1.椎間板ヘルニア
椎間板とは背骨のクッション
椎間板ヘルニアは人間にも起こる病気で、背骨の「椎間板」という部位にトラブルが起こる病気です。背骨は小さいブロック状に連なっている構造をしているのですが、椎間板は背骨のブロックとブロックの間に挟まっているゼリー状の組織です。
椎間板が背骨のブロックに挟まっていることでクッションの役割りを果たしています。
「椎間板ヘルニア」は椎間板が飛び出てしまう病気
椎間板ヘルニアは、この椎間板が収まっているべき場所から飛び出てしまうことで起こります。飛び出た椎間板が脊髄を圧迫することで麻痺症状を起こし、歩行などの運動に不具合が出てしまう病気です。
足が短い犬種は足が長い犬種に比べてもともと椎間板にかかる負荷が大きいため、椎間板ヘルニアを引き起こしやすく注意が必要な犬種です。
2.骨折・脱臼
骨や関節に負荷がかかりやすい体型
足が短い犬種は、短い足でしっかりしたボディーを支えています。激しい運動時やジャンプした時などには瞬間的に大きな負荷が骨や関節にかかるため、骨折や脱臼にも気を付けなくてはいけません。
足が短いと言えども、コーギーやダックスフンドなどの人気の犬種は活発な子も多いため、激しい運動や無理な動作のし過ぎに注意しましょう。
脱臼を放置すると治療困難になる恐れも
脱臼の場合には軽度のものから重度のものまでありますが、軽度の脱臼は飼い主さんが気付きにくい場合もあります。脱臼したまま放置してしまうと悪化してしまい、完治が困難になったり癖になって繰り返しやすくなる恐れがあります。
3.股関節形成不全症
股関節形成不全症とは
股関節形成不全症とは、成長の過程で骨盤と太ももの骨に異常が現れてしまい、股関節が正常に形成されないという病気です。股関節は歩行に密接に関係した部位ですので、股関節が変形して成長してしまうと骨がスムーズに動かないことによる炎症や強い痛みを伴います。
遺伝的な要因が大きいが肥満でもリスクが上がる
股関節形成不全症は遺伝的な要因が大きいので、完全に予防することが難しい病気です。しかし、生まれ持った要因だけでなく成長期に肥満であることで発症のリスクが高まると言われています。
予防法1.肥満にならない
足が短い犬種が骨や関節を守る1番の方法は「肥満にならないこと」です。体重が重くなりすぎると、短い足でボディを支えたり運動をしたりする時に大きな負荷がかかってしまい、骨折や脱臼、椎間板ヘルニアなどの原因になってしまいます。
予防法2.高所への昇り降りをさせない
2つ目の予防法は「高い場所への昇り降りを避けること」です。ソファーやベッドにジャンプして乗り降りすると、その衝撃が椎間板に大きな負荷を与える原因となります。ドッグスロープを設置したり愛犬が上れないように工夫するなどして、高所への昇り降りには十分注意してあげましょう。
予防法3.床で滑らないように対策する
フローリングで滑らないように注意
フローリングが滑りやすい状態だと愛犬の転倒の原因となったり、滑って踏ん張った時に関節に強い負荷がかかってしまいます。愛犬が行動するお部屋にはマットやカーペットを敷いてあげると、走ったりジャンプしたりして遊んだ時にも安心です。
足裏の毛が肉球に被ると滑りやすくなる
足の裏の毛が伸びていると肉球を覆ってしまうためフローリングで滑りやすくなります。愛犬の肉球がしっかり見えている状態かどうかをチェックし、肉球に毛がかかり始めたらトリミングサロン等でカットしてもらいましょう。
まとめ
今回は足の短い犬種がかかりやすい病気とその予防法について解説いたしました。家庭犬として人気のあるダックスフンドやコーギーなどの"短足犬"は、その短い足がなんともチャーミングで根強くファンがいる犬種です。
しかし、短足であるがゆえに骨や関節に負担がかかりやすいため、日頃から注意してあげる必要がある犬種でもあります。
短足犬がなりやすい病気に共通している予防法は
- 肥満にならないこと
- 高所へ昇り降りさせないこと
- 床で滑らないようにケアすること
の3つです。短足犬と暮らす方はぜひ、愛犬の食生活や過ごす環境を整えてあげてください。