犬のトキソプラズマ症について~症状・原因から治療・予防法まで~

【獣医師監修】犬のトキソプラズマ症について~症状・原因から治療・予防法まで~

トキソプラズマと呼ばれる虫の寄生によって発症する「トキソプラズマ症」。いつもは衛生的な環境で育っている我が家の愛犬には無関係だと思っていませんか?実は、あちらこちらにトキソプラズマに感染するリスクは潜んでいるのです。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬のトキソプラズマ症について

犬と外を眺める少年

トキソプラズマと聞いて一般的にイメージするのは猫やキツネといった類の動物ではないでしょうか?しかし、犬もこのトキソプラズマに感染するリスクは十分にあります。

それはおろか、人を含めた哺乳類全般に感染する可能性を秘めています。このような人類と哺乳類全般に感染リスクのある症状を人獣共通感染症と呼ばれています。さて、一体どのような病気なのでしょうか。

犬のトキソプラズマ症の症状

犬がもしもトキソプラズマに感染したとしても、無症状であるケースが多いです。時には熱を出したり妊娠中であるならば、流産や死産を起こすリスクもあります。また、子犬といったような免疫力がまだ低い犬の場合は肺炎や肝炎といった内臓器官の炎症が起こることがあります。

犬がトキソプラズマ症になる原因

トキソプラズマ症はトキソプラズマと呼ばれる原虫の寄生によって起こります。感染ルートは様々です。トキソプラズマの卵を直接口から摂取したときに感染するのが一般例ですが、その感染ルートは様々です。

まず、トキソプラズマに感染している生肉を食べたりした際に感染します。特に市販の豚肉や牛肉はトキソプラズマに感染している事もあります。また、生肉を食べなくても、その生肉を調理したまな板にもトキソプラズマが付着している場合もあります。そんなまな板で野菜を切ったりして、その野菜を犬に与えてしまう事で感染する事もあります。

次に、トキソプラズマに感染している猫のフンを舐めたり鼻孔に接触した際にも感染します。また、直接フンを舐めなくても、フンに触れた足や手を舐めて掃除する際にも感染します。大型犬や中型犬は毎日の散歩が必須です。いくら家の中を衛生的に管理していても、外には様々な感染驚異があります。

犬のトキソプラズマ症の治療方法

サルファ剤や抗生剤の投与が一般的です。また、発熱といったような並行症状がでる場合はその症状に合った治療も行います。

犬のトキソプラズマ症の予防方法

ともかく、感染リスクのある物には「近寄らせない」「触れさせない」「食べさせない」の三原則が大事です。
上記の通り、生肉による感染が最も怖いです。何の変哲もない牛肉や豚肉は生で与える事によって犬にとっては毒に成り得ます。そでは逆に調理をして、火を通せば良いのでしょうか?

その答えは「○」です。
トキソプラズマは熱に弱いという弱点があります。調理といったような簡単な加熱で死滅します。トキソプラズマに感染している豚肉や牛肉を我々人間が食べても発症しないのはこのためです。しかし一方で、加熱が十分ではなく、生焼けであったり生煮えである状態の肉を食べた時、まだトキソプラズマが生きている可能性があるため、感染する事もあります。

生肉による感染の予防は、下記の2点になります。

  • 生肉を上げない事
  • 肉を与える場合は十分に火を通してから与える事

次に、猫のフンからの感染を予防する方法ですが、ともかく「近づかせない事」です。これは散歩に付いて行っている飼い主の責任であります。犬は好奇心旺盛なので、なんでも舐めたり口にいれたりします。躾などによってそれを極力なくすように心がけましょう。

トキソプラズマは空気感染する事はありません。それは逆に言うと、感染リスクのある物に接触さえしなければ感染しないという事です。肉を与える際も散歩をする際も、飼い主はしっかり注意してあげてくださいね。

まとめ

犬と肉

トキソプラズマ症は命に関わるリスクが少ない病気です。しかし、一方で比較的容易に感染するため、広がりはとても早いです。もっとも、犬はトキソプラズマにとっては中間媒体に過ぎないため、猫のフンと違い、犬のフンからトキソプラズマの卵が検出される事はほとんどありません。

なので、多頭飼いをしている飼い主さんは感染が確認された犬をそこまで厳格に隔離したりする必要はありません。それでも、トキソプラズマに感染した動物と暮らす事は一定のリスクを背負う事になるため、ともかく早めに病院へ連れて行ってあげるようにしましょう。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 今田

    結構多くの人がこの「トキソプラズマ」という言葉を知っているような気がします。私もどこかでトキソプラズマという言葉を聞き、それを覚えています。母からトキソプラズマに感染しないように、生肉は気をつけなさいと言われたこともあります。確かに、キツネなどに接近する時にこの病気に感染する可能性があると聞いたこともありました。人間を含めた哺乳類全般に感染する可能性があるなんて知りませんでしたが、怖いですね・・・。しかし、熱に弱いという弱点があるようなので、安心しました。よく犬に生肉をあげた方が良いと言う人もいますが、トキソプラズマの感染のことを思うと、やはり茹でたりと熱を通した方が良さそうですね。安易に感染しないように、飼い主さんがよく注意しておきたいものです。
  • 投稿者

