犬の病気は突然訪れます
病気に気づいたときには悪化していることも
毎日、元気いっぱいにお散歩して、ご飯もモリモリ食べて食欲旺盛な愛犬であれば、「うちの子は病気と無縁だな」と感じながら過ごすと思います。しかし、病気は突然訪れるもの。しかも、犬は言葉で意思表示ができないので、飼い主さんがちょっとした体調の変化に気づくことができなければ、思いのほか病状が悪化したときに初めて発覚するケースもあると思います。
犬がかかりやすい病気であれば、ご自宅から近い、いつもお世話になっている動物病院での治療も可能かと思いますが、あまり例のない珍しい病気、また難病と言われるものであれば、遠方の専門医に治療してもらうことが必要になります。
愛犬が病気になったとき飼い主さんができることは?
実際、我が家の愛犬も突然病気になり、遠方の病院へ通院していました。多いときであれば週に一度、それを半年間続けていた過去があり、時間もお金も相当かかった記憶があります。
珍しい病気や難病になってしまった場合、信頼できる獣医さんと相談しながら治療を進めることになると思いますが、飼い主さん自身もその病気に対して、少しでも知識を入れておけば愛犬にしてあげられることがあると思います。愛犬には病気になってほしくありませんが、予備知識として『珍しい病気』を知っておいてください。
犬特有の『珍しい病気』2選
アジソン病
アジソン病は副腎皮質機能低下症とも呼ばれ、副腎から分泌される副腎皮質ホルモンが低下してしまう病気です。また、アジソン病がさらに悪化するとアジソンクリーゼという状態になります。
副腎皮質ホルモンには肝臓での糖新生や、筋肉でたんぱく質を代謝、脂肪組織で脂肪を代謝する働きがあります。また免疫抑制のためにも、犬の体に重要なホルモンとなっていて、多くの働きを担っているのです。そのため、アジソン病の症状は様々で、初期症状としては元気がないように見える、下痢や嘔吐など、比較的軽い症状が見られるようです。
病状が悪化してくると、食欲が低下し体重も落ち始めます。そして多く見られる症状が多飲多尿。暑い時期でもないのに水を多く飲むのと同時期に、食欲不振で少し痩せてきたら注意が必要でしょう。
副腎皮質ホルモンは体の多くの働きに影響を与えるホルモンなので、アジソン病にはこれといった特徴的な症状がなく、飼い主さんが気が付きにくい病気のひとつと言えます。
予防はできる?
アジソン病は自己免疫疾患のひとつでもあり、副腎皮質ホルモンはストレスを受けたときに分泌が増えるホルモンです。アジソン病の原因の一つに「過剰なストレス」があるのではないかと考えられています。予防としては、ストレスを与えない生活を送るのが一番かもしれません。
ペットホテルにお泊まりした後、またドッグランに行った後など、何かちょっとしたイベントの後に、毎回下痢や嘔吐などの体調不良が見られる場合、ストレスがかかって症状が出ている可能性があります。愛犬がどんなことをストレスに感じているのか見極めて、穏やかで無理のない日常を過ごすのも予防策のひとつになると思います。
肢端切断症候群
肢端切断症候群は、非常に珍しい先天性遺伝子性疾患になります。犬が肉球やつま先などを舐め続けることはよくありますよね。理由は皮膚の痒みが気になったり、ストレス発散のため、また指間に異物が入っていたりと、様々です。しかし、本当に稀ではあるのですが、肢端切断症候群という疾患であるケースもあります。
肢端切断症候群は、遺伝性の難病で感覚神経障害のひとつになります。四肢の末端の感覚がなく、出血してもなめ続け、ひどいときは骨が見えてしまうほどの状況になるようです。
現在までにミニチュア・シュナウザー、フレンチ・スパニエル、イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル、ジャーマン・ショートヘアード・ポインター、イングリッシュ・ポインターなどが発症しています。
肢端切断症候群のリスク
肢端切断症候群になってしまうと、愛犬のみでのお留守番は難しく、エリザベスカラーも常時着けていなくてはいけません。病院での専門的な治療や特別な食事も必要になってきますので、治療費や時間は相当なものになると思います。大変稀ではありますが、このような珍しい病気の場合は、長期的で高額、また特別なケアやお世話が必要です。
まとめ
愛犬が病気になってしまったとき、飼い主さんとしては、何とか治してあげることを一番に考えると思います。また珍しい病気であった場合、その病気の治療を専門とする獣医さんを探すことも必須となるでしょう。治療費は高額なことが多いので、ペット保険にはぜひ入っておくことをお勧めします。
獣医さんの話をしっかり聞くのと同時に、そのときの愛犬の症状をよく観察し、ご自身でも病気についてたくさん勉強して愛犬の力になってあげましょう。