【要注意!】鼻ぺちゃ犬が興奮すると命を落とす可能性も!

【要注意!】鼻ぺちゃ犬が興奮すると命を落とす可能性も!

パグやシーズー、チワワなど、マズルが短い短頭種は「鼻ぺちゃ犬」とも呼ばれています。この短頭種はそのマズルの短さによって、呼吸器系のトラブルが起こりやすいと言われています。今回は、短頭種が気を付けたい「興奮した時」について解説いたします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

「短頭種」とは?

舌を出しているフレンチブルドッグ

頭蓋骨とマズルの長さの対比

犬にはさまざまな犬種がありますが、頭部の骨格で区分けされた「長頭種」「中頭種」「短頭種」という3つの分類があります。そのうちの「短頭種」とは、頭蓋骨とマズルの長さを比べてマズルの長さの方が短い犬種のことです。

短頭種はまるで鼻が低いように見えることから「鼻ぺちゃ犬」とも呼ばれています。「長頭種」は頭蓋骨よりもマズルの方が長い犬種、「中頭種」は頭蓋骨とマズルが同じくらいの長さの犬種となります。

短頭種は品種改良によって生まれた犬種

犬は人間の手によって品種改良されてきましたが、短頭種もまた品種改良によって生まれた犬種です。どうして鼻ぺちゃにしたのかには大きく2つの理由があります。1つは見た目の愛らしさを重視した「愛玩犬」として、もう1つは狩猟や戦いに特化した「使役犬」として、マズルが短い犬種が求められていたためです。

「鼻ぺちゃ」による呼吸器系のトラブル

聴診器を当てられているシーズー

「鼻ぺちゃ犬」は他の犬種と比べて呼吸器系のトラブルを引き起こしやすい、という注意点があります。

短頭種は品種改良によって「鼻が短い」「口の中の面積が狭い」という特徴を持っていますので

  • 鼻腔狭窄(鼻の穴が狭い)
  • 軟口蓋過長症(軟口蓋という部位が伸びる)
  • 気管虚脱(気道が潰れる)

などを引き起こしやすく、呼吸困難に注意しなければいけません。

鼻腔狭窄とは

「鼻腔狭窄」とは、鼻の穴が小さすぎるという状態のことを言います。短頭種はもともと鼻の穴が小さく、先天的に鼻腔狭窄である場合がほとんどです。

鼻の穴が小さいので鼻呼吸が困難になり

  • 慢性的ないびき
  • 少し運動しただけでパンティングをする
  • 運動時にガーガーと音を立てて呼吸をする

などの様子が見られます。

軟口蓋過長症とは

同じ口や鼻の働きであるのに、呼吸をする時と食べたり飲んだりする時とでは自然に鼻腔と口腔を遮断することができますよね。この鼻腔と口腔を分けるシャッターのような役割をしているのが「軟口蓋」という部位です。

このシャッター部分である軟口蓋が分厚く長く垂れ下がって呼吸が苦しくなってしまったり、食べ物をうまく飲み込めなくなってしまった状態を「軟口蓋過長症」と言います。軟口蓋過長症は先天的な場合もありますし、加齢とともに軟口蓋が肥大化していく場合もあります。

気管虚脱とは

「気管虚脱」とは、気管が変形して潰れてしまう病気です。呼吸によって酸素を取り込み二酸化炭素を排出する気管は本来筒状をしていますが、その筒が潰れてしまった状態になります。

気管が潰れたホースのようになってしまうため、

  • 「ガーガー」「ゼーゼー」と呼吸音がする
  • 乾いた咳が出る
  • 呼吸困難

などの症状が見られます。

気管虚脱が起こる原因ははっきりしていませんが、遺伝的な要因が大きいと言われています。また、肥満や吠え過ぎること、そしてリードを強く引っ張ることによる外部的な原因も考えられています。

呼吸器トラブルは興奮時に悪化しやすい

ボールで遊ぶパグ

犬が興奮してしまう場面

「興奮」と聞くと嬉しかったり楽しかったりするイメージですが、犬が興奮しやすい場面はたくさんあります。

  • 嬉しい時
  • 楽しい時
  • 運動している時
  • 吠え続ける時
  • 怖い時
  • 不安な時
  • 怒っている時

犬は人間ほどに理性を持って自分を律することはできません。そのため、犬はさまざまなシーンで簡単に興奮状態になりやすいのです。

興奮時に失神してしまうことも

呼吸器系にトラブルを起こしやすい短頭種の場合、興奮状態が続くと呼吸が充分にできなくなって酸欠を起こしてしまう危険があります。

犬が興奮した時には

  • 呼吸が浅く荒くなる
  • 無理な呼吸で喉が腫れる
  • 吠え続ける
  • 激しい動きをしてしまう

などの様子が見られやすく、もともと呼吸器トラブルを引き起こしやすい短頭種は特に注意が必要です。興奮しすぎてしまうと血中酸素が低下して皮膚や粘膜が紫色になるチアノーゼが見られたり、重篤な場合は酸欠により失神してしまうこともあります。

愛犬を興奮させないようにするには?

ジャンプする女性とチワワ

「座らせること」が効果的

短頭種を飼われている場合は、過度に興奮する癖をつけないことが重要です。

もし愛犬が興奮し始めたと感じたら

  • おすわりをさせる
  • 「待て」の指令を出す
  • 愛犬をホールドして動きを制する

など、愛犬のあふれ出る興奮を抑制するしつけを行いましょう。特に、犬は座ると心が鎮まりやすいと言われていますので「おすわり」をさせるのが効果的です。「待て」のしつけをマスターしている場合は、おすわりの前に「待て」を入れるとなお効果的でしょう。

愛犬の動き自体を制御する

興奮して飼い主さんのコマンドを聞けなくなっている状態の場合は、飼い主さんが愛犬の身体をホールドして動き自体を制御すると興奮が落ち着きやすいです。この時も愛犬の腰を優しく支えて座らせると良いでしょう。

飼い主さんが冷静さを保つことも重要

犬は飼い主さんのテンションに感化されやすいため、愛犬が興奮しても飼い主さんは冷静さを保つことも重要です。もちろん犬にも感情がありますので、嬉しい時や楽しい時には転げまわって感情表現したい気持ちがあるのも当然です。しかし、呼吸器系のトラブルを起こしやすい短頭種の場合は特に上記のしつけを習慣化し、愛犬に過度に興奮させる癖をつけないようにしましょう。

まとめ

女性獣医師と白い犬

呼吸は生きる上で大変重要で、呼吸が上手くできないと命に関わります。マズルの短い短頭種はその身体の特徴によって、呼吸器のトラブルを起こしやすいという注意点があります。

特に気を付けたいのは過度に興奮した時で、興奮による呼吸の乱れや吠え続けること、激しく動き回ることによって酸欠状態になりやすい場面です。過度に興奮しすぎると失神してしまうこともありますので、短頭種の場合は興奮させすぎないようにすることが重要です。愛犬が興奮してしまった時には「待て」「おすわり」などのコマンドを出すか、愛犬の動き自体を制御して興奮を鎮める習慣を付けましょう。

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