犬が病気になる『間違った飼い方』4選 お互いが辛い思いをしないために知っておくべきこと

犬が病気になる『間違った飼い方』4選 お互いが辛い思いをしないために知っておくべきこと

大切な愛犬には、いつも元気でいてほしいですよね。でも飼い主さんの間違った飼い方が原因で、愛犬が病気になってしまうことがあるのを知っていますか?この記事では、犬が病気になる『間違った飼い方』についてご紹介します。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

『間違った飼い方』が愛犬を病気にしてしまうことも…

食欲がなさそうなゴールデン・レトリーバー

犬は「痛い」とか「つらい」と言葉で伝えることができないだけに、愛犬が病気で元気をなくしている姿を見ると、飼い主さんは心配や不安でいっぱいになると思います。代わってあげられるものなら代わってあげたいという気持ちにもなるのではないでしょうか。

愛犬が病気になる原因はさまざまですが、じつは飼い主さんの間違った飼い方が愛犬を病気にしてしまうこともあるので注意が必要です。そこで今回は、犬が病気になる『間違った飼い方』をご紹介していきたいと思います。

犬が病気になる『間違った飼い方』①歯磨きをしない

歯ブラシをくわえるダックスフンド

犬は虫歯になりにくいですが、歯磨きは必要です。歯磨きをしないでいると、歯周病になってしまうからです。歯周病と聞くと、口腔内だけのトラブルとイメージするかもしれませんが、歯周病が重度になると鼻や目にまで異常が及んだり、顎の骨が折れてしまったりすることも多くあります。

また、重度の歯周病があるとご飯が思うように食べられなくなったり痛みを抱えたりして犬自身も苦しみますし、口臭が非常に強くなって飼い主さんにも不快感を与えます。

さらに、歯周病があると細菌や炎症にかかわる物質が血液を介して全身に影響を与えることがあります。犬では、歯周病を放置すると腎臓や心臓などに病気を引き起こす可能性が指摘されています。歯周病は、歯だけの問題ではなく全身の臓器にまで影響を及ぼし、愛犬の生活に大きな影響を与える怖い病気なのです。

歯磨きが苦手な犬は多いですが、だからといってやらないでいると歯周病になるリスクが増すばかりです。最初は愛犬の口周りを触ることから始め、少しずつ歯磨きに慣らしていきましょう。ちなみに歯周病予防では、歯周ポケットにたまった歯垢や歯石を除去することが重要であるため、デンタルケア用のおもちゃやおやつだけでは不十分です。

犬の歯垢は人の5~8倍のスピードで歯石になると言われており、毎日歯磨きをするのが理想です。難しければ、最低でも3日に1回は行うようにしましょう。

犬が病気になる『間違った飼い方』②散歩をしない

散歩の時間を待つコーギー

疲れていたり忙しかったりすると、つい愛犬の散歩をサボってしまいがちですが、犬にとって散歩はとても大切なものです。散歩量が少ないと、運動不足で肥満になるリスクが高まります。超小型犬に対し、「家の中で遊ぶだけで十分」と説明するペットショップが今でもあるようですが、犬種や体の大きさにかかわらず、散歩に連れて行く必要のない犬はいません。

散歩に行かないことのデメリットは、運動不足になることだけではありません。外に行かずに家の中だけで過ごすのは犬にとって刺激が少なく、退屈でストレスがたまります。ストレスは免疫力を下げ、さまざまな病気を引き起こす原因になることもありますが、それ以前に外に行かずに刺激が少な過ぎる生活は犬の精神面にとって健康的ではありません。

