狂犬病について ~感染したときの症状・治療や予防法~

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狂犬病について ~感染したときの症状・治療や予防法~

概要

  • 狂犬病は感染して症状が現れれば致死率100%の病気
  • 狂犬病は全ての哺乳類が感染するウイルス
  • 日本では狂犬病の予防接種が義務付けられている

この記事では、狂犬病とは何なのか、狂犬病にかかるとどのような症状が現れるのか、などについて詳しく説明していきたいと思います。この病気は、犬だけのものと思われがちですが、狂犬病は全ての哺乳類がかかり、一旦発症し症状が現れれば致死率100%の恐ろしい病気です。海外では、年間何万人もの人が狂犬病によって亡くなっています。

監修:獣医師 加藤桂子

(伊達の街動物病院)

狂犬病とは

狂犬病ウイルス

狂犬病とは、感染して症状が現れれば致死率100%の恐ろしい病気で、現在のところ治療法はありません。 狂犬病という名前から、犬だけ感染する病気だと誤解されがちですが、人、犬、猫、ネズミ、コウモリなど全ての哺乳類が感染するウイルス性の伝染病です。

狂犬病に感染すると脳がウイルスに冒され、潜伏期間を経て様々な症状を発症し段階を踏んで死に至ります。人と犬それぞれ狂犬病に感染した場合に発症する症状を説明します。

「人」が狂犬病に感染した場合に現れる症状

狂犬病の症状で苦しむ人

人が狂犬病に感染した場合、発症するまで約1か月近くかかります。最初は、熱や咳などの風邪に似たような症状から始まります。傷口から入ったウイルスが体の細胞を食い荒らし、高熱が出て体の様々な臓器を弱らせていきます。

感染動物から噛まれてできた傷が治りかけた頃、再び傷が痛み出し体に麻痺が出始めます。不安で憂鬱な気分がそれから2日ほど続き、理由もなくイライラして音や臭いに敏感になります。その後、喉が詰まったように感じ呼吸が苦しくなります。

ウイルスが脳にまで達すると触覚や聴覚がやられてしまい、「恐水症」と呼ばれる症状を引き起こします。喉がとても渇きますが、水を飲み込むと喉が痙攣し苦しくなってしまうために水が異常に恐く感じ、水のことを見たり考えただけで体が痙攣してしまいます。水が飲めないために脱水症状にもなってしまいます。

顔に風が当たっても痙攣が起きてしまうために「恐風症」と呼ばれる風に対しても恐怖を感じ風を避けるようになります。進行していき末期になると精神錯乱を起こし幻覚も見始めます。その後、激しい痙攣発作や脳や全身の筋肉が麻痺していき、呼吸不全で死亡します。

「犬」が狂犬病に感染した場合に現れる症状

狂犬病の症状が現れた犬

犬も人が感染したときと似たような症状が出ます。

前駆期

  • やたらと不安がり食事を摂らなくなる

狂躁期

  • 遠吠えをする
  • 無意味にウロウロ歩きまわる
  • 攻撃的になり見境なく噛み付く
  • 壁すらも噛む
  • 水を恐れ飲み込めなくなる
  • 吐く

麻痺期

  • 下顎に力が入らなくなり舌が出っぱなしになる
  • 大量のヨダレを垂らす
  • 足腰が弱くなりよたよた歩く
  • 平衡感覚がなくなる
  • やがて昏睡状態になり死亡する

狂犬病の原因

指に噛み付く犬

狂犬病ウイルスに感染した動物の唾液には、大量のウイルスが含まれており、咬まれたり舐められたりすることで傷口から体内に入り込み感染します。

狂犬病の治療と予防方法

狂犬病ワクチン

治療

狂犬病に感染し症状が現れた場合、残念ながら現時点では有効的な治療法はありません。もし、人が海外で動物に咬まれてしまったら、速やかに病院へ行き、暴露後ワクチン(暴露後接種)を受け発症を防ぎます。

予防方法

日本では、生後3か月経った犬は

  • 犬の登録
  • 狂犬病予防接種

が義務付けられています。登録と注射は動物病院ですることができ、登録の手続は市役所でも可能です。きちんと登録をしている方には、毎年3月頃に市から狂犬病予防接種のお知らせの案内が届きます。