    50代以上 男性 ten

    トキソプラズマは、よく妊婦は猫を飼ってはいけないと言われる所以です。トキソプラズマに感染している猫の糞を介して妊婦が初めて感染する場合には、胎児に悪影響があるためです。妊娠前に感染経験があれば抗体が出来ているので大丈夫と聞いています。生肉が危険だというのは周知のことと思います、ユッケも禁止されましたしさすがに人間が生肉を食べる機会はあまりないかもしれませんが、意外なのが生ハムによるトキソプラズマ感染でしょうか。
    それにしても犬は胃酸が強力と聞いていたので、つい生焼けでも大丈夫だと思い肉を与えてしまうことがありますが、トキソプラズマ感染の影響を考えるとこれからは良く焼いたものを与えることにします。犬への生肉食を推奨する方がいますが、そういえばそれは大丈夫なんでしょうかね。
  • 投稿者

    40代 女性 かえまり

     トキソプラズマ症にならないためには、糞に近寄らせないようにしないといけないのですね。私が第一子を妊娠したときに、トキソプラズマ症にならないようにと、言われたのを思い出しました。当時は犬を飼っていましたので、気をつけていました。犬がトキソプラズマ症に感染すると下痢などや熱が出たりします。人間が感染しても妊娠中は流産や死産になったりと、怖い病気なので気を付けなければなりませんね。生肉を与えないようにしたり、生肉を切ったまな板で切った野菜などをあげないように気を付けようと思います。ただ、空気感染はしないそうなので、安心しました‼糞を舐めたり匂ったり触れないように気を付けましょう。糞で汚染された手足を毛づくろいをしていると感染するみたいで、目を光らせておこうとおもいました。
  • 投稿者

    40代 女性 華

    記事を読んで怖い病原菌だなと実感しました。記事に書いてあるような症状の他に、持続性の発熱や食欲不振や下痢の他に痙攣や麻痺、運動失調とかの神経症状も可能性があるそうで、慢性化すると免疫機能が低下している場合には下痢などの消化器や呼吸も困難になってしまう可能性があるそうで筋肉が衰えるとの事で我が家の犬も人間もしっかり予防が必要だなと実感しました。それにトキソプラズマは症状が治まっても再発の可能性があるそうなので愛犬のお散歩の時にも拾い食いなどをさせないようにしっかり「しつけ」をして人への感染の可能性もあるとのことなので私自身も手洗いや衛生面にもしっかり気をつけなくてはと感じました。
  • 投稿者

    20代 女性 てとめる


    トキソプラズマは毎年ニュースでも流れるほど人間にとっても有名な病気のひとつですよね。生肉を切ったあとに愛犬にあげるために生野菜を切ってしまうのは分かっていてもうっかりしてしまいそうだったので、この記事をみて気が引き締まりました!我が家の愛犬は老犬なので無症状ではありますが、妊娠している犬や幼い犬にはとても問題だと思います。最近はペットフードより人間と同じ食事(もちろん味は抑えているもの)を与えている方が増えていると聞くので、きちんとした感染予防が広がればと思います。また落ちているものを食べないことはトキソプラズマに限らず様々な病気を呼んでしまうので、この記事にもあるようにしっかりと躾をするべきだと思います。
  • 投稿者

    30代 女性 ハッピー

    トキソプラズマは獣医さんから聞いていたので十分注意しています。特にうちの場合は手作り食なので、トキソプラズマに感染する可能性の高い肉などを与える場合は、必ず火を通すようにして、安全な状態で与えています。それでも散歩やお出かけする時など、場合によっては防ぐ事が難しいので、拾い食いのしつけや散歩コースの下見を徹底したりしてトキソプラズマ対策しています。
  • 投稿者

    20代 女性 まる

    トキソプラズマはみんなが知ってるような有名な病気ですね。犬に感染しても無症状なんですね。はじめて知りました。自分がちょうどトキソプラズマが流行するような時期に妊婦だったことがあるので、愛犬がかかっていなくて良かったです。むしろこの記事を読むまでは犬はトキソプラズマにかかるなんて考えてもなかったです(^_^;)最近、こういう記事を読んでいて人間と犬は割と同じ病気になりやすいんだなと思っています(^_^;)
  • 投稿者

    30代 女性 michiru

    トキソプラズマ症は人獣共通感染症とはいえ、命に関わることは少ない病気であるという点であまり深く考えたことがありませんでした。しかし、妊娠中に初めてトキソプラズマに感染した場合は、胎児へと感染し、障害を残してしまったり、最悪の場合死産となってしまったりすることもあるようです。

    トキソプラズマ症は猫に発症することが多いイメージですが、猫と共同生活をしているわんちゃんはもちろん、大型犬に生肉を与えることがあるご家庭は、注意する必要がありそうですね。子犬やシニア犬、免疫力が低いわんちゃんは、症状が重篤化することもあるので、早めに受診することが重要になるようです。
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