまう怖い病気なのです。

症状

人間の症状と重なる部分が多いのですが、犬の場合は深刻な症状もあります。

  • 元気がない
  • 食欲不振
  • 便秘
  • 嘔吐
  • 口が臭くなる
  • ドライアイ
  • お腹の張り
  • 瞳孔が開いたままになる
  • 排泄障害
  • 呼吸困難
  • 心臓発作

キー・ガスケル症候群になると元気がなくなり、食欲も落ちてしまいます。これは胃や腸が正常に働かなくなるためで、同時に便秘や嘔吐などの症状も引き起こします。
また自律神経が以上をきたすと、瞳孔が開いたままになったり、呼吸器の機能が低下し呼吸困難になることがあります。
重篤な症状になると循環器の機能が低下し、突然の心臓発作にもつながります。

原因

キー・ガスケル症候群の原因はまだわかっていません。
もともとは猫にだけ発症すると考えられていましたが、犬にも発症することが確認されていて、都会よりも田舎で飼われている犬に発症率が高いとされています。性別や犬種によって違いがあるかはまだわかりませんが、ラブラドールは最も影響をうけやすい、という報告もあるようです。

治療法

主な治療法としては「対処療法」と「投薬治療」があります。
原因が不明となっているため、出てきた症状に対しての治療をし、深刻化してしまわないようすることがメインとなります。
食欲不振で脱水症状になっている場合には点滴、ドライアイになっている場合には点眼など、その場その場の治療となります。
投薬治療としては自律神経系に効く薬を与えるのですが、効果に関してはあまり期待できないようです。
キー・ガスケル症候群の予後はとても悪く、死に至ることも少なくはありません。回復したとしても自律神経系に何かしらの後遺症が残ることが多いそうです。

予防法

キー・ガスケル症候群は原因不明のため予防法はありません。
早期発見、早期治療を行うことしかできないため、日頃から愛犬の体調を気にする必要があります。
少しでもおかしいと思ったら、獣医さんに相談してみましょう。別の病気が隠れている可能性もあります。
また、定期検診を受けることでちょっとした体の異変を見つけることができます。

併発する病気もある

点眼

巨大食道症(食道アカラシア)

キー・ガスケル症候群によって自律神経系に異常をきたした場合、食道が上手く働かずに大きく広がってしまうことがあります。
巨大食道症になると食べ物を胃に上手く運ぶことができず、吐き出したり嘔吐を繰り返し、体重の減少などが起こります。とても治療が難しい病気で、予後も悪く怖い病気です。
症状としては

  • よだれが過剰に出る
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 食べ物を吐き出す
  • 嘔吐

などがあります。
巨大食道症から肺炎になることもあります。体が熱く熱っぽい、呼吸が苦しそうなど、症状以外にもそのような徴候があれば病院にすぐ行きましょう。

ドライアイ

涙が出にくくなり、そのため瞳が乾いてしまいドライアイを引き起こします。
症状としては

  • 目をこする
  • 涙が異常に出る
  • 目やにがよく出る

などがあります。
目の痛みやかゆみによってまばたきが増えたり、頻繁に目をこするようになります。また涙や目やにが多く出て目の周りの毛が変色する「涙やけ」という状態になることもあります。
ドライアイが重症化すると結膜炎や角膜炎、場合によっては失明することがあるので早めの治療が肝心です。

まとめ

犬を診察する女性

あまり馴染みのない犬の自律神経失調症であるキー・ガスケル症候群ですが、その怖さを知っていただけたのではないでしょうか。
原因が不明であり、これといった有効な予防法もないことから、日頃の愛犬の健康チェックが重要だと言えます。早期発見、早期治療で元気な状態を長く続かせることができますね。
愛犬とコミュニケーションをとりながら日々健康状態を確認してみましょう!

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 もすら

    人間でも自律神経失調症は、軽度なものから重度なものまで治療が大変なものまでありますから、犬もきっと大変な治療なのでしょう。病気は生まれ持った体質の影響が大きいように思います。飼い主としては、飼い犬の性質を把握して早期に発見してあげることが最善ですね。
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