4~6月までに動物病院で予防接種を済まします。また4月中であれば、決められた日時に会場を獣医師がまわる集合注射があります。そこに愛犬を連れて行って予防接種を受けることもできます。

近年では、室内飼いだからと犬の狂犬病予防接種を受けていない方が非常に増えています。ペットショップから買ってきて、登録もせずにそのまま室内飼いだと国も把握できずにいます。

もし、日本に狂犬病が入ってきた場合、予防接種を受けていない犬を飼っていれば、飼い主さんが一番に危険にさらされてしまいます。そうならないために、きちんと予防接種を受けることが重要です。

海外で犬に咬まれたときの対処法

小さい黒板を持つ人

以下の対応を速やかに行ってください。

  • 傷口を石けんで洗う
  • 消毒をする
  • 暴露後ワクチンを打つ

海外で狂犬病に感染しないための予防策は、狂犬病危険地域に行く場合は渡航前に狂犬病ワクチンを摂取すること、そして大事なことは安易に動物へ近寄ったり触れたりしないことです。

まとめ

狂犬病の症状が出てしまった犬

日本では、狂犬病の予防接種が義務付けられ、徹底的な野良犬管理がされているおかげで1957年以降、日本では狂犬病は絶滅したと言われてきました。しかし犬以外の飛ぶコウモリや野生動物では予防の仕様がありません。

また、海外からの野生動物の侵入などで、いつでも狂犬病ウイルスが広がる危険性があります。もし、日本に狂犬病が入って広がってしまうと、愛犬ももちろん飼い主さんも危険にさらされてしまいます。そうならないためにも、年1回の狂犬病予防接種をきちんと受けること、また海外へ行った際にはむやみに動物に触らないように気を付けることが大切です。

記事の監修

  • 獣医師
  • 加藤桂子
  • (伊達の街動物病院 獣医師)

日本獣医生命科学大学卒業。仙台市の動物病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

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  • 40代 男性 ひろ

    ショップによっては室内外で外に出さないのであれば狂犬病受けなくてもいいですよと未だにゆう所がありますね。
  • 50代以上 男性 メロン

    狂犬病予防接種は動物病院の経営を守るためであり、現在の日本では不要・過去の負の習慣だという説がまことしやかに囁かれるようになって随分になるように思う。
    大手メディアによると、狂犬病予防接種を受けさせている飼い犬は、ここ20年程で71%にまで落ち込んでいるというデータもあり、未届けの犬まで合わせるともっと数値は下がるだろう。日本での狂犬病が発見されたのは、1956年が最後とされており、危機感が薄らぐのは仕方がないのかもしれないが、狂犬病予防接種の習慣が広まっていないアジアをはじめ世界各国では、かつての日本と同様に今も死者を出しているのである。
    狂犬病は、ウイルス性の人獣共通感染症である。海外から輸入された動物等から狂犬病が広がるリスク、人を噛まずとも愛犬自身を苦しませるリスクを、飼い主が増幅させるのはナンセンスではなかろうか?
    「発症すれば致死率100%」が狂犬病という病気であるが、噛まれたら即死亡ではなく、噛まれてから発症するまでの手当て(暴露後ワクチン)で発症を抑えられる可能性が非常に高まることを知っておきたい。
    また、狂犬病予防接種は法律で定められた義務である。それがどうしても気に入らないのなら、犬を飼わないか、法律を変える運動を起こし実現させて欲しいと思う。(尚、狂犬病予防接種は種類として強い注射のため、闘病中やシニア期の場合は獣医に相談して書類を提出すれば、免除可能である)
  • 30代 女性 38moto

    狂犬病の予防接種は年一回、市町村で集合注射を実施しているので、決められた日に決められた場所、時間に愛犬を連れて行きワクチンを打ちます。
    今の日本には狂犬病ウィルスは存在しないといわれているので安全ですが、全ての哺乳類に感染することから、どこからそのウィルスが入り込んでくるかわからない点では安心ではありません。
    犬でも人でも感染してしまうと有効的な治療法はなく致死率100%の恐ろしい感染病です。発症してしまった犬は安楽死をさせなくてはなりません。これは飼い主にもダメージが大きいと思います。