散歩をすることは、日々の運動として犬の健康に必要なだけではなく、足腰を鍛えることで老犬になった時もできるだけ健康でいることにつながったり、外のにおいや音や風景、他の犬や人との出会いが脳に刺激を与え、精神的にも活発になり、毎日の生活をより豊かにしてくれます。また、適度な運動は犬でも認知症の予防や症状の悪化抑制につながったりすることが考えられるでしょう。 犬種や年齢に関係なく、散歩に行かなくて良い犬はいません。できる限り毎日散歩に連れて行きましょう。老化やけがなどで歩行が困難な場合は、抱っこやカートでの散歩をすることもおすすめです。自分で歩けなくても、外に出て色々なことを感じ脳に刺激が与えられることは犬の健康にとって良いことです。

犬が病気になる『間違った飼い方』③人間の食事を与える

ハンバーガーのにおいを嗅ぐビーグル

飼い主さんが食事をしているときに愛犬におねだりされると、つい食べている物をおすそ分けしてあげたくなりますよね。でも人間が食べるために調理されたものは、犬にとって有害なものが含まれていたり、不要な味付けがしてあって、犬の健康にとって良くない場合が多くあります。

タマネギや長ネギなどのネギ類は犬にNGな食べ物としてよく知られていますが、タマネギや長ネギそのものを直接与えなくても、ハンバーグやシチュー、すき焼き、肉じゃがなどネギ類を使った料理や煮汁を与えることでもネギ中毒を起こす可能性があります。

犬に有害な成分や過剰な塩分や糖分などが含まれていないとしても、愛犬のご飯以外に飼い主さんの食事から食べ物を分け与えていたら、愛犬にとっては食べ過ぎになり肥満の原因にもなります。

また、「ねだればおいしいものがもらえる」と学習した愛犬が、飼い主さんが食事をしていると膝の上、果てはテーブルの上に乗ってきたりするようにもなります。そうなると、飼い主さんの食事を分け与えるのをやめたくなるでしょうが、やめさせるのも大変ですし、愛犬にしてみれば「もらえると学習したものをもらえなくなる」ことになり、愛犬と飼い主さんの両方が嫌な思いをすることになります。

飼い主さんは愛犬への愛情で人間の食事を与えてしまうことが多いと思いますが、結局は愛犬を肥満や病気にしてしまったり、つらい思いをさせることになりかねないので、人間の食事を与えるのはやめましょう。

飼い主さんの食事時にどうしてもおいしいものをあげたいのであれば、調理中に味付け前の野菜や肉などを愛犬用に取り分けておき、与える時も、飼い主さんの食事中に愛犬がおとなしく待っていたら、愛犬の食器に入れて食べさせてあげる、などとすると良いでしょう。

この場合には、もちろん犬が食べて良いものかどうかを確認し、与える分、愛犬のご飯やおやつを減らして食べ過ぎにならないようにしましょう。

犬が病気になる『間違った飼い方』④食べさせ過ぎる

山盛りのフードとパグ

犬は基本的に食いしん坊なので、フードやおやつを与えられたら与えられただけ食べてしまいます。言うまでもなく、食べさせ過ぎは肥満の原因になります。犬にとっても肥満は万病の元で、椎間板ヘルニア、糖尿病、関節炎、心臓病、膵炎などさまざまな病気を起こりやすくさせます。

フードは、愛犬のライフステージに合ったものを適量与えることが大切です。フードの適量は、パッケージに記載されている給与量を目安にしましょう。記載されている体重は、現在の体重ではなく適正体重を指しているので注意を。体重が5㎏でも適正体重が3㎏の犬なら、3㎏の欄に記載されている給与量が適量の目安ということになります。

おやつを与える場合は1日の食事量の10%以内にとどめ、その分だけ食事の量を減らすようにしましょう。

まとめ

楽しそうに散歩をするジャック・ラッセル・テリア

今回は、犬が病気になる『間違った飼い方』をご紹介しました。間違った飼い方をしたせいで愛犬が病気になってしまったら、飼い主さんもつらいはずです。愛犬が病気になってから後悔しないように、ご紹介したような間違った飼い方はしないように注意しましょう。もし今回当てはまるものがあったのなら、愛犬が病気になる前にぜひ改めてあげてくださいね。

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