レトリーバーはアイコンタクトが多い
レトリーバー犬種は賢く、人間と共存しやすい犬種として知られています。
しかし、それは一体なぜなのでしょうか。
その理由として、社交性があることや協調性を持っていること、また陽気な性格を持つ子も多いため、一緒にいる飼い主を楽しい気分にさせてくれるという点で、犬の中でも特に人間と暮らしやすいと言われているのです。
また犬の中でもレトリーバーは、アイコンタクトを取る回数が多いということが実験によってわかっているのです。
犬のアイコンタクト実験
実は犬のアイコンタクトに関する実験は今までも数多く行われており、ある実験では「狼と犬ではどちらの方がアイコンタクトを取る回数が多いのか」という内容で行われたこともあります。
上記の実験に関してはシェパードやコリー、レトリーバーが犬の代表として実験に参加し、見事狼よりもアイコンタクトを取る回数が多いという結果を導き出しました。
しかし犬を飼っている人からしてみると、狼と比較するよりも犬の犬種別にアイコンタクトの回数を実験した方が犬種毎の性格などもわかり、興味深いですよね!
そこで2010年にアルゼンチンのブエノスアイレス大学において、ジャーマンシェパードやプードル、そしてレトリーバー犬種を使用した「犬が自らアイコンタクトを取りにくるか」という実験が行われました。
さらにそこから発展し、犬種間でアイコンタクトの回数に違いは見られるのかという実験まで行ったというから興味深いのです!
実験内容
実験の内容は、最初に犬が自ら人間に目を向けたところでご褒美を与えるという訓練を行い、その後その手順を教えた上で、犬がどれくらいアイコンタクトを取ろうとしてくるかを調査します。
しかし、これだけではすべての犬が「目を合わせればオヤツを貰える」と理解し、皆がアイコンタクトを取ることを義務と考えてしまうため、「犬種間でアイコンタクトの回数の違いは生まれるのか」という実験になりません。
したがって、アイコンタクトを取りに来ても毎回ご褒美を与えるのではなく、ある程度その訓練を行った後で突然ご褒美を与えないようにしたのです。
なぜならば、そうすることで犬種の間に「諦めてアイコンタクトを止めてしまう犬」と「それでも頑張ってアイコンタクトを取ろうとする犬」に分かれるからです。
レトリーバーはダントツ1位!
上記の実験を行った結果、なんと圧倒的な差をつけてレトリーバーがアイコンタクト回数が多く、ご褒美を貰えなくともジッと長時間、人間の目を見続けていたのです!
つまり、自分の意思をアイコンタクトを取ることで人間に伝えようと試みる気持ちが特に強いことがわかったのです。
今回の実験でレトリーバーと一緒に実験に参加したシェパードとプードルも賢い犬の代表格として知られています。特にシェパードに関しては警察犬などにも多く起用されているため、レトリーバーと同じように働く犬としても有名です。
しかし、その中でもダントツでレトリーバーがアイコンタクトを取ろうとしていたということは、この実験でもたらされた大きな結果だったのではないでしょうか。
アイコンタクトの重要さ
なぜ犬と生活をするにあたって、アイコンタクトが重要となってくるのでしょうか。
元々犬同士のアイコンタクトというのは敵意を表す行動です。例えば散歩中に相手の犬とジッと見つめ合っていたのであれば、それは攻撃姿勢をとっていることになります。
しかし群れの中では違った意味合いを持つことになります。
これは今なお残っている野生の本能が関係してきますが、群れの中ではリーダーである犬の指示をしっかりと聞く必要があります。つまり信頼関係を築けた上で、アイコンタクトを取ることによってリーダーからの指示を聞き取ろうとしているのです。
この場合の「群れ」というのは、現在でいう「家族」にあたります。
したがって、家の中でジッとアイコンタクトを取ってくる場合は、様々な意味がありますが「話を聞かなくちゃ」「伝えたいことがあるの」というように、犬の方からコミュニケーションを図っている状態なのです。
アイコンタクトは躾に繋がる
信頼関係が築けたことで、アイコンタクトを取るというのは犬と人間が共存する上でも特に重要です。先ほどもお話しした通り、アイコンタクトを取っている状態は聞く体勢が整っていることを表します。
つまり犬に対し躾をしっかり行うのであれば、まずは信頼関係を築き上げアイコンタクトを取るようにした方が躾しやすくなるのです。
どうすればアイコンタクトがとれるの?
まずアイコンタクトを取る第一歩は、名前を呼ぶことで犬が振り向き、目を合わせることができるようになることです。その後、教えたい躾を学ばせることで「アイコンタクトを取り、話を聞き、覚える」という習慣が身につくのです。
この時名前を呼んでも振り向かなかったり、アイコンタクトをしながら躾をしてもできなかったりすることがあるでしょう。
しかし、できなかったからといって強く怒ったり怒鳴ったりしてはいけません。そうしてしまうと、「アイコンタクトは嫌な事」という印象が犬に植え付いてしまい、今後アイコンタクトを取ろうとしなくなってしまう恐れがあります。
しかし逆を言えば、「アイコンタクトは良い事」という印象を与える事で、積極的にアイコンタクトを取ろうとしてくれるようになります。良い印象を与えるためには、アイコンタクトが取れたら褒めてあげたり、ご褒美を与えてあげるのが効果的です。
そうすることで「飼い主さんと目を合わせると良い事がある!」「信頼関係を築く事ができる!」というように、犬にとってもポジティブな感情へと移行しやすくなるのです。
まとめ
アイコンタクトは人間と犬が共存する上で、しっかりと意思を共有する大事なコミュニケーションの1つです。
その手段を特に駆使しているのが実験によってレトリーバーであったということがわかりましたが、もちろん他の犬種も多くがアイコンタクトを取ろうと飼い主さんを見つめます。
今後は愛犬がジッと自分の方を見つめてきたときには、「何か言いたい事があるのかも?」「頼ってきてくれているのね」と愛犬の気持ちを理解する1つの手段として、アイコンタクトを活用しましょう。
また日頃アイコンタクトを愛犬ととっていない人でも、「今からじゃ遅いかも…」ということはありません。
ぜひ今後も愛犬と仲良く楽しい生活を送るためにも、少しずつ実践してみてくださいね!
ユーザーのコメント
40代 女性 ラブをラブ❤️
お散歩中、なぜか決まった場所に来ると必ず、一回停止して、こっちをじっと見つめ、なでなでを要求してきます。
しつけをしてた頃、実はご褒美のクッキーなどを与えたことはなかったのですが、名前を呼んで犬が来たら思いっきりべた褒めーの撫でまくりーの、で通していたら、すぐ覚えてくれました。
なぜその場所に来ると、振り返ってアイコンタクトをして来るのかは謎ですが、大事なコミュニケーションとして、必ず私も応えます。