レイジ・シンドローム(突発性激怒症候群)について

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レイジ・シンドローム(突発性激怒症候群)について

レイジ・シンドロームと言う言葉を聞いた事がありますか?別名『突発性激怒症候群』とも言われ、突然激怒して他のワンちゃんや人間に対して噛み付くなどの攻撃行動をとる疾患です。ここではレイジ・シンドロームの原因や治療法について紹介して行きます。

監修:獣医師 加藤桂子先生

(伊達の街動物病院)

レイジ・シンドロームとは

凶暴な犬

今まで大人しかった愛犬が、突然他のワンちゃんや人間に対して激しく攻撃的になり噛み付いたりした場合、『レイジ・シンドローム』の可能性があるかもしれません。
そして場合によっては飼い主さんである貴方にもその矛先が向かうかも知れないんです。

レイジ・シンドロームとは、正式名を【スプリンガー・レイジ・シンドローム】と言い、日本では【突発性激怒症候群】と言われていて、最初に発病が確認されたのが『スプリンガー・スパニエル』と言う犬種だった事から、この病名が付けられそうです。

スプリンガー・スパニエル

噛み付くという行為は犬にはよく有りがちな事ですが、通常それには何らかの原因があります。
例えば『縄張りを守る』『優位性を示す』『恐怖』などの理由から攻撃する場合があります。
しかしこの疾患は、理由ある怒りからの攻撃ではなく、犬に怒りの意識が無いのに突然なんの前触れもなく噛み付いてしまうという大変厄介な症状があります。
もし原因もなく噛み付くようになってしまった時は、スプリンガー・レイジ・シンドロームの疑いがあるので直ぐに動物病院に連れて行きましょう。

凶暴

スプリンガー・レイジ・シンドロームの症状と原因

症状

  • 何の前触れもなく突然怒り出す
  • 辺り構わず攻撃する
  • 周囲の物を壊してしまう
  • 周りにいる動物や人に危害を加える

これらの症状が現れている時は、ある種の発作状態になっていて、犬自身にはあまり意識はありません。
発作が治まると、何も無かったの如くぼんやしている事が多い様です。

原因

ある研究によると、脳の興奮を落ち着かせる【セロトニン】という脳内伝達物質の量が低下する事が原因で発症するとも言われています。
そして、攻撃行動による噛み付き行為は躾などで抑制できるものではなく、そのため動物病院での治療が必要になります。
しかも、МRIの様な最新の脳内撮影機器がある大きな動物病院で治療しなければならないケースもあります。

治療法は?

スプリンガー・レイジ・シンドロームは、現在のところ根本的な治療法は確立されていません。
治療法としては薬物療法しかありません。
基本的には『抗てんかん薬』を投与して様子を見る事になります。

犬と獣医

『この治療法で発作が治まる事もある』とされていますので、諦めずに根気よく治療を継続させる事が肝要です。
例え愛犬がこの病に侵されても、今まで以上の愛情を注いで上げる事が重要です。

また、この病気が発症し易いと言われている犬種はスパニエル種の他に、レトリバー種,テリア種で、全体として単色系の犬に比較的多く見られるとされています。

まとめ

以前私の住んでいた地域に、やたら怒って人やワンちゃんに噛み付く雌の秋田犬がいて、その地域では凶暴犬と言われる評判な犬でした。
ただ怒りっぽくて怒るのかスプリンガー・レイジ・シンドロームだったのかは定かではありません。
当時はこの病気を全く知りませんでしたので、『躾していないのか、この飼い主は』と苦々しく思っていました。

私と愛犬がその秋田犬に遭遇した時は、既にマズルに口輪を装着した状態で散歩していました。
襲われたら困ると思いまして、秋田犬が通り過ぎるまで道の端っこで愛犬と立ち止まっていました。
すると、私達に気付いた秋田犬は怒り出してヨダレを垂らし唸りながら吠えるのです。
あの大きな秋田犬の体を支える飼い主さんは、自分の体に太いロープの様なリードを巻いて必死になって、こちらに突進しようとしている自分の犬を食い止めていました。
今から考えますと、もしあの秋田犬がこの病気だったとしたら、飼い主さんは大変ご苦労されていたのだと思います。
5年も経った現在でも、あの時の秋田犬が思い出されます。

スプリンガー・レイジ・シンドロームという病気は未だ研究途上であり、分からない部分が多いと言われています。
そのため完治するかは不明ですが、ただある程度は投薬による発作のコントロールは可能だそうです。
この病気が疑われたら、まずは検査を受け診断してもらい、治療を継続させる事が最も重要になります。

遺伝性疾患の場合もあるので、どんな犬種を飼うにしても、ペットショップやブリーダーから癲癇やスプリンガー・レイジ・シンドローム、またはその他の病気を発症した事があるのか、親兄弟,祖父母,曾祖父母の代まで確認する事をお勧めします。