    日本では狂犬病ウィルスが存在しないことからそういった症例が少ないせいもあり、狂犬病予防接種の重要性はわかっているのに、義務だと思っている人は少ないのではないかと思います。かく言う自分もそこまで危険なものだと思っていませんでした。認識を改めようと思います。
  • 50代以上 男性 匿名

    私もペットショップで[狂犬病のちゆ]
  • 30代 女性 すず

    もう何十年も国内で発症例が報告されていないからか、狂犬病について知らない人も増えてきたと思います。
    昔は野良犬が多かったものですから、決して野良犬へ近づいたらいけないと親から言われていたのですが、今では野良犬なんて見かけませんもんね。
    狂犬病、この名前からすると犬がかかる病気だと勘違いされている方もいますし、犬からしかうつらないと思っている方も。
    実際はすべての哺乳類に感染する恐れのある大変恐いウイルスなのに、そう勘違いされている方がいることが恐ろしいです。
    特に日本はさておき、海外アジア圏ではいまだに狂犬病で亡くなっている方が毎年いらっしゃいます。旅行先で野犬に手を出したりしないよう、気を付けなくてはいけません。
  • 20代 女性 シーナ

    以前テレビで狂犬病を発症してしまった犬の映像を見たことがあります(多分海外のものだったと思います)。すごく苦しそうで脳裏に焼き付いていて、狂犬病と聞くとすごく怖くなってしまいました。だって、「致死率100%」ってすごいですよね。なかなか強烈な事実だと思います。私は何の疑問も持たずに狂犬病予防接種を受けさせていますが、今は受けさせていないという人もいるそうで、少し驚きます。多分受けさせていない人は「今の日本に狂犬病はないから」とか理由をつけるんだと思いますが、これだけ海外から色々な病気や虫などが侵入してきているし、海外旅行に出かける人もたくさんいるんだからいつどこから危険が及ぶかなんてわかりません。病気などで注射を受けられない犬などは別として、健康な犬であれば「受けない」という選択肢はないと思います。
  • 女性 Sato

    狂犬病という名前は、犬を飼っている方なら絶対に1度は聞いたことがあると思います。私もその一人ですが、狂犬病の具体的な症状やどうやって感染してしまうかなどは全く知識が無かったので、記事を読んでとてもためになりました。大体の人は犬を飼うと必ず予防注射をすると思うので、実際に愛犬が狂犬病にかかってしまった!という人はいないかもしれません。一番驚いたのは、「致死率100%」ということです。現在でも良い治療法も無いようですし、しかも助かる見込みが無いということですよね・・・。無知でお恥ずかしいのですが、人間も感染してしまう可能性があるなんて知りませんでした。症状も詳しく読んでいると、恐ろしい症状が出るようですね。やはり予防が一番です!
  • 女性 コロ

    狂犬病は昔から存在するのに、医療や研究機関の発達した現在でも有効的な治療法がないというのは驚きです。
    特に日本は清浄国なので、認識が少々甘い気もしますね。犬だけではなく人や他の動物にも感染する病気なら、予防ワクチンも犬だけではなく他の動物にも必要なのでは?と思います。
  • 50代以上 女性 てと

    狂犬病は海外では起きているものの、日本ではなんとか防げていますね。それも愛犬家の方がきちんと予防接種をしているからだと思います。ただ私は本当に日本にいる全ての犬が狂犬病を打っているのかな?と不安になったことがあり調べてみると受けさせてない犬もいることが分かりました。狂犬病は自分だけではなく、一度起きてしまったら広がってしまう可能性もあるので犬を飼う以上は起こさない努力をするべきだと思います。もっと狂犬病の恐ろしさを広めて義務をきちんと果たしてもらえるようになって欲しいです。
  • 女性 しめさば

    狂犬病から守るのはやはりワクチンしかないんですね。日本では心配ない、安心だと言われていますが、やはりウイルスは目に見えないものですから万が一のための対策は絶対必要ですよね。
  • 男性 バグジー

    40年以上前最初に飼った犬に狂犬病予防接種を受けて当日の夕方から苦しみ出して、夜に虹の橋に行ったので、それ以来犬達には狂犬病予防接種を受けて居ないです。
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