もし、自分の愛する犬がこの種類の病気なると、飼い主さんに掛かる精神的プレッシャーは大変大きなものになるでしょうし、状況によってはとても危険なケースもあります。
ただ、家族として迎えた後にもしそうなってしまったら、『これも運命だ』と気持ちを切り替えるしかないとは思います。
でも決して諦めてはいけません。
『絶対治る』、『治してみせる』と言う強い気持ちを忘れずに愛犬を見守ってあげて下さい。

見守る

スプリンガー・レイジ・シンドロームに完全な治療法はありませんが、これからの研究が進み解明されて行く事を期待しましょう。

記事の監修

  • 獣医師
  • 加藤桂子先生
  • (伊達の街動物病院 獣医師)

日本獣医生命科学大学卒業。仙台市の動物病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

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  • 30代 女性 匿名

    このような病気がある事を恥ずかしながら今知りました。

    今まで8匹の子を迎えてきました。
    今は1匹ですが、幸いにも私の愛犬達にはその様な子も症状が出た子も居らず
    本日新たに迎える子がおりますが、また新たに一つ学べた事に感謝です。
  • 女性 匿名

    アメリカンコッカーにも多いような気がしてます。
    知り合いのお宅のコッカーは家族全員を病院送りにしてます、たぶんこの病気ではないでしょうか。
    突然、何の意思も無くなるように瞳がビー玉のようになって襲いかかるそうです。
  • 女性 匿名

    ウチの癲癇持ちの5歳のミックス犬がもしかしたらその病気かもしれません。普段はおとなしくおだやかなのですが ここ最近急に前触れもなく豹変したまに襲ってきます。他の犬もびっくりしています。しかも本気噛みで。その後は我にすぐ帰り普段通りです。末長く見守っていろいろ試行錯誤し病院などで相談しようかと思います( ◠‿◠ )
  • 女性 匿名

    4月に虹の橋を渡って行った子もこの病気だと思います、何の前触れなく本気噛みでした病院通いは何回行った事か、でも普段はとてもいい子でした13年一緒に楽しい日々でした。病気だと解っていたらもっとスキンシップが楽だったと思います。今度の子も同じ犬種のアメコカですがこの子は大丈夫なようです。
  • 40代 女性 匿名

    我が家には、てんかん持ちのボストンテリアが居ます。1年半前、2歳の時に里子で迎え入れました。てんかんを発症したのは3歳過ぎてからですが、その少し前から何の前フリなく本気咬みすることが有りました。最初はどこかで接し方を間違えてしまったんだと躾について学び直しました。そんなつもりはなくとも里子で来てるため、無意識に甘やかしがあったのではないか、と。試行錯誤したものの、好転せず、私も主人も怪我が絶えず…。
    最近になって、てんかんについて調べている時に、この病気について知りました。
    もしかして…とゆう思いもありますが、病気のせいにして逃げてるんではないか、とゆう気持ちとの間で葛藤しています。躾の間違いであれば正しく対応すれば直るわけで…。てんかんを診断してもらった病院で相談した方が良いのでしょうね。
  • 50代以上 男性 sam

    イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルを飼い始め2匹目になります。
    初代スプは、5歳程度からしつけの為に怒ると(口だけで叱る)反抗を始め噛もうとする素振りを見せ始め、飼い主を威嚇してるかのような感じで、6~7歳にかけて完全に症候群となり、飼い主に対し噛み始めました、まったくと言って状況がつかめない中、怒られる事からの恐怖で始まったものと思い、普段なにも症状がない落ち着いた時に、何気ない行動でも褒め称える事に切り替え、常に落ち着かせる事に専念しました。但しいつ噛まれるか分からない状況で恐怖との戦いでした。約1年程だと思いますが激怒の症状が治まり、噛む事は無くなり気に入らない時だけ歯をむき出しにするがそれ以上は無くなりました。
    その後、その子の親、兄弟全て激怒症候群と分かり隔離または短命だったそうです。
    この病気以外、性格はとても良く本気で好きな子でした。
    2代目はスプリンガーの良さに親の状態も調べた中で、兆候が無い事を確認し再度飼い始め9年になりますが、まったく心配がありません。
  • 50代以上 女性 こてつ

    愛護センターより生後二か月の子を引き取り、現在七歳16キロ、外見は紀州犬。
    暮れに手足を噛まれました。こたつに入っているのを知らずに私が手足を入れたときです。
    噛まれたのは八回目。
    成犬になったころから、突然目つきが変わるようになり、家族もそれぞれ噛まれ、合計30回ほど噛まれています。
    今では散歩に連れて行けるのは私だけになりました。
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